通貨とは、広い意味で各国が使用しているお金のことをいいます。たとえば、日本では円、アメリカでは米ドル、欧州のユーロ圏ではユーロのことを通貨と呼びます。通貨と同じような言葉で貨幣もあり、貨幣は通貨のうちの硬貨を指す言葉です。日本では500円、100円、50円、10円、5円、1円の6種類の鋳造貨幣のことをいいます。
日本の通貨には1万円や5千円や千円などの紙幣もあります。この紙幣と硬貨は作っている場所が違います。紙幣は日本銀行が発行しているため、よく見ると「日本銀行券」と印刷されています。紙幣は政府や国が発行していると思われがちですが、貨幣法により日本銀行が発行しているのです。そのため紙幣の発行は、目先の景気動向に惑わされること無く、経済指標や世界経済を見通し、市場にどれだけ流通させるかを決める日銀総裁の重要な仕事になっています。
一方、硬貨の発行は日本政府が行い、造幣局で作られています。硬貨をたとえ大量に作って市場に流したとしても、経済への影響が少ないためだといわれています。硬貨は補助貨幣とも呼ばれていて、流通できるのは基本的に国内だけになります。そのため、100円硬貨や500円硬貨を海外で使おうと思っても両替ができません。反対に紙幣は海外での利用(両替)ができます。
また、世界中に通貨はあり、世界の通貨の中には基軸通貨やメジャー通貨、マイナー通貨と呼ばれるものがあります。基軸通貨は国際的に流通している通貨のことで、現在はアメリカの米ドルのことをいいます。
そして、メジャー通貨やマイナー通貨は、一般的に外国為替市場での取引区分に使われる用語です。メジャー通貨は、流通性の高い通貨のことで米ドルやユーロ、円、カナダドル、ニュージーランドドル、オーストラリアドルなどを指します。マイナー通貨は、メジャー通貨以外の通貨で市場での流通性が低く、お金の信用度も低くなっています。