銀行で定期預金や普通預金を利用していると、マイナンバー(個人番号)の届出について案内されることがあります。
2026年現在、通常の預貯金口座へマイナンバーを付番することは任意です。定期預金を作るために、必ずマイナンバーを届け出なければならないわけではありません。
ただし、マル優など税法上マイナンバーの記載・告知が必要とされる取引では別の扱いになります。
マイナンバー(個人番号)は、日本国内で住民票を持つ人に付番される12桁の番号です。
社会保障、税、災害対策など、法律で定められた行政手続きで本人を正確に特定するために利用されます。
銀行口座との関係では、預貯金口座へマイナンバーを付番する「預貯金口座付番制度」があります。
預貯金口座付番制度は、本人の意思に基づき、金融機関にマイナンバーを届け出て預貯金口座へ付番する制度です。
制度は2018年から始まり、その後、2024年4月に「口座管理法」が施行されました。2025年4月からは、複数の金融機関への付番や相続時・災害時の口座照会など、制度が拡充されています。
付番の主なメリットは、相続時や災害時に、マイナンバーが付番された預貯金口座の所在を確認しやすくなることです。
マイナンバーの付番は、原則として「定期預金1本だけ」に対して行うというより、金融機関単位で申し出る仕組みです。
付番する金融機関は選べますが、同じ金融機関の中で「普通預金だけ付番して定期預金は付番しない」というように、口座を個別に選択することは原則できません。
したがって、定期預金を持っている銀行へ付番を申し出た場合、その金融機関で管理されている対象口座にマイナンバーが付番されます。
普通預金や定期預金の口座開設時に、銀行からマイナンバーの届出について意思確認を受ける場合があります。
しかし、通常の預貯金口座への付番については、2026年現在も法令上の義務ではありません。
付番を希望しない場合、通常の定期預金についてはマイナンバーの届出をしない選択もできます。
預貯金口座への付番は任意ですが、税法など別の法律に基づき、マイナンバーの記載や告知が必要になる金融取引があります。
代表例として、障害者等の少額預金の利子所得等の非課税制度(マル優)の利用などがあります。
この場合は「預貯金口座付番制度に任意で参加するか」という話とは別に、税務手続きとしてマイナンバーが必要になります。
口座管理法に基づき、金融機関では預貯金口座の開設時などに、マイナンバーを届け出る意思があるか確認する仕組みがあります。
ここで大切なのは、「届出の意思を確認されること」と「届出が義務であること」は別だという点です。
銀行から案内を受けても、通常の預貯金口座付番については本人の意思に基づいて判断します。
2026年現在、預貯金口座への付番は金融機関の窓口等だけでなく、マイナポータルから申し出ることもできます。
一部の対象外金融機関を除き、預金保険機構を経由して複数の金融機関へ一度にマイナンバーを届け出ることも可能です。
マイナポータルを利用する場合は、マイナンバーカードと、マイナポータルを利用できるスマートフォン等が必要です。
金融機関で預貯金口座への付番を申し出る場合は、原則として次のような情報・書類が必要です。
・マイナンバーを確認できる書類
・氏名、住所、生年月日など本人特定事項を確認できる書類
マイナンバーカードなら、個人番号の確認と本人確認の両方に利用しやすくなっています。
具体的な手続方法は金融機関によって異なるため、公式サイトで確認してください。
通知カードは2020年5月に新規発行等が終了しています。
現在は、マイナンバーカードなど、金融機関が認める番号確認書類・本人確認書類を利用するのが基本です。
利用可能な書類は金融機関や手続き方法によって異なるため、古い案内をそのまま利用しないよう注意しましょう。
マイナンバーを預貯金口座へ付番しただけで、金融機関が国や自治体へ預金残高や入出金履歴を自動的に通知する仕組みではありません。
行政機関が預金情報を確認できるのは、税務調査や社会保障の資力調査など、法令に基づいて必要な調査を行う場合です。
「付番した瞬間から国が常時残高を監視する」という理解は正確ではありません。
預貯金口座付番制度では、付番する金融機関を選ぶことはできます。
一方、選んだ金融機関の中で、特定の口座だけを付番対象から外すことは原則できません。
複数の普通預金・定期預金などを持っている場合は、この点を理解したうえで付番を申し出ましょう。
デジタル庁の2026年3月時点の案内では、預貯金口座への付番が完了した後は、原則として付番を取り消すことはできません。
任意の制度だからこそ、付番するかどうかはメリットと仕組みを理解してから決めることが大切です。
2025年4月からの制度拡充で、相続時の口座照会が利用できるようになりました。
亡くなった人が生前に預貯金口座へマイナンバーを付番していれば、相続人は任意の金融機関で相続時照会を申し込むことで、一部対象外を除く金融機関について、付番済み口座の所在を確認できます。
これは、故人がどの銀行に定期預金を持っていたのか分からない場合に大きなメリットになります。
詳しくは定期預金の相続をご覧ください。
2026年現在、相続時照会を申し込む際、被相続人本人のマイナンバーを相続人が用意する必要はありません。
申請者の本人確認書類、被相続人の氏名・住所・生年月日を確認できる書類、法定相続人または包括受遺者であることを確認できる書類などが必要です。
相続時照会には手数料がかかります。また、亡くなってから10年後まで申し込めます。
災害によって通帳などを紛失した場合でも、事前に口座へマイナンバーを付番していれば、災害時照会によって付番済み口座の所在を確認できる仕組みがあります。
ただし、口座の所在を確認する仕組みと、実際に預金を払い戻す手続きは別です。
「預貯金口座付番制度」と「公金受取口座登録制度」は別の制度です。
| 制度 | 目的 |
|---|---|
| 預貯金口座付番制度 | 金融機関の口座へマイナンバーを付番し、相続時・災害時の口座確認等に利用 |
| 公金受取口座登録制度 | 給付金等を受け取るため、1人1口座を国へ登録 |
公金受取口座を登録したからといって、保有するすべての定期預金や普通預金へ自動的にマイナンバーが付番されるわけではありません。
銀行口座を開設するとき、マイナンバーカードを本人確認書類として提示することがあります。
しかし、「本人確認書類としてマイナンバーカードを使うこと」と「預貯金口座へマイナンバーを付番すること」は別の手続きです。
口座付番には、本人が付番を申し出る意思確認が必要です。
他人にマイナンバーを知られただけで、銀行口座からお金を引き出せるわけではありません。
銀行取引では、キャッシュカード、暗証番号、ログイン認証、本人確認など、別の認証手段が使われます。
ただしマイナンバーは重要な個人情報です。むやみに他人へ伝えたり、番号が記載された書類の画像を送ったりしないようにしましょう。
マイナンバーや銀行口座の付番を口実に、暗証番号、ワンタイムパスワード、口座番号などを聞き出そうとする詐欺には注意が必要です。
金融機関や行政機関を名乗る電話・メールを受けても、その場で暗証番号や認証コードを伝えないでください。
「マイナンバーを登録しないと定期預金が凍結される」「今すぐ手数料を払わないと口座が使えなくなる」といった連絡は、安易に信用しないことが重要です。
名義預金の税務判断と預貯金口座付番制度は分けて考える必要があります。
名義預金とは、口座名義とは別の人が実質的に資金を拠出・管理していると判断される預金です。
相続税では、資金の出所、通帳・印鑑等の管理、贈与の実態などを総合的に見て、その預金の実質的な所有者が判断されます。
「通帳やキャッシュカードを名義人へ持たせれば名義預金ではなくなる」という単純なものではありません。
自宅で現金を保管する、いわゆる「タンス預金」は、預貯金口座付番制度そのものの対象ではありません。
ただし、相続税などの課税対象となる財産を申告しなければならない義務は、マイナンバーを口座へ付番しているかどうかとは関係ありません。
マイナンバーを預貯金口座へ付番すると、タンス預金が自動的に把握されるという仕組みではありません。
マイナンバーの付番は任意なので、「全員が必ず付番した方がよい」とは言えません。
複数の金融機関に口座があり、将来の相続時に家族が口座を探しやすくしておきたい人や、災害時の口座照会を利用できるようにしておきたい人にはメリットがあります。
一方、制度の必要性を感じない場合は、通常の預貯金口座について付番しない選択もできます。
1. 通常の預貯金口座付番は任意であること
2. 金融機関を選べても口座単位では選べないこと
3. 付番完了後は原則取り消せないこと
4. 相続時・災害時の口座照会というメリットがあること
通常の預貯金口座へのマイナンバー付番は、2026年現在も任意です。ただし、マル優など別の法令でマイナンバーが必要とされる取引は除きます。
いいえ。付番したことをきっかけに、金融機関が国や自治体へ預金残高や入出金履歴を自動的に通知する仕組みではありません。
いいえ。公金受取口座登録制度と預貯金口座付番制度は別の制度です。公金受取口座を登録しただけで他の口座へ自動付番されることはありません。
デジタル庁の案内では、付番完了後は原則として取り消すことはできません。
はい。被相続人が生前に付番していれば、相続人は所定の手続きにより、付番済みの預貯金口座の所在をまとめて確認できる場合があります。
※本ページは2026年8月時点の制度をもとに一般的な内容を解説しています。対象金融機関、必要書類、マイナンバーの告知義務がある取引などは制度改正や取引内容によって変わる場合があります。最新情報はデジタル庁、国税庁、金融庁、各金融機関の公式案内をご確認ください。
