イギリスのISAの歴史は、1987年にまで遡ります。
イギリスのISAは今から約15年程前の1999年にスタートしました。しかし、そのルーツはさらにその前の1987年に遡ります。
1960年、70年代にはイギリスの経済状況は悪化して英国病とまで呼ばれるようになります。それに伴い政府の財政も大変逼迫してきます。そして、80年代に入り、その英国病の治療に取り組んだのが「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー元首相です。
マーガレット・サッチャー元首相は、国営企業を民営化して財政支出を抑えようとしました。そして民営化に伴い発生する、大量の株式の売却先として一般個人に目を向けたのです。そこに更に、個人での貯蓄を奨励することで国民自身に経済力を蓄えてもらい、国家の財政支出を削減しようという思惑も加わり、ある一定の金額内の貯金に対しては非課税とする非課税口座の制度をつくったのです。
その後、90年代に入り政権は保守党より労働党に交代しました。多くの政策は変更されましたが、個人貯蓄の奨励という面に関しては労働党政権でも受け継がれました。そして1999年に混在していた制度を、一般の国民に理解しやすく使いやすい形に整えて運用開始したのがISAです。その後も、より使い易いものになるように何度か小さい変更を繰り返して現在に至っています。
ISAの元となる制度が開始されてから数えると、四半世紀を越える制度になります。また日本だけではなく色々な国がイギリスのISAを手本に非課税の貯蓄、投資制度を導入していることからみても、イギリス発祥のISAは優れた制度といえます。
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