定期預金の解約には、満期日に解約する「満期解約」と、満期日前に解約する「中途解約・期日前解約」があります。
満期解約なら原則として契約時の約定金利が適用されますが、中途解約では所定の中途解約利率が適用され、受取利息が大幅に減る場合があります。
解約方法は、金融機関の窓口だけでなく、ATM、インターネットバンキング、銀行アプリ、満期日の解約予約などにも広がっています。ただし、商品、金額、口座の種類、本人確認方法によって利用できる手続きが異なります。
定期預金の解約方法は金融機関や商品によって異なります。自動解約、自動継続、解約予約、中途解約利率、必要書類、代理人による手続き、相続時の取扱い、仕組預金の注意点も確認しておきましょう。
| 解約方法 | 内容 | 主な利息の取扱い |
|---|---|---|
| 満期解約 | 満期日に解約する | 原則として約定金利 |
| 解約予約 | 満期日に自動解約するよう事前に予約する | 原則として約定金利 |
| 中途解約 | 満期日前に解約する | 所定の中途解約利率 |
満期解約とは、定期預金の満期日に元本と利息を受け取ることです。
満期自動解約型を選んでいる場合は、満期日に元本と税引後利息が指定の普通預金口座へ自動的に入金されます。
窓口やATM、インターネットバンキングで満期日当日に解約できる金融機関もあります。
満期日の解約では、原則として預入時に約束された金利が適用されます。
満期日が銀行休業日の場合の入金時期は金融機関によって異なるため、満期取扱規定をご確認ください。
金融機関によっては、満期前に郵便、メール、アプリ通知などで案内します。
一方、ペーパーレス口座、インターネット支店、通知不要設定などでは、郵送による案内がない場合があります。
満期案内が必ず届くとは限らないため、自分で満期日と満期取扱方法を確認しておきましょう。
自動継続型の定期預金でも、満期日前に「満期日に解約する」という予約を受け付ける金融機関があります。
解約予約をすると、満期日に元本と税引後利息が普通預金へ入金されます。
ATM、インターネットバンキング、銀行アプリ、窓口などで予約できますが、受付期限と金額上限が設定される場合があります。
満期日の前営業日までなど、予約期限を過ぎると中途解約扱いになる場合があるため注意してください。
中途解約とは、満期日前に定期預金を解約することです。
中途解約では、預入時の約定金利ではなく、金融機関所定の中途解約利率・期日前解約利率が適用されます。
たとえば、預入期間が短い場合は解約日の普通預金金利、一定期間を超えている場合は「約定金利×20%」「約定金利×50%」などが適用される商品があります。
具体的な利率は、金融機関、商品、預入期間、実際に預けた期間によって異なります。
一般的な円定期預金では、金融機関が中途解約に応じることが多くあります。
ただし、預金規定では「やむを得ない場合を除き、満期日前には解約できない」と定める商品もあります。
中途解約を当然の権利としていつでも行えるとは限らないため、契約前に商品概要説明書と預金規定をご確認ください。
一般的な円定期預金では、中途解約しても元本が減らず、利息だけが少なくなる商品が多くあります。
しかし、次のような商品では例外があります。
仕組預金は原則として中途解約できず、例外的に解約できても受取額が元本を下回る可能性があります。
円定期預金と名称が似ていても、仕組預金や外貨預金はリスクが異なります。
中途解約利率は、一般に次の要素を基に決まります。
たとえば「約定金利×20%」と定められている場合、年1.00%の定期預金でも中途解約利率は年0.20%になります。
ただし、計算結果が普通預金金利を下回る場合の最低利率など、商品独自の規定があります。
100万円を年1.00%の1年定期へ預け、6カ月後に解約し、中途解約利率が「約定金利×20%」だった場合を考えます。
中途解約利率:年1.00%×20%=年0.20%
税引前利息の概算:100万円×年0.20%×6カ月÷12カ月=1,000円
個人の場合は、この利息から原則20.315%の税金が差し引かれます。
実際の計算では日数、端数処理、最低利率などを反映します。
定期預金の一部だけを解約できる商品があります。
ただし、一部解約後の残高が最低預入金額を下回る場合や、商品自体が一部解約に対応しない場合は利用できません。
一部解約した金額だけに中途解約利率が適用され、残りは約定金利で継続する商品もあります。
一部解約の可否は、金融機関と商品によって大きく異なります。
定期預金を預けるときは、満期時の取扱方法を選びます。
満期自動解約では、元本と税引後利息を普通預金へ入金します。
元金自動継続では、元本だけを同じ期間の定期預金へ継続し、利息を普通預金へ入金します。
元利自動継続では、元本と税引後利息を合わせて再び定期預金へ預けます。
自動継続後は、最初に預けたときの金利ではなく、原則として継続日当日の同一商品・同一期間の金利が適用されます。
キャンペーン金利は初回満期までだけ適用され、継続後は通常金利へ下がる場合があります。
自動継続型の定期預金は、満期前に継続後の金利と他行の金利を比較しましょう。
自動継続後に解約すると、新しい定期預金を満期前に解約することになります。
前回の満期までの利息は約定どおり支払われますが、継続日から解約日までの期間には、継続後の預金規定に基づく中途解約利率が適用されます。
自動継続後に中途解約する場合は、継続後の預金規定に定められた期日前解約利率で利息が計算されます。
満期自動解約型で受取口座の指定がない場合や、満期後も払い戻さない場合は、満期日から解約日まで所定の利率で利息が計算されます。
多くの商品では、満期後の期間に解約日の普通預金金利を適用します。
満期後に高い定期預金金利がそのまま続くわけではありません。
| 方法 | 主な特徴 |
|---|---|
| 店舗窓口 | 高額、証書式、代理人、相続など幅広く対応 |
| ATM | 総合口座定期など所定条件で対応 |
| インターネットバンキング | 満期解約予約、即時解約に対応する場合がある |
| 銀行アプリ | ネット定期を中心に解約できる場合がある |
| 郵送 | 一部の金融機関・商品で対応 |
解約可能な金額、受付時間、本人確認方法は金融機関によって異なります。
窓口で定期預金を解約するときは、一般に次のものが必要です。
印鑑レス口座、通帳を発行しない口座、ネット専用定期では必要なものが異なります。
高額解約では、資金使途、振込先、本人確認について追加確認を受ける場合があります。
通帳や定期預金証書を紛失しても、本人確認と口座照合ができれば解約手続きを進められる場合があります。
先に喪失届、利用停止、再発行、印鑑変更などの手続きが必要です。
本人確認書類、新しい印鑑、キャッシュカードなどを求められる場合があります。
総合口座の定期預金など、所定条件を満たせばATMで満期解約予約や満期日当日の解約ができる金融機関があります。
取扱可能な商品、元金上限、受付時間、通帳の有無などに条件があります。
ATMで手続きできない場合は、窓口またはインターネットバンキングを利用します。
ネット銀行やインターネット支店の定期預金は、銀行アプリやウェブサイトから解約する方法が一般的です。
満期解約予約、即時中途解約、自動継続停止などの操作を行います。
ワンタイムパスワード、スマートフォン認証、秘密の質問などが必要になる場合があります。
一般的な円定期預金では、解約そのものに手数料を設定しない金融機関が多くあります。
ただし、中途解約では利率が下がるため、経済的には予定利息を失うことになります。
通帳・証書の再発行、振込、郵送、残高証明書などには別途手数料がかかる場合があります。
本人が来店できない場合、代理人による解約を受け付ける金融機関があります。
一般に必要となるものには、委任状、預金者本人と代理人の本人確認書類、通帳・証書、届出印などがあります。
高額取引では、金融機関から本人へ電話確認を行ったり、代理人手続きを認めなかったりする場合があります。
預金者本人の意思確認が難しい場合、家族だからという理由だけで自由に解約できるわけではありません。
金融機関の代理人制度、成年後見制度、任意後見制度などを利用する必要がある場合があります。
医療費や介護費用など緊急性がある場合も、まず取引金融機関へ事情をご相談ください。
預金者が亡くなった場合は、通常の解約ではなく相続手続きが必要です。
相続人は、戸籍謄本、遺言書、遺産分割協議書、印鑑証明書、本人確認書類などを提出し、金融機関所定の手続きを行います。
定期預金の満期前でも、相続手続きにより解約・払戻しが行われる場合があります。
大口定期預金でも、満期前に解約すると所定の期日前解約利率が適用されます。
中間利息をすでに受け取っている場合は、中途解約利息との差額を精算することがあります。
解約金額が大きい場合は、事前予約や振込での受取を求められることがあります。
外貨定期預金は、円定期預金とは異なり、為替変動リスクがあります。
中途解約時に低い利率が適用されるだけでなく、円へ戻す際の為替レートや為替手数料によって円換算額が元本を下回る可能性があります。
外貨定期預金は預金保険制度の対象外です。
仕組預金は、金融派生商品を組み込んだ預金です。
原則として中途解約できず、金融機関が例外的に解約へ応じても、市場価格調整や解約費用によって元本割れする可能性があります。
通常の円定期預金と同じ感覚で契約・解約しないことが重要です。
個人が受け取る定期預金の利息には、原則として20.315%の源泉分離課税が適用されます。
| 税区分 | 税率 |
|---|---|
| 所得税・復興特別所得税 | 15.315% |
| 地方税 | 5% |
| 合計 | 20.315% |
満期解約でも中途解約でも、支払われる利息から税金が源泉徴収されます。
日本国内に本店を置く対象金融機関の一般的な円定期預金は、預金保険制度の対象です。
同じ金融機関の普通預金などと合算し、預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
外貨預金や一部の特殊な商品は預金保険制度の対象外です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 満期日 | 今日の解約が満期か中途解約か |
| 満期取扱 | 自動解約・元金継続・元利継続 |
| 中途解約利率 | 実際に適用される利率 |
| 解約可能方法 | 窓口・ATM・ネット・アプリ |
| 必要書類 | 通帳・証書・届出印・本人確認書類 |
| 受取方法 | 普通預金入金・振込・現金 |
| 商品種類 | 円定期・外貨定期・仕組預金 |
| 預金保険 | 対象商品か、同じ金融機関の合算額 |
一般的な円定期預金では解約に応じる金融機関が多いものの、規定上は原則解約できない商品もあります。取引金融機関へご確認ください。
一般的な円定期預金では元本割れせず、利息が減る商品が多くあります。ただし、仕組預金、外貨預金などでは元本割れの可能性があります。
必ずしも必要ではありません。満期自動解約、解約予約、ATM、インターネットバンキングなどを利用できる場合があります。
満期前に自動継続停止や満期解約予約を行える金融機関があります。受付期限をご確認ください。
通常は続きません。継続日当日の同一商品・同一期間の金利が適用されます。
一般的な円定期預金では解約手数料がない場合が多いものの、中途解約利率によって利息が減ります。再発行や振込には手数料がかかる場合があります。
委任状などで対応できる金融機関がありますが、高額取引や商品によっては本人手続きが必要です。
個人の場合、原則として20.315%の源泉分離課税です。
定期預金は、満期日に解約すれば原則として約定金利による利息を受け取れます。
満期前の中途解約では、所定の中途解約利率が適用され、予定した利息より少なくなります。商品によっては中途解約できず、仕組預金などでは元本割れの可能性もあります。
解約前には、満期日、満期取扱方法、中途解約利率、手続き方法、必要書類、商品種類をご確認ください。生活予備資金を普通預金に残し、定期預金を複数・複数期間へ分けると、中途解約を避けやすくなります。
