総合口座とは、普通預金口座と定期預金口座が1つにまとめられた口座で、普通預金と定期預金を一冊の通帳で管理できます。
普通預金と定期預金が紐づけされているので、両者の間の資金移動がスムーズで当座貸越も利用できます。
当座貸越とは、決済期日に普通預金口座が残高不足なら、定期預金を担保として自動的に不足分のお金が借りられる機能のことです。
定期預金と総合口座には、どのような関係があるのでしょうか?
初めて取引する金融機関で口座開設をするには、まず普通預金口座を作成します。
そして普通預金口座を作成する際には、特別な事情がなければ総合口座に普通預金口座を開設するのが一般的です。
総合口座とは、普通預金口座と定期預金口座が1つにまとめられた口座で、普通預金と定期預金を一冊の通帳で管理できます。
はじめからお互いの口座の関連情報が紐付づけされているので、普通預金口座や定期預金口座がより利用しやすくなっています。
現在は、総合口座で普通預金口座を開設するのが一般的です。
しかし利用者が申し出れば、「普通預金口座の通帳」「定期預金口座の通帳」という具合に、別々に独立した通帳を発行することも可能です。
昔は総合口座というものは存在せず、各々の預金口座ごとに独立した通帳を発行していました。
昔の、毎月の給料やボーナスは会社から現金で支給されて、公共料金の支払いなども集金人が各家庭を回って集金するという時代には、そもそもお金を口座に頻繁に入出金する習慣はありませんでした。
その後、コンピューターを利用したオンラインシステムが誕生して、現金自動預払機、つまりATMによるオンラインキャッシュサービスが開始されます。
そして毎月の給料は口座に振込まれ、公共料金も口座引き落としされるようになっていきます。
キャッシュカードを利用して現金の出し入れができるようになると、それまで金融機関の職員が対応していた窓口での事務処理は、徐々にATMが代わって処理するようになりました。
それにつれて、オンラインを利用した様々な金融サービスが提供されるようになっていきました。
今では当たり前になっているATMでの通帳記帳や振込などはオンラインサービスの代表例であり、総合口座もそうしたサービスのうちの1つです。
毎月の給料や年金が現金での支払いだった頃は、現金はいったん各家庭に持ち込まれて家庭内で家計管理され、生活して余ったお金があれば不定期に金融機関に預けに行く方法がとられていました。
しかし給料が口座振込になると、お金はいったん普通預金口座に入金されます。私たちはそこから必要な金額だけを下ろして使うようになり、給料が現金支払いだった頃に比べて普通預金口座には多くのお金が残るようになりました。
利用者が金融機関の店舗の窓口で入金をしていた頃は、金融機関の職員が利用者に対して定期預金などへの預け入れを促して、普通預金口座から定期預金口座へ資金を移動することができました。
ところが、ATMでキャッシュカードを使って入出金が手軽にできるようになると、利用者は入出金のために金融機関の窓口へ足を運ぶ必要が少なくなります。
そうなると、以前にくらべて普通預金口座から定期預金口座への資金の移動はされにくくなります。
そこで金融機関は普通預金口座と定期預金口座をひとまとめにして総合口座を作り、お互いの口座を連動させて管理するようになりました。
総合口座では、普通預金口座をメインの口座として、そこに定期預金口座をセットできます。
そうすることで、普通預金口座にある余剰金を定期預金口座にスムーズに移動させる効果を狙ったのです。
簡単な手続きで、より金利の高い定期預金に預け入れができるのですから、定期預金への資金移動は順調に進んでいきました。
金融機関によっては定期預金だけではなくて、積立預金口座や貯蓄預金口座なども総合口座にセットできる場合があります。
セットされる口座はいずれも普通預金口座と紐づけされているので、資金をスムーズに移動できます。
普通預金口座のお金を定期預金口座に預け入れようと考えたときに、普通預金口座と定期預金口座の通帳が別々だと、いったん普通預金口座からお金を引き出して、そのあと改めて定期預金口座にお金を預け入れる必要があります。
その手続きを窓口で行うと、何枚もの書類に記入して押印しなければなりません。
また、ATMで定期預金に預け入れをする場合でも、何度も通帳を出し入れして手続きをしなければなりません。
しかし、定期預金口座が総合口座にセットされていれば、普通預金口座から定期預金口座へと簡単にお金を預け入れられます。
例えば、普通預金口座と定期預金口座は連動しているので、窓口で定期預金を作成する場合ならば記入書類は少なく済みますし、金融機関によっては書類に届印の押印が不要です。
またATMで定期預金を作る場合なら、総合口座通帳とキャッシュカードを持参すれば、一度の操作で手続きが済ませられます。
現金を下ろさずに、このようなお金の手続きができるのは、犯罪を防ぐという観点からも望ましいです。
そして定期預金口座が総合口座にセットされていれば、定期預金口座に預け入れをするときだけではなくて、定期預金が満期を迎えたり、利息が発生したときにも、満期になった定期預金や利息を総合口座の普通預金口座で自動受取できます。
このように総合口座を介して定期預金口座と普通預金口座との間のお金のやり取りができれば、資産運用や資産管理がスムーズに行えます。
普通預金口座と定期預金口座を別々に管理するよりも、総合口座にまとめて管理することの利点は数多くあります。
総合口座を利用して受けられるサービスは金融機関によって少しずつ異なりますが、定期預金に預け入れをしている人にとっては有益なシステムです。