休眠口座とは、お金を預けたままで入出金などの取引が長期間されていない預金口座です。預金残高は少ない場合がおおく、全国に1,300万以上の休眠口座があり、総合すると実に800億円以上の金額が休眠口座に眠っています。
休眠口座が発生する理由は様々です。日本は海外に比べて一人当たりの預金口座数がおおく、複数の金融機関と取引したり、用途別に預金口座を使い分けています。そのため管理が行き届かず、休眠口座が生まれやすいです。しかし、休眠口座は払い戻しの手続きが複雑なので極力避けたいものです。
休眠口座に認定される条件は決まっています。最後にお金を入出金した日、または定期預金の最後の満期日から10年以上が経過していて、なおかつ通知しようにも預金者本人と連絡が取れない預金口座が休眠口座になります。
預金残高1万円未満の預金口座も10年以上経ったら問答無用で休眠口座になるため、少額しか預けていない預金口座がある場合は注意したいです。しかし10年以上たっていても通知が届けば休眠口座にはならず、通常通りに払い戻しなどができます。
そもそも、なぜ預金口座が休眠扱いになるのかというと、預金が金融機関に金銭を寄託する消費寄託だからです。消費寄託とは受寄者が寄託物を消費できる契約で、この場合は金融機関が受寄者、預金者が預けた金銭が寄託物となります。
金融機関は預金者から預かった金銭を元手に業務をするため、寄託物(金銭)を消費していることになります。一方で受寄者は消費した寄託物と同種・同量・同等の物を返還しなくてはいけないため、預金者は金融機関に預けた金銭の返還請求権を持ち、自由に払い戻せます。しかし返還請求権には時効があるため、一定期間を過ぎると払い戻しができなくなります。この時効が訪れて払い戻しできなくなった預金口座が休眠口座です。
休眠口座は海外にも存在します。一定期間以上取引がないと休眠口座になる点は日本と同じですが、休眠口座になるまでの年数が日本と異なります。たとえばアメリカでは1年以上取引がないと休眠口座となります。
休眠口座になると入出金などの取引ができなくなり、電話や書類のやり取りで休眠口座を解消する手続きをする必要があります。海外の金融機関は当然現地の言語で手続きしなくてはならないため困難です。こまめに預金通帳やバンキングサービスで預金残高や取引履歴を確認して、休眠口座を未然に防ぎたいです。