ドイツで定期預金に相当する代表的な商品は、Festgeld(フェストゲルト)です。
一定期間お金を固定し、その期間に応じた金利を受け取る仕組みで、日本の定期預金に近い金融商品です。
ドイツでは「Termingeld(テアミンゲルト)」という言葉も使われますが、これは一定期間・一定条件で預ける預金を広く指す表現で、個人向けの商品名としてはFestgeldがよく使われます。
| Festgeld | Tagesgeld | |
|---|---|---|
| 日本語のイメージ | 定期預金 | 高金利の普通預金・貯蓄預金に近い |
| 金利 | 預入時に一定期間固定されるのが一般的 | 変動する |
| 資金の引出し | 満期まで原則固定 | 比較的自由 |
| 向いている資金 | 一定期間使わないお金 | 近いうちに使う可能性があるお金 |
ドイツの預金商品を理解するうえでは、固定期間のFestgeldと、自由度の高いTagesgeldを分けて考えると分かりやすいでしょう。
Girokonto(ジーロコント)は、給与受取、振込、口座振替、カード決済などに使う日常決済用口座です。
日本の普通預金口座に似ていますが、預金金利を目的とする口座ではありません。
生活資金はGirokonto、流動性を確保しながら金利を得たい資金はTagesgeld、満期まで使わない資金はFestgeld、という使い分けが基本です。
Festgeldの預入期間は銀行によって異なります。
3か月・6か月・1年・2年・3年など複数の期間から選ぶ商品があり、さらに長期の商品もあります。
一般に預入時の金利が満期まで固定されるため、将来市場金利が下がっても契約金利を維持できる一方、金利が上がった場合は古い低金利に固定されることがあります。
日本の定期預金では、多くの商品で中途解約利率を適用して満期前に解約できます。
一方、ドイツのFestgeldは契約期間中の任意解約を原則として認めない商品が多くあります。
「金利が高いから」と生活費・緊急予備資金までFestgeldへ入れないことが重要です。
例外的な解約の可否や条件は銀行・契約によって異なるため、申込前に「vorzeitige Kundigung(期日前解約)」の条件を確認してください。
Festgeldは、満期時に元利金が参照口座へ戻る商品もあれば、自動延長の規定を持つ商品もあります。
自動延長される場合は、次回の適用金利が最初と同じとは限りません。
申込時には、満期日だけでなく「満期後に自動更新されるか」「解約通知が必要か」まで確認してください。
ドイツでは、EUの預金保証制度に沿って法定預金保護制度が整備されています。
現在の根拠法は、2015年に施行されたEinlagensicherungsgesetz(EinSiG:預金保証法)です。
法定保護の上限は、預金者1人につき1銀行あたり10万ユーロです。利息債権も保護額に含まれます。
対象にはGirokonto、Tagesgeld、Festgeldなどの預金が含まれます。
たとえば同じ銀行に、
・Girokonto:2万ユーロ
・Tagesgeld:3万ユーロ
・Festgeld:7万ユーロ
がある場合、合計12万ユーロとして考えます。
通常の法定保護は合計10万ユーロまでなので、口座ごとに10万ユーロ保護されるわけではありません。
ドイツ連邦銀行によると、特に保護する必要性が高い一定の預金については、入金後6か月間、最大50万ユーロまで法定保護が拡大される場合があります。
例として、個人が所有していた住宅の売却代金や、一定の社会的な給付に由来する資金などがあります。
すべての高額入金が自動的に50万ユーロ保護になるわけではないため、該当する可能性がある場合は金融機関・預金保証機関へ確認してください。
法定預金保証制度で補償事由が発生した場合、補償請求は原則として補償事由の確定後7営業日以内に履行される仕組みです。
日本のペイオフと金額・制度設計は異なりますが、「金融機関破綻時に一定額まで預金者を保護する」という基本的な考え方は共通しています。
ドイツでは法定10万ユーロの保護に加え、一部の民間銀行などが任意の預金保護基金へ加入しています。
ドイツ連邦銀行によると、民間銀行の任意制度では2025年から、個人預金者について最大300万ユーロまでの保護枠が設けられています。
ただし、任意制度はすべての銀行が加入しているわけではなく、法定制度と同じ法律上の補償請求権があるわけでもありません。
10万ユーロを超えて預ける場合は、その銀行がどの保護制度に属しているかを確認してください。
ドイツ語の比較サイトでは、ドイツ国内銀行だけでなく、他のEU加盟国に本店を置く銀行のFestgeldが表示されることがあります。
EUでは預金保護の基本上限は10万ユーロへ調和されていますが、実際に補償を行う制度は銀行の本店所在地などによって異なる場合があります。
金利だけでなく「銀行の本店国」「どの預金保証制度に属するか」を確認することが重要です。
ドイツにはFestgeldやTagesgeldを比較するサイトが多数あります。
比較するときは、
・年利
・預入期間
・最低預入額・上限額
・中途解約条件
・満期後の扱い
・預金保証制度
・口座開設できる居住地域
・税務手続き
まで確認します。
ランキング1位の金利が、自分にとって最も安全・有利な商品とは限りません。
ドイツの個人が受け取る預金利息は、原則として資本所得として課税対象になります。
2026年のドイツ所得税法では、私的な資本所得に対する税率は原則25%です。
これに連帯付加税(Solidaritatszuschlag)が加わり、宗教税の対象者には教会税が加わる場合があります。
ただし、課税関係は居住地・納税者区分・免税指図(Freistellungsauftrag)などによって変わります。
2026年のドイツ所得税法では、資本所得について1人年間1,000ユーロのSparer-Pauschbetrag(貯蓄者一括控除)が設定されています。
夫婦が共同申告する場合は合計2,000ユーロです。
ドイツの銀行へ適切なFreistellungsauftragを提出している場合、控除枠内の利息について源泉徴収を避けられる場合があります。
ドイツの銀行のFestgeldがインターネット上に掲載されていても、日本居住者がそのまま口座開設できるとは限りません。
銀行によって、ドイツ国内またはEU・EEA域内の居住、現地住所、参照口座、税務情報などを口座開設条件としている場合があります。
日本から利用する場合は、「非居住者でも口座開設できるか」を申込前に必ず確認してください。
ドイツのFestgeldは通常ユーロ建てです。
日本円をユーロへ交換して預ける場合、預金金利とは別に為替変動の影響を受けます。
たとえばユーロ建てでは元本と利息が増えても、満期時にユーロ安・円高になっていれば、日本円へ戻したときに元本割れする可能性があります。
ドイツ国内では元本保証型の預金でも、日本円ベースで元本保証になるわけではありません。
日本の居住者が海外銀行から利息を受け取る場合、日本の所得税上の申告が必要になることがあります。
ドイツ側で税金が引かれるか、外国税額控除を利用できるかなどは、居住状況・口座の所在地・租税条約などによって変わります。
実際にドイツの預金を保有する場合は、税務署・税理士等へ確認してください。
必要書類・本人確認方法は、銀行と申込者の居住資格によって異なります。
一般には、本人確認書類、住所・居住地情報、税務上の居住地・納税者番号などを確認されます。
オンライン銀行では、VideoIdentなどのオンライン本人確認を利用できる場合があります。
「必ずこの3書類が必要」と固定せず、利用したい銀行の最新の口座開設条件を確認してください。
Festgeldを利用するために、利息・満期金の受取先となるReferenzkonto(参照口座)を指定する仕組みがあります。
銀行によっては同じ銀行のGirokontoが必要な場合もあれば、他行の口座を参照口座として指定できる場合もあります。
口座維持費まで含めて比較してください。
無料口座、有料口座、給与入金など一定条件で無料になる口座があり、銀行・口座プランによって大きく異なります。
Festgeld自体の手数料が無料でも、関連するGirokontoに月額料金がかかれば、実質的な利回りへ影響します。
Festgeldを日本から利用する場合、銀行口座間のユーロ送金を利用する方法があります。
現金両替の取扱いは銀行・店舗によって縮小・廃止されていることもあり、外貨現金の在庫状況も一定ではありません。
Festgeldへの預入を目的とするなら、現金両替より送金時の為替レート・海外送金手数料・受取手数料を比較してください。
ATMはドイツ語でGeldautomat(ゲルトアオトマート)と呼ばれます。
現金引出し、入金、振込、明細確認などの機能はATM・銀行によって異なります。
ATM利用料は、カード発行銀行、ATM運営者、提携ネットワーク、口座プランによって異なります。
利用前に画面へ手数料が表示される場合は、確認してから出金してください。
ドイツでは日本式の紙通帳を使わず、オンラインバンキングやKontoauszug(口座明細)で取引を確認する口座が一般的です。
Festgeldについても、預入額・金利・満期日をオンライン上の契約情報で確認できる銀行があります。
| ドイツ語 | 意味 |
|---|---|
| Festgeld | 定期預金 |
| Tagesgeld | 随時引出し型の貯蓄預金 |
| Girokonto | 決済用口座 |
| Zinssatz | 金利・利率 |
| Laufzeit | 預入期間・契約期間 |
| Falligkeit | 満期 |
| Mindestanlage | 最低預入額 |
| Einlagensicherung | 預金保護・預金保証 |
| vorzeitige Kundigung | 期日前解約 |
1. 金利は年率何%か
2. 預入期間は何か月・何年か
3. 最低・最高預入額はいくらか
4. 満期前に解約できるか
5. 満期後に自動更新されるか
6. どの国・制度の預金保証が適用されるか
7. 同じ銀行の預金合計が10万ユーロを超えないか
8. 日本居住者でも口座開設できるか
9. 為替・送金手数料を含めても有利か
10. 日本・ドイツ双方の税務処理はどうなるか
個人向けの定期預金ではFestgeldが一般的です。Termingeldという言葉もありますが、一定期間預ける預金を広く表す用語です。
Festgeldは一定期間資金を固定し、金利も固定されるのが一般的です。Tagesgeldは金利が変動する一方、比較的自由に資金を出し入れできます。
法定預金保護では、原則として預金者1人につき1銀行あたり10万ユーロまで、利息を含めて保護されます。一定の特別な預金は一時的に最大50万ユーロまで保護される場合があります。
原則として契約期間中の任意解約を認めない商品が多くあります。例外条件は銀行・商品によって異なるため、申込前に期日前解約条件を確認してください。
銀行によって異なります。ドイツやEU・EEA域内の居住を条件とする銀行もあるため、日本居住者を受け付けているかを事前に確認する必要があります。
※本ページは2026年8月時点のドイツ連邦銀行・ドイツ連邦財務省等の公表情報をもとに一般的な仕組みを解説しています。Festgeldの金利、預入期間、口座開設条件、中途解約、満期後の取扱い、手数料、税務、任意預金保護は銀行・居住地・商品によって異なります。実際の申込時には各金融機関、預金保証機関、税務当局等の最新情報をご確認ください。
