経済とは、家計・企業・政府などの間で、モノやサービス、お金が生産・消費・投資・納税などを通じて循環する仕組みのことです。私たちが商品を買うこと、企業が設備投資をすること、政府が税金を集めて公共サービスを提供することなども、すべて経済活動の一部です。
定期預金の金利も経済と無関係ではありません。景気や物価の動き、日本銀行の金融政策、市場金利の変化などが、銀行の預金金利に影響します。経済の基本を知ることは、「なぜ定期預金の金利が上がるのか、下がるのか」を理解することにもつながります。
経済を理解するうえでは、主に「家計」「企業」「政府」の3つの主体を見ると分かりやすくなります。
| 主体 | 主な経済活動 |
|---|---|
| 家計 | 働いて所得を得る、商品やサービスを購入する、預金や投資をする |
| 企業 | 商品やサービスを生産・販売する、人を雇う、設備投資をする |
| 政府 | 税金を集め、社会保障・教育・道路・防災などの公共サービスを提供する |
たとえば家計が商品を購入すれば、そのお金は企業の売上になります。企業は売上から賃金を払い、設備投資を行い、税金を納めます。政府は税収をもとに公共サービスを提供します。このように、お金とモノ・サービスが循環しながら経済が動いています。
一般に「景気が良い」とは、消費や生産、雇用、投資などの経済活動が活発な状態をいいます。企業の売上や利益が増え、賃金や雇用が伸びやすくなり、家計の消費も増えやすくなります。
反対に「景気が悪い」とは、消費や生産、投資などが弱くなっている状態です。売上の減少が企業収益を圧迫し、賃金や雇用にも影響が及ぶと、家計が支出を控え、さらに企業の売上が落ちるという悪循環につながることがあります。
ただし、景気は単純に「良い・悪い」だけで判断できるものではありません。物価、賃金、雇用、企業収益、設備投資、個人消費など、複数の指標を組み合わせて見る必要があります。
物価が継続的に上昇する状態をインフレ、継続的に下落する状態をデフレといいます。物価の動きを確認する代表的な指標の一つが「消費者物価指数(CPI)」です。
適度な物価上昇と賃金上昇が伴えば、企業の売上や所得が増え、経済活動が拡大しやすくなります。一方で、物価だけが大きく上昇し、賃金が追いつかなければ、家計の実質的な購買力は低下します。
インフレとデフレについて詳しくは、インフレとデフレのページをご覧ください。
日本銀行は、物価の安定などを目的として金融政策を行っています。政策金利は、その金融政策を理解するための重要な指標です。
2026年7月31日の金融政策決定会合では、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す方針を維持しました。
かつて日本ではマイナス金利政策が行われていましたが、現在はその段階を終えています。
政策金利が上昇すると、市場金利や銀行の資金調達環境にも影響が及び、普通預金や定期預金の金利が引き上げられることがあります。逆に、政策金利が低下すると、預金金利にも低下圧力がかかりやすくなります。
定期預金の金利は、各銀行が自由に決めています。しかし、その背景には日本銀行の金融政策、市場金利、国債利回り、銀行間の資金調達環境、銀行同士の預金獲得競争などがあります。
たとえば、物価上昇が続き、日本銀行が金融引き締め方向の政策を取れば、市場金利が上昇し、銀行の定期預金金利も上がりやすくなります。一方、景気の悪化などを背景に金融緩和が強まれば、金利は低下しやすくなります。
ただし、政策金利が上がれば、すべての銀行が同じ幅・同じタイミングで定期預金金利を上げるわけではありません。銀行ごとの経営戦略や預金獲得の必要性によって金利差が生じるため、複数の金融機関を比較することが重要です。
預金者にとっては、表示されている金利だけでなく、物価上昇率との関係も重要です。たとえば定期預金の金利が年1%でも、物価が年3%上昇していれば、預金残高は増えても、そのお金で買えるモノやサービスの量は実質的に減る可能性があります。
このように、名目上の金利から物価上昇の影響を考慮したものを「実質金利」と考えることができます。元本保証の預金であっても、インフレによる購買力の低下は別の問題として考える必要があります。
円高・円安も経済に大きな影響を与えます。円安になると、輸入する原材料やエネルギー、食料品などの円換算価格が上昇しやすくなります。一方、海外で事業を行う企業にとっては、円換算した利益が増える場合もあります。
円高になると輸入品の価格を押し下げる要因となる一方、輸出企業の採算には逆風になる場合があります。為替は物価や企業収益、金融政策にも影響するため、預金金利を見るうえでも無関係ではありません。
関連ページ:円高が起きた理由
| 指標 | 何が分かるか |
|---|---|
| GDP | 国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の規模 |
| 消費者物価指数(CPI) | 家計が購入するモノやサービスの価格変化 |
| 賃金 | 家計の所得環境や購買力の変化 |
| 政策金利 | 日本銀行の金融政策の方向性 |
| 為替相場 | 円と外国通貨の交換価値 |
| 長期金利 | 国債市場などで形成される長期の金利水準 |
定期預金は元本保証を重視する人にとって重要な金融商品ですが、預けるタイミングによって金利条件は変わります。金利上昇局面で長期間の定期預金に固定すると、その後さらに金利が上昇したときに、より高い金利へ乗り換えにくくなる場合があります。
反対に、金利が低下していく局面では、早めに長期の金利を確保することが有利になる場合もあります。将来の金利を正確に予測することはできませんが、景気・物価・日本銀行の金融政策を知っておくと、定期預金の預入期間を考える際の参考になります。
はい。定期預金の金利は銀行ごとに決められますが、その背景には政策金利、市場金利、物価、景気、銀行の資金需要などがあります。経済環境が変わると、預金金利も変化することがあります。
いいえ。マイナス金利政策はすでに終了しています。2026年7月31日時点で、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す方針を示しています。
必ず上がるわけではありません。ただし、物価上昇などを背景に日本銀行が政策金利を引き上げ、市場金利が上昇すれば、銀行が定期預金金利を引き上げる要因になります。
将来さらに金利が上がると考える場合、短めの期間に分けて満期を迎えやすくする方法があります。一方、現在の金利を長く確保したい場合は長期定期も選択肢になります。将来の金利は確実には予測できないため、資金を複数の期間に分ける方法もあります。
※金融政策や金利水準は変更されます。本ページの政策金利に関する記述は2026年7月31日の日本銀行公表資料を基準としています。
