まず最初に、ローソン銀行の定期預金の金利を見てみます。
以下の表は、ローソン銀行の代表的な商品である「スーパー定期」と「スーパー定期(300)」から作成しました。すべての預入期間において、金利は年0.03%になっています。
預入期間 | 1ヶ月もの | 3ヶ月もの | 6ヶ月もの | 1年もの | 3年もの | 5年もの |
1万円以上〜1億円未満 | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% |
(2022年7月1日現在)
ローソン銀行は大手コンビニエンスストアチェーンのローソンが設立した、いわゆる「新たな形態の銀行」です。
セブン銀行やイオン銀行などと同じく決済サービスやATMサービスに特化した金融機関で、主に全国各地に設置されているローソンATMで取引を行えます。
ローソン銀行は2018年に業務を開始したばかりなので取扱いサービスが少ないのですが、将来的に資産形成などに関する新たな金融サービスの提供を目指しており、実際にクレジットカードや給与振込などの新サービスが提供されています。
ローソン銀行の「スーパー定期」は、個人や個人事業主の利用者が口座開設できる円定期預金です。
円定期預金とは、日本の通貨の「円」の定期預金を指します。
この「スーパー定期」は、預入金額が1万円以上〜300万円未満です。ちなみに「スーパー定期300」もあり、こちらは預入金額が300万円以上〜1億円未満です。
ローソン銀行の「スーパー定期」は、ローソン銀行が提供する数少ない預金商品の一つで、普通預金よりも高い適用金利でお金を預けられます。
ローソン銀行の「スーパー定期」の特徴は、預入条件の選択肢が広いことです。
単利型か?複利型か?にもよりますが、預入期間は1カ月以上10年未満、預入金額も1万円以上1億円未満です。
他の金融機関のスーパー定期の多くは預入期間が最長5年程度で、預入金額も1,000万円未満ですが、ローソン銀行は預入期間と預入金額ともに一般的な基準を大きく上回っており、自由に預入条件が設定できます。
一般的なスーパー定期は満期日まで預金を払い戻せません。どうしても満期日前に預金を払い戻したい場合は、預金の全額を中途解約する必要があります。
しかしローソン銀行の「スーパー定期」なら、口座開設時に預入期間を1年以上に設定すれば、預金の「一部支払い」を利用できます。
「一部支払い」とは、預金の一部だけを中途解約して払い戻すことで、全額を中途解約せずに、必要な分だけを中途解約して預金を払い戻せます。一般的に預入期間を長く設定するほど、途中で預金を払い戻したくなりがちですが、「一部支払い」があれば安心して預金できます。
ローソン銀行の「スーパー定期」にも、いくつかの注意点があります。たとえばローソン銀行は総合口座を取扱っていないため、「スーパー定期」を担保にして普通預金で当座貸越を利用できません。
またローソン銀行ではキャッシュカードだけが発行され、預金通帳は発行されないため、預金通帳で残高照会などの取引ができません。
そもそも「スーパー定期」の取引自体もインターネットバンキングであるローソン銀行ダイレクトから行う必要があり、ローソン銀行ATMから定期預金の口座開設や預入などの取引はできないので注意が必要です。
ローソン銀行は「スーパー定期」と「期日指定定期預金」を提供して、利用者の資産運用をサポートしています。
2つの定期預金は個人利用者を対象としている点や、適用金利、取引方法などが同じですが、「期日指定定期預金」は「スーパー定期」と違って口座開設時に満期日を設定せず、預入期間中に満期日を指定するのが特徴です。
そのため気が向いたときに満期日を迎えられるので、預入期間中に運用計画が変わった際などにも臨機応変に対応ができます。
ローソン銀行の「期日指定定期預金」は、預入期間が最長3年、預入金額は1万円以上300万円未満です。
同じくローソン銀行で提供されている「スーパー定期」に比べると、預入条件の選択肢は少ないのですが、その代わり口座開設時から1年の据置期間が過ぎると自由に満期日を指定できます。
運用計画に合わせてローソン銀行の「スーパー定期」と「期日指定定期預金」を使い分けるようにしましょう。
たとえば、しばらく使う予定のない余裕資金は「スーパー定期」、いつでも払い戻せるようにしておきたい資金は「期日指定定期預金」に預けます。
もっとも、「期日指定定期預金」は「スーパー定期」と同じように満期時の取扱いを自動継続(元金成長型か利息受取型)に設定できるため、預金を払い戻さず長期運用することも可能です。
ローソン銀行の「期日指定定期預金」は、預入期間中に満期日を指定すると、指定した日が満期日となり元金と利息が普通預金に払い戻されます。
満期日には任意の日を指定できますが、「期日指定定期預金」の預入期間は最長3年となっているため、その期間内で指定します。
また、ローソン銀行の「期日指定定期預金」において、満期日を指定するのを忘れる利用者の存在も考えられます。
万が一満期日を指定しなかった場合には、口座開設から3年後に自動的に満期日が来て元金と利息が払い戻されます。
そのため満期日を忘れても、預けっぱなしになってしまう心配はありません。
このように便利なローソン銀行の「期日指定定期預金」ですが、注意点もあります。
たとえば300万円までしか預けられないため、それ以上の金額の運用には利用できない点です。また口座開設後1年間の据置期間中は満期日を迎えられず、どうしても預金を払い戻したいときは期限前解約(中途解約)しなければなりません。
期限前解約(中途解約)すると期限前解約利率が適用されてしまい、当初の予定よりも受け取る利息が大幅に減ってしまうため、できるだけ据置期間中は払い戻さないようにしたいです。
ローソン銀行の「スーパー定期」は、1年未満なら店頭表示金利が年0.03%、1年以上でも店頭表示金利が年0.03%です。「期日指定定期預金」は店頭表示金利が年0.03%で統一されています。
預入期間 | 1ヶ月もの | 2ヶ月もの | 3ヶ月もの | 6ヶ月もの | 1年もの | 3年もの | 4年もの | 5年もの |
1万円以上〜1億円未満 | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% |
預入期間 | 6年もの | 7年もの | 8年もの | 9年もの | 10年もの |
1万円以上〜1億円未満 | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% | 0.03% |
(2022年7月1日現在)
預入期間 | 1年以上〜2年未満 | 2年以上〜3年以下 |
1万円以上〜300万円未満 | 0.03% | 0.03% |
(2022年7月1日現在)
年0.03%というのは全国的にも高い金利の部類であり、GMOあおぞらネット銀行のようなネット銀行と同じ水準です。
マイナス金利政策以降、地方銀行などの地域金融機関を中心に定期預金金利を引き下げる動きが目立っており、定期預金の店頭表示金利が年0.01%程度の金融機関も少なくありません。その点、ローソン銀行の定期預金は品揃えこそ少ないものの、高い金利で資産運用ができます。
ローソン銀行では利息シミュレーションサービスを提供していないため、店頭表示金利が分かっても満期日に受け取る利息までは確認できません。
しかし、インターネット上で他の金融機関が提供している利息シミュレーションサービスなどを使えば、利息を試算できるので適切な運用計画を立てられます。
たとえば、ローソン銀行の定期預金が年0.03%という店頭表示金利の場合、預入金額500万円を3年間預けると、満期日に約4,500円(税引前)の利息を受け取れます。
しかし、同じ店頭表示金利でも、預入金額100万円を3年間預けた場合では、900円(税引前)の利息しか受け取れません。
このように同じ店頭表示金利でも預入条件によって受け取る利息が大幅に異なるため、利息シミュレーションサービスで試算して適切にお金を預けましょう。
ローソン銀行では「特別金利キャンペーン」や「金利優遇サービス」が実施されないため、場合によっては他の金融機関の定期預金のほうが金利が高くなります。
「特別金利キャンペーン」とは、期間限定で金利上乗せ定期預金が提供されるイベントで、普段は金利が低い金融機関でもキャンペーン期間中は高い金利の定期預金を提供しています。
「金利優遇サービス」も、所定の条件を満たすと定期預金の適用金利が優遇されるサービスで、ATM利用手数料や振込手数料の割引が同時に提供されることも多いです。
ローソン銀行の「スーパー定期」と「期日指定定期預金」は、どちらも満期日前に期限前解約ができます。
期限前解約すると定期預金に預けたお金の一部または全額を払い戻すことができるため、預入期間中に急にお金が必要になったときに対応ができます。
しかし、期限前解約すると低金利の期限前解約利率が適用されてしまうため、高い金利で資産運用したい場合はできるだけ期限前解約は利用しないようにしたいです。
ローソン銀行の定期預金である「スーパー定期」と「期日指定定期預金」は、ローソン銀行ダイレクトから口座開設できます。
ローソン銀行ダイレクトは、いわゆるインターネットバンキングのことで、パソコンやスマートフォンから定期預金の口座開設や期限前解約(中途解約)、各種明細照会、振込、クレジットカードやキャンペーンの申込み、個人情報変更手続きなどを行えます。
ローソン銀行に関する取引の多くをローソン銀行ダイレクトから行えます。さらにローソン銀行では、ローソン銀行ATMを使った取引も可能で、預金の入出金やATMクーポンの発券、残高照会や振込といった取引が行えます。取引内容によって、ローソン銀行ダイレクトとローソン銀行ATMを使い分けられます。
ローソン銀行ダイレクトで「スーパー定期」または「期日指定定期預金」を口座開設する際は、まず引落口座と預入口座、および預入金額を決めます。
引落口座は基本的に普通預金となり、預入口座は「スーパー定期」と「期日指定定期預金」のどちらかを選ぶことになります。
ローソン銀行の「スーパー定期」と「期日指定定期預金」は、それぞれ預入期間や預入金額、利息計算方法、満期日設定方法などが異なりますが、預入口座選択画面では双方の商品内容を確認しながら選べます。
「期日指定定期預金」は、預入期間中に満期日を指定するため、上記の項目を決めたら口座開設手続きは完了です。
一方で「スーパー定期」を選んだ場合は、預入期間と満期時の取扱い方法を選ぶ必要があります。店頭表示金利を確認しながら最適な預入期間や満期時の取扱い方法を決めるとよいでしょう。
このように簡単に口座開設できるローソン銀行の定期預金ですが、ローソン銀行ATMからは口座開設ができません。
それというのも、金融機関の中にはATMから定期預金を口座開設できるところもあり、たとえばセブン銀行はATMから定期預金を口座開設できますし、一部の地域金融機関の中には適用金利を優遇したATM専用定期預金を取扱っているところすらあります。
そのためATMで定期預金を口座開設したい場合は、他の金融機関を利用することを視野に入れるとよいでしょう。
ローソン銀行の定期預金を口座開設する流れとしては、まず普通預金を口座開設する必要があります。
普通預金はインターネット上のローソン銀行のサイトから口座開設することができ、運転免許証などの本人確認書類をアップロードまたは郵送することで手続きを進められます。
そして2週間ほどしてキャッシュカードが届いた後、ローソン銀行ダイレクトの初回登録を行えば定期預金の口座開設を含めた各種取引を開始できます。またローソン銀行ではスマートフォン向けの口座開設アプリも提供しています。
ローソン銀行で口座開設した「スーパー定期」や「期日指定定期預金」は、引き続き「ローソン銀行ダイレクト」で手軽に管理できます。
たとえば、「ローソン銀行ダイレクト」では各種明細照会が行え、主に保有明細照会と取引状況照会を利用できます。
保有明細照会では、利用中の定期預金の預金残高や預入日と満期日、満期時の取扱い方法、適用金利などを確認でき、口座情報の管理が行えます。
一般的に、定期預金にはしばらく使う予定のない余裕資金を預けることが考えられます。
したがって口座開設したまま放置をして、口座情報を忘れてしまうことも少なくありません。
しかし、「ローソン銀行ダイレクト」の保有明細照会ならば、いつでも口座情報の詳細を確認することができます。
「ローソン銀行ダイレクト」の取引状況照会では、新規預入や一部支払いといった定期預金関連の取引履歴を確認できます。
過去に行った定期預金取引の内容をすべて確認できるため、たとえば預金残高の変動など資産の推移を管理するのに適しています。
また、過去に申込んだ定期預金取引が無事に実行されたかどうかを確認できる特徴もあり、万が一実行されなかった場合にはその理由まで記載されます。
定期預金取引の一つ一つには受付番号も振り分けられているため、万が一自力で対処できない場合には、受付番号を元にローソン銀行へ問い合わせられます。
「ローソン銀行ダイレクト」では、利用中の定期預金の明細支払いと一部支払いの取引も行えます。
明細支払いとはいわゆる中途解約のことで、利用中の定期預金を全額解約して元金と利息を普通預金口座へ払い戻すことを指します。
明細支払いは、預入期間中に急にお金が必要になったときに利用でき、適用金利が下がるものの預金の全額を払い戻せます。
もう一方の「ローソン銀行ダイレクト」の一部支払いは、定期預金の一部だけを解約して払い戻すことで、全額は払い戻さず一部だけ引き出せます。
こちらも明細支払いと同じく適用金利の下がりますが、適用金利が下がるのは解約して引き出した分の元金だけで、満期日まで預けた分の元金は適用金利が下がりません。
ローソン銀行では「ローソン銀行ダイレクトアプリ」を使って定期預金を取引することもできます。
「ローソン銀行ダイレクトアプリ」はローソン銀行が提供する利用手数料無料のスマートフォン向けアプリで、スマートフォンから「ローソン銀行ダイレクト」へ直接ログインして取引ができます。
利用できる取引は、だいたい「ローソン銀行ダイレクト」と同じで、定期預金の預入や一部支払い、満期日取扱条件変更、各種明細照会、金利照会などを行えます。
ローソン銀行では定期預金以外にもいくつかの金融サービスを取扱っています。
たとえば、クレジットカードやネット入金サービスやローソン銀行ダイレクトなどで、これらの金融サービスを活用すると決済や金融商品の取引を行えます。
さらに「Eメール通知サービス」もあり、定期預金関連の取引を行うとEメールによる通知が届くため、取引内容の確認に活用できます。
定期預金以外にも、ローソン銀行と何らかの取引を行う度に利用者に取引内容が通知されます。
ですので取引内容を確認できるのはもちろん、身に覚えのない取引にすぐ気づけます。
利用手数料などはもちろん無料です。
ローソン銀行の「Eメール通知サービス」で届くEメールには、2種類あります。
1つは必ず自動通知されるEメールで、もう1つは受信登録を行って任意で受け取るEメールです。
任意で受け取るEメールの内容は、主に定期預金の預入や一部支払い、満期日のお知らせなどで、預入条件や一部支払い内容の確認が行えます。
とくに便利なのが満期日のお知らせで、預けっぱなしのまま満期日を忘れてしまう恐れがなくなります。
さらに「Eメール通知サービス」ではATM取引に関する通知も任意で受け取れるため、必要に応じて受信登録を行えます。
必ず自動通知されるEメールの内容は、ログインパスワードなど各種パスワードの変更、振込振替の実施、取引限度額の変更などで、ローソン銀行で重要な取引や手続きを行った際に必ず届きます。
こういったEメールを受信することで、重要な取引や手続きが確実に実行されたことを確認できますし、万が一不正アクセスや不正送金といった詐欺被害に遭っても対処できます。
ローソン銀行の「Eメール通知サービス」には、利用の際の注意もあります。
それというのも昨今は、金融機関を装った偽メールを送って利用者のパソコンやスマートフォンをウイルスに感染させて、パスワードなどの個人情報を盗む手口の詐欺が多いからです。可能性としては、ローソン銀行を装った偽メールが届くこともあり得ます。
そのため通常と異なるアドレスや文面のEメール、不審な添付ファイル付きのEメールには注意しましょう。
とくに注意が必要なのは、ログインパスワードやキャッシュカードの暗証番号などを尋ねる内容のEメールです。
ローソン銀行に限らず金融機関がそういった個人情報を尋ねることはまずないため、万が一そういったEメールが届いた場合は迅速にローソン銀行に連絡しましょう。