愛媛県内を中心に本支店を設置する愛媛銀行は、様々な定期預金を提供しています。
たとえば、「スーパー定期」や「大口定期預金」などの定番商品は店頭表示金利こそ年0.002%と低めですが、預入期間が1年以上のスーパー定期や期日指定定期預金、変動金利定期預金は、ATMから口座開設することで上乗せ金利(年0.02%)が付きます。
また、定番商品とは別に上乗せ金利が付いたオリジナルの定期預金も積極的に取扱っています(2022年3月15日現在)。
愛媛銀行の「子育て応援積立定期預金」は、上乗せ金利が付いたオリジナルの定期預金の一つで、高校生以下の子どもがいる保護者や祖父母のための積立定期預金です。
子どもが20歳になるまで上乗せ金利が適用されるのが特徴で、子ども関連の教育資金などを貯められます。
「子育て応援積立定期預金」は、積立方法が3種類あります。毎月の指定日に一定金額を積み立てる「毎月積立」、年2回増額積立できる「特定月積立」、好きなときに随時預入できる「臨時積立」です。
目標額や目標期間に合わせて、この3種類を自由に組み合わせられます。ただし、1回の積立金額は積立方法によって異なります。
一般的な金融機関の子育て世帯向けの定期預金は、子どもの人数に応じて適用金利を優遇する仕組みになっています。
しかし、愛媛銀行の「子育て応援積立定期預金」は、積立期間と預金残高(積立総額)に応じた上乗せ金利が、店頭表示金利(スーパー定期または期日指定定期預金のもの)に付く仕組みです。
「子育て応援積立定期預金」は、積立期間と預金残高が増えるにつれて上乗せ金利も多くなります。
たとえば積立期間1年以上で、なおかつ預金残高も10万円以上だと、上乗せ金利は年0.1%です。同様に積立期間3年以上で預金残高30万円以上だと、上乗せ金利は年0.2%です。
そして、積立期間5年以上で預金残高50万円以上だと、年0.3%の上乗せ金利が付きます(2022年3月15日現在)。
愛媛銀行の「退職金専用定期預金」は、退職金を受け取ってから1年以内の個人利用者が口座開設できる定期預金です。
預入金額は100万円以上、預入期間は3カ月または1年で、「スーパー定期」または「大口定期預金」の店頭表示金利に一定の上乗せ金利が付きます。
そのため退職金を通常の「スーパー定期」や「大口定期預金」に預けるよりも、より多くの利息が見込めます。
「退職金専用定期預金」は、預入期間3カ月だと適用金利は一律で年1.0%です。預入期間1年だと、店頭表示金利に年0.1%の上乗せ金利が付いて年0.102%になります。
さらに「退職金専用定期預金」の口座開設時に、公的年金の振込指定や振込予約を行ったり、NISAを申込むと、さらに年0.1%の上乗せ金利が付きます。
つまり、愛媛銀行で年金受取やNISAの利用を検討している場合は、「退職金専用定期預金」の口座開設時に申込む方法が考えられます(2022年3月15日現在)。
退職金専用定期預金には、いくつかの注意点があります。たとえば個人事業主は申込めないことで。
個人事業主でも小規模企業共済という制度に加入して自分でお金を積み立てれば、廃業の際に退職金という形で積立総額を受け取れます。
しかし残念ながら、この退職金では「退職金専用定期預金」に預けられません。事前に利用条件をよく確認するようにしたいです。
また、「退職金専用定期預金」は満期時の取扱い方法を自動継続に設定できますが、初回満期日以降は継続時における「スーパー定期」や「大口定期預金」の店頭表示金利が適用されるため、適用金利の優遇は終了します。
そのため長期間に渡って高い金利のまま運用したい場合は、別の金融商品も検討したいです。
高齢化社会の昨今は、年金受給者向けの金融商品や優遇サービスを提供する金融機関が多く、「年金友の会」や「金利優遇」、「年金受給者限定の相談窓口」など様々な取り組みが行われています。
愛媛銀行でも「ほのぼの倶楽部」という年金受給者向けの会員サービスを提供していて、会員になると年金受給者専用定期預金や、記念品贈呈などの優遇特典を受けられます。
「ほのぼの倶楽部」には無料で入会できるため、愛媛銀行で公的年金を受け取る際は「ほのぼの倶楽部」を利用するのも一法です。
ほのぼの倶楽部に入ると、「ほのぼの定期預金」という年金受給者専用定期預金を利用できます。
「ほのぼの定期預金」は預入期間1年、預入金額1,000万円以下の定期預金で、1年ものスーパー定期の店頭表示金利に年0.1%の上乗せ金利が付きます。
愛媛銀行の「スーパー定期」の店頭表示金利は年0.002%ですが、「ほのぼの定期預金」ならば高い金利で運用ができます。
ただし、店頭表示金利や上乗せ金利は定期的に見直されるため、最新の金利情報を確認してから口座開設しましょう(2022年3月15日現在)。
「ほのぼの定期預金」は預入金額の上限が1,000万円とかなり多いのも特徴です。
それというのも、他の金融機関の年金受給者向けの定期預金は預入金額の上限が少ない場合が多く、100万円や300万円程度しか預けられないこともよくあります。
預入金額の上限が少ないと資金の一部しか預けられず、定期預金で老後資金の運用をしたい場合には不便です。その点、1,000万円まで預けられる「ほのぼの定期預金」なら、まとまった資金が預けられます。
「ほのぼの定期預金」は老齢年金や遺族年金など、特定の公的年金を愛媛銀行で受け取り、なおかつ「ほのぼの倶楽部」に加入している個人利用者のみが口座開設できます。
利用条件を満たして口座開設できても、預入期間中に年金受取口座を他の金融機関に変更すると、上乗せ金利が取り消されます。
「ほのぼの定期預金」は、あくまでも愛媛銀行で継続的に公的年金を受け取る利用者のための定期預金です。また、満期日前に中途解約すると期限前解約利率が適用されて、上乗せ金利どころか通常の店頭表示金利よりも低金利になります。
愛媛銀行の「ほのぼの定期預金」は、年金受給者しか口座開設できませんが、「ひめぎん年金予約定期預金」ならば年金受給前の人でも口座開設できます。
なぜなら、「ひめぎん年金予約定期預金」は愛媛銀行で公的年金の受取予約を行った人のための定期預金なので、早ければ年金受給が始まる5年前から口座開設ができます。
そのため、年金受給前に老後資金を運用したいという人に適しています。年金受給開始後は「ほのぼの定期預金」に切り替えれば引きつづき高い金利で運用できるので、2つの定期預金をリレー形式で使うのも一法です。
愛媛銀行の「ひめぎん年金予約定期預金」は、口座開設するタイミングで預入期間が決まります。
年金受給の5年前から受給開始するまでという限られた期間しか利用できないため、口座開設が遅れると預入期間も短くなります。
たとえば、年金受給の5年前に口座開設すれば預入期間は5年です。しかし、年金受給の1年前に口座開設すると預入期間は1年になってしまいます。
「ひめぎん年金予約定期預金」は年金受給後は利用できないので、満期時の取扱い方法を自動継続にはできません。そのため早い段階から計画的に利用したいです。
「ひめぎん年金予約定期預金」は、スーパー定期の店頭表示金利に年0.1%の上乗せ金利が付きます。
しかし、預入金額が10万円以上100万円以内なので、100万円以上の資金は運用できません。
そのため多額の資金を運用したい場合には、「ひめぎん年金予約定期預金」だけではなくて、他の定期預金も併用したいです。
「ひめぎん年金予約定期預金」を口座開設するには、取引支店の店舗窓口で「年金受取口座指定予約票」に記入する必要があります。
そのため時間に余裕を持って来店しましょう。
また公的年金の受取予約の段階では、愛媛銀行で公的年金を受け取る利用者のための会員制サービス「ほのぼの倶楽部」にまだ加入できません。
したがって「ほのぼの倶楽部」の特典であるバースデーカードや記念品贈呈なども利用できません。その点に注意しましょう。
近頃は運転免許の自主返納に注目が集まっており、運転免許自主返納者への支援事業を行う市町村や企業が増えています。
愛媛銀行もその一つで、運転免許を自主返納した利用者に対して「運転免許自主返納応援定期預金」を提供しています。
「運転免許自主返納応援定期預金」は、運転免許を自主返納した際に交付される運転経歴証明書を提示することで口座開設でき、スーパー定期の店頭表示金利に上乗せ金利が付きます。
運転免許自主返納に関する他の金融機関の類似商品は、期間限定のキャンペーンで提供されることが多いです。
しかし、愛媛銀行の「運転免許自主返納応援定期預金」は常時提供されています。
愛媛銀行の「運転免許自主返納応援定期預金」は、預入期間が1年で、預入金額が500万円以内となっています。
スーパー定期の店頭表示金利に付く上乗せ金利も年0.10%と高く、「ひめぎん年金予約定期預金」や「ほのぼの定期預金」などに匹敵する高い金利で運用できます。
ただし満期日前に中途解約すると、期限前解約利率が適用されてかなりの低金利になります(2022年3月15日現在)。
「運転免許自主返納応援定期預金」を口座開設するのに必要な運転経歴証明書は、免許センターや警察署、大型交番などで申請手続きを受け付けています。
たとえば免許センターなら、約1時間ほどで交付されます。申請できるのは運転免許を自主返納して5年以内の個人ですが、運転免許の自主返納と同時に申請する場合と、自主返納した後から申請する場合では必要書類が異なります。
たとえば自主返納と同時に申請する際に必要なのは証明写真と交付手数料だけですが、自主返納した後から申請する場合はその2つの他に運転免許取消通知書や穿孔処理された旧運転免許証が必要です。
「運転免許自主返納応援定期預金」は、四国八十八カ所支店では口座開設ができません。
四国八十八カ所支店はインターネット支店なのですが、「運転免許自主返納応援定期預金」を口座開設するには通常の支店で取引する必要があります。
また、満期時の取扱い方法が自動継続利払式(元金だけ自動継続されて利息は払い戻される形式)しか選べないため、短期運用したい利用者にも向いていません。そのため場合によっては愛媛銀行の別の定期預金も検討したいです。