お年玉やお祝い金、将来の教育資金などを管理するために、子供名義の銀行口座や定期預金を利用する家庭があります。
子供名義の定期預金を作るときは、「口座を作れるか」だけでなく、そのお金が法律・税務上だれの財産なのかを明確にしておくことが重要です。
子供名義の口座だからといって、入っているお金が自動的に子供の財産になるとは限りません。資金の出所、贈与の事実、管理状況などによって判断されます。
一般的には、次のような流れになります。
1. 子供名義の普通預金口座・総合口座を開設する
2. 親権者または本人が、金融機関所定の方法で本人確認を行う
3. 普通預金口座へ資金を入金する
4. その資金を子供名義の定期預金へ預け替える
ただし、年齢や金融機関によって、親権者が代理で申し込むのか、子供本人が申し込むのかは異なります。
未成年者の口座開設方法は、金融機関ごとに異なります。
たとえば三菱UFJ銀行では、2026年現在、0歳から15歳未満の子供は親権者がアプリまたは窓口で手続きでき、15歳以上は本人が手続きする仕組みです。
楽天銀行では、0歳から口座開設が可能で、0歳〜12歳以下は親権者が代理で手続きできます。
「未成年なら必ず親が代理」「何歳でも親が申し込める」という全国共通ルールではありません。
親権者が子供名義の口座を開設する場合、一般的には次のような確認が行われます。
・子供本人の本人確認書類
・親権者の本人確認書類
・子供と親権者の関係を確認できる書類
・スマートフォンやSMS認証環境(アプリ申込の場合)
・届出印(印鑑を使う銀行・口座の場合)
現在は印鑑不要・通帳レスで口座を開設できる銀行も増えています。
必要書類は金融機関や申込方法によって異なり、印鑑が不要な場合もあります。
必ずしも必要ではありません。
金融機関によっては、一定年齢未満であれば親権者だけで窓口手続きができたり、アプリで完結したりします。
一方、一定年齢以上は本人手続きを求める銀行があります。
子供本人の同伴が必要かどうかは、各金融機関が定める本人確認・親権確認のルールに従って判断してください。
ネット銀行でも、未成年者名義の口座を開設できる銀行があります。
楽天銀行は2026年現在、0歳から子供名義の口座を開設できます。0歳〜12歳以下は親権者が代理で申し込み、子供と親権者双方の本人確認書類を提出します。
一方で、未成年者の新規口座開設に年齢制限を設けている銀行もあります。
「ネット銀行なら何歳でも開設できる」とは限らないため、申込時点の年齢条件を確認してください。
親子で同じ銀行を使うと、親から子供の口座へ資金を移すときに便利な場合があります。
同行宛振込が無料になる銀行や、アプリ上で管理しやすい銀行もあります。
ただし、振込手数料や無料条件は銀行・利用状況によって異なります。
子供名義の口座を選ぶときは、手数料だけでなく、定期預金金利、ATMの使いやすさ、未成年者の取引制限、成人後の引継ぎ方法なども確認しましょう。
親のお金を子供名義の口座へ移した場合、税務上もっとも重要なのは「実際に子供へ贈与したのか」という点です。
単に子供名義の口座へ入金しただけでは、必ずしも贈与が成立したとは限りません。
資金を出した親がその口座を自分のお金として管理し、子供が預金の存在を知らず、自由に使うこともできない場合は、実質的には親の財産と判断される可能性があります。
このような預金は、一般に「名義預金」と呼ばれます。
実際の税務判断はそれほど単純ではありません。
預金の所有者は、名義や通帳の保管場所だけでなく、資金の出所、贈与の合意、誰が管理・処分していたかなど、実態を総合して判断されます。
したがって、「通帳を渡せば贈与完了」「親が通帳を持っていれば必ず親の財産」という一律の判断はできません。
親や祖父母から子供へ実際に財産を贈与した場合、暦年課税では贈与を受けた人1人につき年間110万円の基礎控除があります。
1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計額が110万円以下であれば、暦年課税では原則として贈与税はかかりません。
110万円は「贈与した人ごと」ではなく「贈与を受けた人ごと」の枠です。
たとえば父から80万円、祖父から50万円を同じ年に受け取った場合、合計130万円として計算します。
暦年課税の場合、1年間の贈与額が110万円を超えたときは、原則として110万円を差し引いた残額に対して贈与税を計算します。
たとえば1年間に150万円の贈与を受けた場合、基礎控除110万円を差し引いた40万円が課税価格の基礎になります。
実際の税率は贈与者との関係や受贈者の年齢などによって異なります。
父母や祖父母など直系尊属からの贈与であっても、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳未満の場合は、贈与税の計算では「一般税率」が適用されます。
18歳以上で一定の要件を満たす直系尊属からの贈与では、「特例税率」が適用される場合があります。
毎年その都度、独立した贈与契約を行い、その年の贈与額が110万円以下なら、暦年課税では原則として贈与税はかかりません。
しかし、最初から「10年間、毎年100万円ずつ渡す」といった契約をしている場合は、毎年の贈与ではなく、定期的な給付を受ける権利の贈与として扱われる場合があります。
「毎年110万円以下に分ければ、どのような方法でも贈与税がかからない」という理解は正確ではありません。
親など扶養義務者が、子供にとって通常必要な学費、教材費、文具費などの教育費を必要な都度負担する場合は、原則として贈与税の対象になりません。
しかし、「将来の教育費だから」という理由で数年分をまとめて子供へ渡し、そのお金が定期預金などとして残っている場合は、その残額が贈与税の対象になることがあります。
教育費の非課税は、原則として「必要な都度、実際に教育費へ使うお金」が対象です。
「将来の大学費用として貯めたい」という目的であれば、必ずしも子供名義の定期預金にする必要はありません。
親が自分の財産として親名義の定期預金で管理し、入学金や授業料が必要になった時点で直接支払う方法もあります。
この場合、資金の所有者が誰なのかが明確になりやすく、名義預金や贈与時期を巡る混乱を避けやすくなります。
親族などから子供本人へ贈られたお年玉や入学祝いなどは、実際に子供への贈与として成立しているなら、子供の財産です。
未成年の間は親権者が管理することがありますが、「親が管理している=親の財産」という意味ではありません。
子供のお金と親のお金を同じ口座で混ぜず、記録を残して管理すると分かりやすくなります。
未成年の子供は、年齢によって自分だけでは金融取引を行えないことがあります。
そのため親権者が、子供本人の財産である預金を管理することは珍しくありません。
大切なのは、「親が管理しているから親の財産」と決めつけるのではなく、誰から誰へ贈与されたお金なのか、そのお金を誰のために管理しているのかを明確にしておくことです。
2022年4月から、民法上の成年年齢は20歳から18歳へ引き下げられています。
18歳になると、法律上は本人が単独で契約できるようになります。
ただし、銀行口座の具体的な利用条件やインターネットバンキングの切替手続きなどは、金融機関ごとに異なります。
子供本人の財産として作った預金であれば、成長に応じて本人が管理できる状態へ移していくことが自然です。
キャッシュカード、暗証番号、インターネットバンキングの認証、満期日の確認なども、本人が安全に管理できるよう教える必要があります。
子供名義の預金は、金銭教育の機会として利用することもできます。
子供名義の円定期預金も、預金保険制度の対象金融機関・対象商品であれば、通常の円定期預金と同じ保護を受けます。
一般預金等は、預金者1人につき1金融機関ごとに合算して、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
親の預金と子供の預金は、実際の預金者がそれぞれ本人であれば別々に名寄せされます。
詳しくは定期預金とペイオフをご覧ください。
1. その銀行は何歳から口座開設できるか
2. 親権者代理か本人申込か
3. 入金するお金は誰の財産か
4. 贈与するなら年間贈与額はいくらか
5. 成人後に誰がどのように管理するか
この5点を最初に決めておくと、口座管理と税務上の考え方が整理しやすくなります。
金融機関によります。0歳から口座開設できる銀行もあり、一定年齢までは親権者が代理で手続きします。
必ずではありません。まず、その入金が実際に子供への贈与として成立しているかを確認する必要があります。贈与が成立し、暦年課税でその年の贈与額が110万円を超えれば、原則として申告・課税の対象になります。
通帳を誰が持っているかだけでは決まりません。資金の出所、贈与の事実、管理・処分状況などを総合して判断されます。
親など扶養義務者が、通常必要な教育費を必要な都度支払う場合は、原則として贈与税はかかりません。ただし、数年分をまとめて渡して預金として残す場合は別です。
将来の教育費を親が負担する目的だけなら、親名義で管理して必要時に支払う方法もあります。子供本人へ財産として贈与したい場合は、贈与税や管理方法を考えて子供名義にする必要があります。
※本ページは2026年8月時点の一般的な制度・税務の考え方をもとに解説しています。未成年口座の申込条件、必要書類、定期預金の取扱いは金融機関によって異なります。また、贈与・名義預金の税務判断は個別事情によって変わるため、多額の資金を移す場合は税務署や税理士等へご確認ください。
