退職金定期預金では、初回限定で上乗せ金利が適用されます。
銀行などのおおくの金融機関は、退職金のキャンペーンに注力しています。もし退職金を囲い込めれば、手数料収入や、その後につづく年金受取口座による預金残高の増加、子や孫などの口座開設など、効率的な収益拡大につながるからです。
とくに地方では顧客の高齢化や若い世代の都会への流出など、顧客の過疎化も進んでいることが金融機関の経営課題の一つです。
それほど退職金の囲い込みは、金融機関にとっての重要な戦略です。そのため各金融機関が退職金に特化した運用プランの充実をはかっていますが、その中の預金商品のひとつが「退職金定期預金」です。
退職金定期預金はふつうの定期預金と商品性は変わりませんが、初回限定で上乗せ金利が適用されます。条件は定期預金の原資が退職金であることですが、退職金を受け取ってから一定期間しか利用できません。
退職金定期預金は、三井住友銀行などのメガバンク、三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行などの信託銀行、横浜銀行などの地方銀行などが取り扱っています。しかし、現在のマイナス金利の影響により申込受付を停止していたり、期間限定で取り扱っている金融機関もあります。ちなみに楽天銀行などのインターネット銀行では取り扱っていません。
退職金定期預金の預入条件は、退職金を受け取ってから6か月、または1年以内に限定されており、利用条件には「退職所得の源泉徴収票」などの退職日や退職金の受け取りなどが確認できる証明書が必要です。預入期間は短くて1ヶ月、長くて3年間までの取り扱いがありますが、おおむね1年間で取り扱っている金融機関がおおいです。
じつは、退職金定期預金は満期の後にほかの金融機関であらためて「別の退職金定期預金」として預け入れられます。退職金を受け取ったという諸々の事実を満たしていれば問題はありません。満期ごとにほかの金融機関に預け替えれば、預入条件を満たす限り高い上乗せ金利の適用を受けつづけられます。
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