定期預金の金利は、国が一律に決めているわけではありません。日本銀行の金融政策や市場金利の動き、銀行ごとの資金調達事情、預金獲得方針、預入期間などを踏まえて、各金融機関が設定しています。
大きな流れとしては、日本銀行の政策金利や市場金利が上昇すると定期預金金利も上がりやすく、反対に市場金利が低下すると預金金利も下がりやすくなります。
ただし、同じ時期でも銀行によって定期預金金利にはかなり差があります。これは、各銀行の経営戦略や「どれだけ預金を集めたいか」が異なるためです。
金利とは、簡単にいえば、お金を一定期間利用することに対する対価です。
預金者から見ると銀行へお金を「預ける」ことになりますが、銀行から見ると預金者から資金を調達していることになります。
銀行は集めた資金を企業や個人への貸出、有価証券運用などに活用し、その対価として預金者へ利息を支払います。
| 要因 | 定期預金金利への影響 |
|---|---|
| 日本銀行の政策金利 | 短期市場金利や銀行の資金調達環境を通じて影響 |
| 市場金利 | 短期・長期の市場金利の動きが各期間の預金金利へ波及 |
| 預入期間 | 1年、3年、5年など期間ごとの市場金利や将来見通しを反映 |
| 銀行の資金需要 | 預金を多く集めたい銀行は高めの金利を設定することがある |
| キャンペーン・営業戦略 | 新規顧客・新規資金獲得のため期間限定で上乗せされることがある |
日本銀行は、物価の安定などを目的として金融政策を行っています。
2024年3月以降、日本銀行は短期金利の操作を主な政策手段とし、無担保コールレート(オーバーナイト物)を政策金利として誘導しています。
2026年8月15日確認時点では、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させる方針です。
政策金利が上がると、銀行間で資金をやり取りする短期市場金利も上がりやすくなり、普通預金や短めの定期預金の金利を引き上げる要因になります。
無担保コールレート(オーバーナイト物)は、金融機関同士が担保なしで翌日返済の資金を貸し借りするときの金利です。
日本銀行は、この金利が政策方針で示した水準付近で推移するよう金融市場調節を行っています。
ただし、預金金利が政策金利と完全に同じ幅・同じタイミングで動くわけではありません。各銀行が自社の収益や資金需要を考えて決定します。
定期預金は、1か月、3か月、6か月、1年、3年、5年など、預入期間を決めて利用する商品です。
銀行はそれぞれの期間の市場金利、国債利回り、将来の金利見通しなどを考えながら、期間ごとの定期預金金利を設定します。
定期預金は、満期までの期間が長いほど金利が高くなるとは限りません。
金融市場では、将来の景気悪化や利下げが予想されると、長期金利が短期金利より低くなることもあります。
その場合、1年定期の方が5年定期より高金利になるといった金利の逆転も起こり得ます。実際の期間別金利を比較することが大切です。
銀行ごとの金利差を生む大きな要因が、預金を集めたい度合いです。
貸出を増やしたい銀行、住宅ローンや企業融資の原資を確保したい銀行、新規顧客を増やしたい銀行などは、他行より高い定期預金金利を設定することがあります。
同じ市場金利でも銀行によって定期預金金利が違うのは、資金調達ニーズや営業戦略が異なるためです。
ボーナス時期、新規口座開設、新規資金、退職金などを対象に、通常金利より高いキャンペーン金利を設定する銀行があります。
キャンペーン金利には、市場金利だけでなく「新しい顧客を獲得したい」「他行から資金を移してもらいたい」といった営業上の狙いがあります。
詳しくは定期預金の粗品や特典をご覧ください。
ネット銀行は店舗数が少ないなど、店舗型銀行とはコスト構造が異なります。そのため預金金利を高めに設定する銀行もあります。
しかし、「ネット銀行なら必ず都市銀行より高金利」というわけではありません。
店舗型銀行でも期間限定キャンペーンやネット専用商品で高い金利を設定することがあります。
1,000万円以上などを対象にする大口定期預金では、通常のスーパー定期と異なる金利が設定される場合があります。
しかし、金額が大きければ必ず高金利になるわけではありません。キャンペーン定期の方が高金利になることもあります。
政策金利や市場金利が上昇する局面では、多くの銀行が普通預金や定期預金の金利を段階的に引き上げます。
ただし、すべての銀行が同じ日に同じ幅だけ上げるわけではありません。銀行ごとに重点を置く期間も異なります。
将来の金利低下が予想される局面では、現在の高い金利を長めの定期預金で固定できることがメリットになる場合があります。
反対に、金利上昇が続く局面で長期間固定すると、後から登場した高金利商品へ乗り換えにくくなることがあります。
詳しくは定期預金の分散をご覧ください。
一般的な定期預金は固定金利で、預入時の金利が満期まで適用されます。
一方、金融機関によっては一定期間ごとに金利を見直す変動金利定期預金もあります。
定期預金金利の変更時期に全国共通のルールはありません。
日本銀行が政策金利を変更した後に見直す銀行もあれば、市場金利や他行動向を見ながら独自のタイミングで変更する銀行もあります。
固定金利型の定期預金は、原則として預入時に適用された金利が満期まで続きます。
預入後に新規定期預金金利が上がっても、すでに契約した固定金利定期の金利が自動的に引き上げられるわけではありません。
自動継続型では、最初の満期を迎えた後、通常は継続日時点の銀行所定金利で新しい定期預金が作られます。
最初の高いキャンペーン金利が、その後も自動的に続くとは限りません。
詳しくは定期預金の満期をご覧ください。
個人が国内の金融機関から受け取る定期預金の利息には、原則として20.315%の税金がかかります。
詳しくは定期預金の利息にかかる税金をご覧ください。
高い金利を見つけても、預入期間、最低預入額・上限額、新規資金限定か、中途解約利率、初回満期後の金利などを確認してください。
同じ「年1%」でも、3か月だけの特別金利と1年間適用される金利では、実際に受け取れる利息は大きく異なります。
定期預金の金利を比較するときは、同じ預入期間・同じ預入金額・同じ条件で比べるのが基本です。
「1年もの」「100万円」「新規資金条件なし」など条件をそろえることで、銀行ごとの差を正しく比較できます。
各金融機関が決めています。日本銀行の政策金利、市場金利、預入期間、銀行の資金調達状況や営業戦略などを踏まえて設定されます。
上昇要因になります。ただし、各銀行がいつ・どの程度引き上げるかは異なります。
必ずではありません。将来の利下げなどが予想される場合、短期定期の方が長期定期より高金利になることもあります。
必ずではありません。店舗型銀行のキャンペーン定期やネット専用商品が上回る場合もあります。
固定金利型では通常上がりません。預入時の金利が満期まで適用されます。自動継続後は継続日時点の所定金利に変わるのが一般的です。
※定期預金金利は金融政策、市場金利、銀行の経営・資金調達状況などによって変動します。実際の預入時には、各金融機関の公式サイト・商品概要説明書で最新の適用金利と条件をご確認ください。
