中京銀行の「なごやめし支店」は、実店舗を持たないインターネット上のバーチャル支店です。
営業地域内の利用者しか取引できない中京銀行の通常支店と違って、日本国内に居住する満18歳以上の個人ならば誰でも利用ができ、基本的な取引はすべてインターネットバンキングや全国の提携ATMで行います。
そのため、最寄りに中京銀行の本支店がなくても取引できます。一方で品揃えに関しては普通預金と定期預金が中心です。
中京銀行の「なごやめし支店」は、同支店限定の定期預金を取扱っています。
「なごやめし支店」の定期預金は、通常支店で提供される定期預金に比べて金利が高いのが特徴です。
しかし、「なごやめし支店」の定期預金への預入は同支店限定の普通預金からする必要があるため、万が一普通預金口座がない場合はその口座開設から始めましょう。
「なごやめし支店」の普通預金は通常支店の店舗窓口では口座開設できず、インターネットや電話を使って申込みます。
「なごやめし支店」の定期預金はインターネットバンキングから即日で口座開設できますが、普通預金を口座開設する際は手続きが完了するまでに10日以上かかります。
なぜかというと、普通預金を口座開設する際は、まずインターネットや電話で申込書や印鑑票などを取り寄せて、本人確認書類を添えた上で中京銀行に郵送し、同行で一定の審査を受けてからキャッシュカードやインターネットバンキングの利用者カードが届く仕組みだからです。
さらに「なごやめし支店」のキャッシュカードとインターネットバンキングの利用者カードは別々に届くため、両方が届くまで普通預金への入金などができません。
そのため時間に余裕を持って、口座開設手続きを進めましょう。
中京銀行の「なごやめし支店」の普通預金と定期預金は総合口座となっています。
総合口座とは、普通預金と定期預金がセットになったサービスで、口座開設した普通預金と定期預金を同じ1冊の預金通帳で管理(残高照会や取引明細照会など)できます。
中京銀行の「なごやめし支店」だけではなく、全国の金融機関が総合口座を提供しており、普通預金とセットにできる定期預金の種類もスーパー定期や期日指定定期預金、定期積金などさまざまです。
このように基本的なサービスである総合口座ですが、中京銀行の「なごやめし支店」の総合口座は通常のものと少々異なります。
たとえば、一般的な総合口座は普通預金と定期預金を同じ預金通帳で管理できますが、中京銀行の「なごやめし支店」はインターネットバンキングで預金商品を取引する都合上、預金通帳や証書が発行されません。
そのため「なごやめし支店」では、普通預金と定期預金を同じ預金通帳で管理するやり方は利用できません。
「なごやめし支店」の総合口座は、普通預金のサービスが比較的充実しています。
たとえば、「なごやめし支店」の普通預金は給与振込口座や年金受取口座に指定ができ、公共料金やクレジットカードの引落口座にも指定できます。
そのため中京銀行の通常支店と同じように、給与や年金を受け取ったり、各種支払いを行えます。
もっとも一部の金融機関では、普通預金で自動受取や自動引落を利用するとポイントサービスのポイントが貯まったり、振込手数料やATM利用手数料や金利などで優遇サービスを受けられることがあります。
そのため、自動受取や自動引落を定期的に利用する場合は、そのような優遇特典のある金融機関を利用するのも一つの方法です。
「なごやめし支店」の総合口座とは別に、中京銀行の通常支店でも総合口座が提供されています。
通常支店の総合口座は「なごやめし支店」の総合口座とは違って、1冊の預金通帳で普通預金と定期預金を管理したり、その他のサービスを利用できます。
さらに普通預金にセットできる定期預金も、「中京スーパー定期」「中京大口定期預金」「自由満期型定期預金」などから選べます。
そのため総合口座のサービスを重視するのなら、「なごやめし支店」よりも中京銀行の通常支店のほうが使い勝手がよいです。
中京銀行の「なごやめし支店」では、インターネットや電話で普通預金を口座開設した後に、インターネットバンキングで定期預金を口座開設します。
口座開設できるのは「なごやめし定期」と「大盛なごやめし定期」という2種類の定期預金です。
「なごやめし支店」のインターネットバンキングは、定期メンテナンスや定期休止時などを除けばいつでも取引を受け付けており、好きなときに口座開設を申込めます。
インターネットバンキングで「なごやめし支店」の定期預金を口座開設する際は、口座開設する定期預金の種類、預入金額や預入期間、満期時の取扱い方法などの必要事項をまず決めます。
定期預金の種類によって設定できる預入金額や預入期間が異なる点に留意しましょう。
また、「なごやめし支店」の定期預金は同支店の普通預金からの振替で入金するため、事前に普通預金に入金しておきましょう。
「なごやめし支店」の普通預金は、インターネットバンキングや全国の提携ATMを使って入金できます。
口座開設した「なごやめし支店」の定期預金は、定期照会することで口座情報を確認できます。
口座情報とは、おもに定期預金の預入金額や預入期間、満期日、金利、満期時の取扱い方法などです。
パソコンやスマートフォンを通じてインターネットバンキングを使えば、自宅や外出先からいつでも好きなときに口座情報を確認できます。
さらに利用中の「なごやめし支店」の定期預金は、中途解約や満期解約予約などの取引も行えます。
中途解約とは、満期日前に定期預金を解約することです。適用される金利は下がりますが、すぐに元金と利息を払い戻せます。
一方の満期解約予約は、満期時の取扱い方法を自動継続から満期解約に変更することで、次の満期日に元金と利息を払い戻せます。
「なごやめし支店」の利用に欠かせないインターネットバンキングですが、利用開始する際は、普通預金の口座開設申込みの際に郵送されてくる「利用者カード」や「初期登録の操作方法」にのっとって初回利用登録を済ませます。
初回利用登録では、ログインパスワードや合言葉認証、利用端末などを登録しますが、これらの情報がインターネットバンキングの安全性を左右します。
そのため簡単なパスワードにしない、パスワードは定期的に変更する、インターネットバンキングを利用する媒体(パソコンなど)にセキュリティソフトを導入するなどの対策をしましょう。
「なごやめし定期」は、中京銀行のなごやめし支店でのみ利用できる定期預金です。
なごやめし支店の普通預金を口座開設すれば誰でも利用でき、インターネットバンキングから口座開設や口座情報の確認、解約などが行えます。
ただし、中京銀行の通常支店の店舗窓口やATMでは取引できず、預金通帳や証書、マル優(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度)も利用できません。
「なごやめし定期」はシンプルな商品内容です。
具体的には、預入金額は1口1万円以上〜1,000万円未満となっており、なごやめし支店の他の定期預金と合わせて合計250口まで同時に口座開設できます。
そのため少ない資金はもちろんのこと、数千万円以上の資金も分割すれば全額を預けられます。
「なごやめし定期」の預入期間は、1カ月、3カ月、6カ月、1年、3年、5年の間で選択できます。
すきま期間に少しだけ預けたい利用者から、数年に渡って長期運用したい利用者まで、様々なニーズに応えられます。
「なごやめし定期」は、預入期間に応じて利息の計算方法が変わります。
たとえば、預入期間が1カ月、3カ月、6カ月、1年だと「単利型」で、3年、5年だと「複利型(半年複利)」です。
「単利型」は当初預けた元金だけに利息が付く計算方法で、「複利型」は6カ月毎に利息が元金へ組み込まれていき、その新しい元期に新たな利息が計算されていく計算方法です。
長期運用を検討するのなら、複利型が活用できます。
なぜなら「なごやめし定期」の複利型では6カ月毎に利息が組み込まれて元金が増えていくため、新たに計算される利息もより増額していくからです。
そのため長期運用するほど利息が増えることになります。
「なごやめし定期」の金利も、口座開設時に設定する預入期間によって決まります。
たとえば、預入期間1カ月だと金利は年0.035%です。預入期間3カ月以上だと年0.085%となります。
数字では微々たる違いですが、金利が年0.050%違うと満期日に受け取る利息も変わります(2022年3月22日現在)。
そ金利を考えると「なごやめし定期」の預入期間は3カ月以上に設定するとよいでしょう。
ただし、満期日に受け取る利息は預入金額によっても変わるので、仮に預入期間を長くして高い金利が適用されても、預入金額が少ないとあまり利息がつきません。
そのため、多めの資金を用意してから口座開設するのも一法です。
「大盛なごやめし定期」は、中京銀行のなごやめし支店限定の定期預金です。
100万円までの預入に特化した定期預金で、預入金額の上限が少ない代わりに金利が高いです。
なごやめし支店では「なごやめし定期」も取扱っていますが、この「大盛なごやめし定期」とは、預入金額、預入期間、金利などに違いがあります。
「大盛なごやめし定期」は、預入金額が1万円から100万円までで、預入期間は1年です。
預入金額や預入期間に制限が多いのですが、少額の資金を高い金利で運用できます。
また、口座開設のときに設定する満期時の取扱い方法は、自動継続(元金継続または元利金継続)です。
ただし、インターネットバンキングから満期解約予約や中途解約の手続きをすれば、任意のタイミングで解約できます。
しかし、中途解約すると中途解約利率という低い金利が適用されるので、受け取る利息が少なくなります。
「大盛なごやめし定期」の特徴は、年0.135%の高い金利です(2022年3月22日現在)。
「なごやめし定期」の金利は年0.035%〜年0.085%なので、「大盛なごやめし定期」の金利は高いです。
マイナス金利政策以降は、特別金利キャンペーンのような期間限定のイベント中にだけ高い金利の定期預金を提供する金融機関が増えています。それを考えると「大盛なごやめし定期」のように取扱期間を限定せずに常に高い金利の定期預金は珍しいです。
「大盛なごやめし定期」に、高い金利が適用されるのは初回満期日までです。
なぜなら、自動継続扱いにすると初回満期日以降は継続日の「なごやめし定期」の金利が適用されるからです。
中京銀行の「なごやめし支店」では、同支店限定の普通預金と「なごやめし定期」と「大盛なごやめし定期」の3種類の預金商品を取扱っています。
「なごやめし定期」と「大盛なごやめし定期」は、ともに全国平均を上回る高い金利の定期預金です。
たとえば「なごやめし定期」の金利が年0.035%〜年0.085%で、「大盛なごやめし定期」の金利は年0.135%です。
しかし、中京銀行の通常支店の定期預金は、どれも年0.002%という低い金利です(2022年3月22日現在)。
そのため「なごやめし支店」は定期預金を利用するのに適した支店です。
「なごやめし支店」は定期預金の金利が高いのですが、その一方で品揃えが少なくて、金利優遇サービスや特別金利キャンペーンなども利用できません。
そのため、様々な金融商品や各種サービスを利用したい場合は、他の金融機関も検討してみるとよいでしょう。
昨今は商品の品揃えや各種サービスが充実したインターネット支店やインターネット銀行が多く、金利優遇サービスや特別金利キャンペーンも利用できます。
「なごやめし支店」の定期預金は、金利情勢によっては金利の変更や定期預金自体の取扱いを停止する可能性があります。
たとえば、日本銀行のマイナス金利政策以降、定期預金の金利を引き下げたり、金利上乗せ定期預金の取扱いを停止したり、特別金利キャンペーンを見合わせる金融機関が増えています。
「なごやめし支店」でも、2016年に「普通預金」や「なごやめし定期」や「大盛なごやめし定期」の金利をすべて引き下げており、そのままです。
また昨今は、金利だけでなく振込手数料などの各種手数料が値上がりするケースもあるため、手数料の変更にも気をつけたいです。
「なごやめし支店」の定期預金は金利が高いです。
しかし、振込手数料(最大220円)やキャッシュカード再発行手数料(1,100円)などの諸手数料の支払いがかさむと、利息による利益が相殺されたり、マイナスになりえます(2022年3月22日現在)。
できるだけ諸手数料の支払いは、少なく抑えたいです。