インターネットバンキングが誕生する以前は、「テレフォンバンキング」が提供されていました。
インターネットバンキングが誕生する以前、店舗以外で銀行取引を行うためのサービスとして「テレフォンバンキング」が提供されていました。テレフォンバンキングとは、固定電話を使って残高照会や振込等の銀行取引を行うサービスであり、1988年にシティバンクが開始したのを皮切りに、旧住友銀行、旧三和銀行等、多くの銀行で導入されるようになりました。
1990年代に入ると、一般家庭へのパソコンの普及に伴い、インターネットの利用者が急増しました。また当時は金融機関の第3次オンラインシステムが構築されるなど、金融機関のオンライン化が急速に進められていた時期でもあったため、銀行はパソコンとインターネット回線を使って、テレフォンバンキングと同じように銀行取引を行うことができるサービスを模索するようになりました。
そして、1997年1月、旧住友銀行が最初のインターネットバンキングサービスの提供を開始します。自宅にいながら24時間いつでも残高や出入金明細の照会、振込や振替等の銀行取引を行うことができるこのサービスは多くの注目を集め、旧あさひ銀行や、旧三和銀行、旧富士銀行等も相次いでサービスを開始しました。
さらに2000年に入ると、金融ビッグバンによる金融自由化の波に乗り「新たな形態の銀行」として、店舗を持たずにインターネット上のみで取引を行う「インターネット専業銀行」が誕生します。2000年10月、旧さくら銀行と旧住友銀行等の出資により、日本で最初のインターネット専業銀行であるPayPay銀行が誕生し、翌年には旧イーバンク銀行(現楽天銀行)が誕生しました。
また、携帯電話やスマートフォン等の小型移動端末の普及に伴い、携帯電話やスマートフォンから銀行取引を行うサービスも提供されるようになりました。「モバイルバンキング」と呼ばれるもので、携帯電話のiモードやスマートフォンの専用アプリを通して銀行取引を行うことができます。
このように、インターネットバンキングは、ほんの十数年間というごく短い期間で、急速に発展し、社会に根付いたサービスです。
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