定期預金の解約は、原則として名義人本人が手続きします。
ただし、入院、けが、身体的な事情、長期出張、海外滞在などで本人が来店できない場合は、金融機関が認めれば代理人による解約手続きが可能です。
代理人が解約できるかどうか、必要書類、本人への意思確認、高額取引の取扱いは金融機関ごとに異なります。委任状を持参すれば必ず解約できるわけではありません。
単に「仕事が忙しい」「家族だから」という理由だけでは、代理人による解約を認めない金融機関があります。
書類不備や本人確認ができない場合は、当日中に解約できないことがあります。
代理人による解約では、必要書類や手続き方法が金融機関ごとに異なります。
来店前に、次の内容を確認してください。
代理人による定期預金の解約では、本人が代理人へ解約権限を与えたことを示す委任状が必要になるのが一般的です。
金融機関所定の委任状がある場合は、その用紙を使用します。
一般に委任状には、次の事項を記載します。
委任内容が「預金手続き一切」など曖昧な場合は、定期預金の解約権限が確認できず、受け付けられないことがあります。
委任状は、原則として預金者本人が内容を確認し、自筆で記入します。
代理人が本人に代わって作成すると、本人の意思を確認できないとして手続きを断られる可能性があります。
本人が身体的な事情で記入できない場合は、代筆の可否や必要な証明書類を金融機関へご相談ください。
| 準備する人 | 主な必要書類 |
|---|---|
| 預金者本人 | 委任状、本人確認書類、届出印、通帳・証書、キャッシュカードなど |
| 代理人 | 本人確認書類、印鑑、本人との関係を確認できる書類など |
本人確認書類には、マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、資格確認書などが利用されます。
本人・代理人の印鑑証明書や住民票を求める金融機関もあります。
委任状があっても、金融機関は本人へ電話するなどして、次の事項を確認する場合があります。
本人と連絡が取れない場合や意思確認ができない場合は、代理人による解約を断られることがあります。
解約金額が高額な場合は、なりすまし、詐欺、財産の不正取得などを防ぐため、金融機関の確認が厳格になります。
本人の来店を求められたり、代理人による解約を認めなかったり、本人名義の普通預金への入金に限定したりする場合があります。
現金での受取ではなく、本人名義口座への振替・振込を求められることもあります。
配偶者、子、親、兄弟姉妹であっても、本人名義の定期預金を自由に解約できません。
家族関係が確認できても、本人から代理権を与えられていることが必要です。
通帳、証書、届出印、キャッシュカードを持っているだけでは、解約権限があるとは認められません。
金融機関によっては、本人が指定した家族などへ代理人用キャッシュカードを発行します。
代理人カードは普通預金の出金などに利用できますが、定期預金の解約権限まで当然に含むとは限りません。
代理人カードの利用範囲、出金限度額、定期預金への対応をご確認ください。
本人の判断能力が十分なうちに、将来の代理人をあらかじめ登録できる金融機関があります。
三井住友銀行の代理人指名手続や、みずほ銀行の代理人予約サービスなどが例です。
事前登録型の制度では、代理人ができる取引、利用開始条件、必要書類、出金先などが定められています。
判断能力が低下した後では新規に申し込めない制度もあるため、将来に備える場合は早めに確認してください。
本人が解約内容を理解し、代理人へ委任する意思を明確に示せる場合は、委任状による任意代理を利用できる可能性があります。
ただし、本人の意思確認方法と必要書類は金融機関ごとに異なります。
本人の判断能力が低下し、解約の意味や資金使途を理解できない場合、通常の委任状による代理手続きは難しくなります。
全国銀行協会は、預金の払戻しには原則として本人の意思確認が必要と案内しています。
本人の生活費、医療費、入院費、介護費用などで資金が必要な場合は、まず取引銀行へ事情をご相談ください。
家族が本人の通帳と印鑑を持参しても、本人の意思確認ができない状態では自由に解約できません。
成年後見人、保佐人、補助人が定期預金を管理・解約する場合は、金融機関へ後見関係の届出が必要です。
一般に、登記事項証明書、後見人等の本人確認書類、届出書などを提出します。
代理権の範囲によっては、家庭裁判所の許可や追加書類が必要になる場合があります。
将来の判断能力低下へ備える方法として、任意後見契約や民事信託・家族信託を検討する人もいます。
ただし、契約を作成しただけで、すべての銀行取引を当然に行えるわけではありません。
取引金融機関が必要とする書類や口座管理方法を事前に確認してください。
預金者本人が死亡すると、本人が生前に与えた通常の委任は原則として終了します。
その後、家族が「代理人」として定期預金を解約するのではなく、相続人、遺言執行者、相続財産清算人などが相続手続きを行います。
死亡後に生前の委任状を使用して定期預金を解約することはできません。
役所へ死亡届を提出しただけで、役所からすべての銀行へ自動的に情報が伝わり、直ちに口座が凍結されるわけではありません。
金融機関が遺族からの連絡などにより死亡を把握した時点で、預金保全のため取引を制限するのが一般的です。
必要書類は、遺言書、遺産分割協議、相続人の人数などによって異なります。
相続方法と金融機関によって必要書類が異なるため、先に相続窓口へご相談ください。
代理人による解約が認められた場合でも、解約金は本人名義の普通預金へ入金する取扱いが一般的です。
代理人名義の口座への振込や、高額現金での受取を認めない場合があります。
資金が本人のために使われることを確認するため、医療費・介護費用などの請求書を求められる場合もあります。
代理人が手続きを行っても、満期前の解約であれば中途解約扱いです。
預入時の約定金利ではなく、金融機関所定の中途解約利率が適用されます。
代理人手続きだから特別な金利や手数料が適用されるわけではありません。
一般的な円定期預金では、代理人による解約そのものに特別な手数料を設定しない金融機関が多くあります。
ただし、印鑑証明書、住民票、診断書、登記事項証明書、委任状の公証などに費用がかかる場合があります。
他行振込、通帳・証書再発行、残高証明書発行にも別途手数料がかかることがあります。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 本人の状態 | 本人に判断能力・委任意思があるか |
| 事前確認 | 代理人手続きが可能か銀行へ確認したか |
| 委任状 | 所定書式・自筆・委任範囲が明確か |
| 本人確認 | 本人・代理人双方の書類がそろっているか |
| 定期預金資料 | 通帳・証書・届出印があるか |
| 解約時期 | 満期解約か中途解約か |
| 受取方法 | 本人名義口座への入金か |
| 特別手続き | 成年後見・相続手続きではないか |
家族というだけでは解約できません。本人からの委任と、金融機関所定の本人確認が必要です。
必ず解約できるとは限りません。本人への意思確認、高額取引、委任内容などにより断られる場合があります。
原則として本人が記入します。本人が記入できない事情がある場合は、事前に金融機関へご相談ください。
本人へ電話し、解約意思、金額、資金使途などを確認する場合があります。
本人の意思確認ができない場合、通常の委任状では難しく、銀行独自の代理人制度や成年後見制度などが必要になる場合があります。
代理人カードの権限は金融機関ごとに異なり、定期預金の解約に使えない場合があります。
使用できません。死亡後は相続人などによる相続手続きが必要です。
役所への死亡届だけで、すべての銀行口座が自動的に凍結されるわけではありません。銀行が死亡を把握した時点で取引が制限されるのが一般的です。
定期預金は、本人が来店できない事情があり、金融機関が認めた場合には、代理人が解約できることがあります。
委任状、本人・代理人の本人確認書類、通帳・証書、届出印などが必要であり、銀行から本人へ意思確認が行われる場合があります。家族であっても当然に解約できるわけではありません。
本人の判断能力が低下している場合は、銀行独自の代理人制度や成年後見制度を検討します。本人が死亡した後は代理人手続きではなく、相続人・遺言執行者等による相続手続きが必要です。
