口座維持手数料とは、銀行口座を保有・利用するために、毎月または毎年支払う手数料です。
日本の個人向け普通預金では、口座を保有しているだけで一律に徴収する口座維持手数料は現在も一般的ではありません。
一方、長期間利用していない口座を対象とする「未利用口座管理手数料」、紙通帳を利用する場合の「通帳利用手数料」、特定の総合金融サービス口座にかかる口座維持手数料は実際に存在します。
日本銀行は2016年にマイナス金利政策を導入しましたが、2024年3月19日に終了しました。現在の銀行手数料は、マイナス金利政策が継続していることを前提に説明することはできません。
| 手数料 | 対象 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 口座維持手数料 | 口座保有者 | 毎月・毎年など定期的に徴収 |
| 未利用口座管理手数料 | 長期間入出金がない口座 | 一定条件を満たす未利用口座だけが対象 |
| 通帳利用手数料 | 紙通帳を利用する口座 | 新規口座や特定年齢層などが対象になる場合がある |
| 休眠預金 | 10年以上取引がない預金 | 手数料ではなく、管理制度上の取扱い |
日本銀行は2016年1月にマイナス金利政策の導入を決定し、金融機関が日本銀行へ預ける当座預金の一部にマイナス0.1%を適用しました。
しかし、2024年3月19日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的金融緩和とマイナス金利政策は役割を果たしたとして終了しました。
現在の口座維持手数料を「マイナス金利政策が続いているため」と説明するのは正確ではありません。
銀行の手数料は、システム維持費、人件費、サイバーセキュリティ対策、不正口座管理、郵送・通帳コストなど、複数の要因で決まります。
一般的な口座維持手数料は、口座を持つこと自体に対して定期的に発生します。
海外の銀行では、毎月一定額を徴収し、給与入金、最低残高、一定回数のカード利用などの条件を満たすと無料にする仕組みが広く見られます。
日本では、個人向け普通預金へ一律に月額手数料を課す銀行は限定的です。
SMBC信託銀行プレスティアでは、所定の無料条件を満たさない場合、月額2,200円(税込)の口座維持手数料が毎月第2営業日にかかります。
たとえば、前月の月間平均総取引残高が50万円相当額以上、外貨部分の月間平均総取引残高が20万円相当額以上、所定のローン利用、SMBC信託銀行の提携クレジットカード会員、外貨積立サービスの所定条件など、いずれかの無料条件を満たす場合は口座維持手数料が無料になります。
また、口座開設が完了した月から翌々月までの口座維持手数料は、これらの条件にかかわらず無料です。
口座維持手数料がある銀行でも、無料条件が設けられている場合があります。
PayPay銀行の前身であるジャパンネット銀行は、過去に月額189円の口座維持手数料を設定していました。
しかし、2012年7月1日から口座維持手数料を廃止しています。
したがって、現在のPayPay銀行では、この月額189円の口座維持手数料は徴収されていません。
SBI新生銀行のパワーフレックス取引共通規定には、口座管理手数料に関する条項があります。
ただし、同行は現在、口座管理手数料はかからないと案内しています。
規定に手数料条項があることと、実際に現在徴収されていることは分けて確認する必要があります。
未利用口座管理手数料は、口座を持っているすべての人ではなく、一定期間入出金がない口座を対象とします。
一般的には、次のような条件を組み合わせて判定します。
通常の口座維持手数料と、未利用口座管理手数料は別の制度です。
りそな銀行では、所定の普通預金口座について、最後の入金・払戻しから2年以上取引がない場合、未利用口座として扱います。
対象口座へ事前案内を行い、一定期間後も取引がなければ、年間1,320円(税込)の未利用口座管理手数料がかかります。
原則として2004年4月1日以降に新規開設された普通預金口座のうち、残高1万円未満など所定の条件を満たす口座が対象です。
口座残高が年間手数料1,320円(税込)に満たない場合は、残高全額が手数料の一部として引き落とされ、原則として口座が自動解約されます。ただし、総合口座契約がある場合など、自動解約されない場合があります。
ローソン銀行では、通常の口座維持手数料はありません。
ただし、長期間利用していない所定の普通預金口座には、未使用口座管理手数料がかかる場合があります。
定期預金の保有、インターネットバンキングへのログイン、口座振替の利用など、対象外条件が設けられています。
三井住友信託銀行でも、2年以上利用がない所定の普通預金口座について、年間1,320円(税込)の未利用口座管理手数料を設定しています。
残高1万円以上、定期預金・投資信託・外貨預金・NISA・ローンなどの取引がある場合は、対象外となる条件があります。
対象口座の普通預金残高が未利用口座管理手数料の金額に満たない場合は、残高全額が手数料として引き落とされ、その口座は自動解約されます。残高を超える金額が請求されることはありません。
紙通帳の印刷、印紙税、保管・管理などのコストを理由に、紙通帳の利用へ年間手数料を設定する銀行があります。
りそな銀行では、2023年1月16日以降に新規開設した個人の普通預金口座で紙通帳を利用する場合、原則として年間550円(税込)の通帳利用手数料がかかります。
年齢、口座種類などによって対象外になる場合があります。
休眠預金は、2009年1月1日以降の取引から10年以上、入出金などの異動がない預金です。
休眠預金等活用法に基づき、預金保険機構へ移管された後も、預金者は金融機関で手続きすれば払い戻しを受けられます。
休眠預金は、残高が国へ没収される制度でも、口座維持手数料を徴収する制度でもありません。
| 比較項目 | 未利用口座 | 休眠預金 |
|---|---|---|
| 期間 | 銀行所定。2年以上が多い | 原則10年以上 |
| 根拠 | 銀行の預金規定 | 休眠預金等活用法 |
| 手数料 | かかる場合がある | 制度自体は手数料ではない |
| 払戻し | 口座が残っていれば通常手続き | 移管後も金融機関で払戻し可能 |
一般的な円定期預金そのものに、毎月の口座維持手数料が設定されることは多くありません。
ただし、定期預金を利用するための総合口座や普通預金口座に、口座維持手数料・未利用口座管理手数料が設定される場合があります。
定期預金を持っていることが、未利用口座管理手数料の対象外条件になる銀行もあります。
口座維持手数料がかかる口座では、年間手数料と定期預金から受け取る利息を比較できます。
定期預金の利息には税金がかかるため、実際の収支を比べる場合は税引後利息で確認する必要があります。
年間の手数料額と税引後利息を比較すると、口座維持に伴う実質的な収支を確認できます。
月額2,200円の口座維持手数料がかかる場合、年間負担は次のとおりです。
2,200円×12カ月=26,400円
100万円を年1.00%の定期預金へ1年間預けた税引前利息は1万円です。一般的な個人の円預金利息に20.315%の税金がかかる場合、税引後利息は約7,969円です。
この例では、年間口座維持手数料26,400円に対して税引後利息は約7,969円となり、差額は約18,431円です。
多くのネット銀行では、通常の個人口座に口座維持手数料を設定していません。
ただし、未使用口座管理手数料、ATM手数料、振込手数料、証明書発行手数料などがかかる場合があります。
ネット銀行だからすべての手数料が無料、店舗型銀行だから有料という一律の関係はありません。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 未利用期間 | 最後の入金・払戻しなどから何年経過すると対象になるか |
| 口座残高 | 一定額以上の残高があれば対象外になるか |
| 他商品の保有 | 定期預金、投資信託、ローンなどの取引が対象外条件になるか |
| 紙通帳 | 通帳利用手数料の対象となる口座・年齢・開設日か |
| 無料条件 | 預金残高、給与受取、ローン、外貨取引などの条件があるか |
| 通知方法 | 郵送、電子メール、アプリ、公式サイトなど、どの方法で案内されるか |
| 残高不足時 | 残高全額の引落しや自動解約が行われるか |
長期間取引がない口座では、金融機関の規定によって未利用口座管理手数料の対象となる場合があります。
また、登録住所への通知、残高からの手数料引落し、所定条件での自動解約などが行われる場合があります。
さらに、預金は一定の条件のもとで10年以上異動がない場合、休眠預金等活用法に基づく休眠預金の対象となることがあります。
銀行が規定や手数料を変更する場合、公式サイト、アプリ、電子メール、郵送などで案内されます。
案内方法や改定内容は金融機関によって異なります。
米国などでは、普通預金・当座預金へ月額手数料を設定し、最低残高、給与入金、カード利用などの条件で無料にする銀行が多くあります。
海外口座では、居住者・非居住者、口座種類、通貨、預金残高などにより手数料が異なります。
海外銀行では、口座維持手数料のほか、海外送金、為替、ATM、休眠口座などに関する手数料が設定される場合があります。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 手数料の種類 | 通常・未利用・通帳利用のどれか |
| 金額 | 月額・年額・税込金額 |
| 対象条件 | 取引なし期間・残高・開設日 |
| 無料条件 | 預金、給与受取、ローンなど |
| 通知方法 | 郵送・メール・アプリ |
| 残高不足時 | 自動解約されるか |
| 通帳 | 紙通帳に手数料がかかるか |
| 休眠預金 | 10年以上取引がないか |
多くの個人向け普通預金ではかかりません。ただし、特定口座や未利用口座、紙通帳に手数料がかかる場合があります。
続いていません。日本銀行は2024年3月19日にマイナス金利政策を終了しました。
異なります。口座維持手数料は口座保有者を広く対象とし、未利用口座管理手数料は長期間利用していない所定口座だけを対象とします。
対象外になる銀行がありますが、条件は銀行ごとに異なります。
没収されません。預金保険機構へ移管された後も、金融機関で手続きすれば払い戻しを受けられます。
過去には月額189円でしたが、2012年7月に廃止されています。
現在はかからないと案内されています。ただし、規定には手数料に関する条項があります。
あります。入出金の有無、口座残高、定期預金など他商品の保有状況によって対象外となる場合があります。具体的な条件は金融機関ごとに異なります。
日本では、普通預金口座を保有するだけで一律に徴収する口座維持手数料は一般的ではありません。
現在注意すべきなのは、特定銀行の口座維持手数料、長期間利用していない口座の未利用口座管理手数料、紙通帳の通帳利用手数料です。
マイナス金利政策は2024年3月に終了しています。口座関連手数料の金額・対象条件・無料条件は金融機関ごとに異なり、規定改定によって変更される場合があります。
※本ページは2026年9月28日時点で各金融機関および金融庁等の公式情報を確認して作成しています。手数料、対象条件、無料条件、商品・サービス内容等は変更される場合があります。
