大口定期預金

大口定期預金とは、一般に1,000万円以上のまとまった資金を、一括して一定期間預ける定期預金です。「自由金利型定期預金」と呼ばれることもあります。

最低預入金額は1,000万円以上としている金融機関が多く、預入時に決まった固定金利が満期日まで適用されます。

預入期間は1カ月から10年程度まで用意され、個人だけでなく法人も利用できる商品が一般的です。

ただし、1,000万円以上を預けるからといって、スーパー定期より必ず高金利になるわけではありません。2026年現在は、預入金額にかかわらず同じ金利を設定する金融機関も多くあります。

大口定期預金とは?

大口定期預金とは

大口定期預金は、退職金、相続金、事業資金、長年の貯蓄など、当面使う予定のない大きな資金を固定金利で運用する商品です。

円定期預金であるため、満期まで預ければ、元金と所定の利息を受け取れます。

一方、金融機関が破綻した場合、預金保険制度による保護の対象外となる部分は、破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われます。

基本的な商品内容

大口定期預金の基本的な商品内容
項目一般的な内容
利用者個人・法人
最低預入金額1,000万円以上
預入単位1円単位
預入期間1カ月〜10年程度
預入方法一括預入
適用金利預入時または継続時の固定金利
払戻方法満期日に一括払戻し
中途解約所定の期日前解約利率を適用

金融機関によっては、定型期間だけでなく、1カ月超10年未満の範囲で満期日を指定できます。

スーパー定期との違い

比較項目スーパー定期大口定期預金
預入金額1円以上など原則1,000万円以上
利用者個人・法人個人・法人
預入期間1カ月〜10年程度1カ月〜10年程度
金利店頭表示金利店頭表示金利または金融機関所定金利
マル優対象商品なら利用可能一般に利用不可
預金保険対象対象。ただし保護上限に注意

現在は、大口定期預金とスーパー定期に同じ金利を設定する金融機関もあるため、1,000万円以上という理由だけで有利とは限りません。

預入期間

大口定期預金の預入期間

預入期間は、1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、3年、5年、7年、10年などから選べます。

金融機関によっては、1カ月超10年未満の範囲で任意の満期日を指定できます。

長期商品ほど高い金利が設定される傾向がありますが、預入後に市場金利が上昇しても、満期までは預入時の固定金利が続きます。

今後の金利上昇を想定する場合は、全額を長期定期へ預けず、複数の期間へ分けて満期日をずらす方法があります。

金利は必ず高いとは限らない

大口定期預金の金利

以前は、大口の資金ほど個別に高い金利が提示されることがありました。

しかし2026年現在は、スーパー定期、大口定期預金ともに同じ金利を設定する金融機関も少なくありません。

大口定期預金を選ぶ際は、「1,000万円以上だから高金利」と思い込まず、通常定期、インターネット専用定期、期間限定キャンペーンと比較してください。

金利の確認方法

大口定期預金の金利の確認方法

大口定期預金の金利は、金融機関の公式金利表、店舗窓口、インターネットバンキングで確認できます。

金利表では、「大口定期」「自由金利型定期預金」「1,000万円以上」などの項目を確認します。

店頭表示金利とは別に、取引状況や預入金額に応じた個別条件が提示される場合は、適用期間、満期後、中途解約の条件を書面で確認しましょう。

利息の計算例

1,000万円を年0.50%で1年間預ける場合

税引前利息は、1,000万円×年0.50%=約50,000円です。

個人の預金利息には原則20.315%の税金がかかるため、税引後の受取利息は約39,842円です。

2,000万円を年0.50%で1年間預ける場合

税引前利息は約100,000円、税引後の受取利息は約79,685円です。

実際の利息は、預入日数、利払い方法、端数処理によって異なります。

単利と中間利払い

大口定期預金は単利型としている金融機関が一般的です。

2年以上の定期預金では、1年ごとに中間利息を支払う商品があります。

中間利息は約定金利の一定割合で計算され、残りの利息は満期時に精算されます。

商品ごとに利払い方法が異なるため、長期で預ける場合は、利息を途中で受け取るのか、満期まで運用するのかを確認してください。

インターネットバンキングでの預入

大口定期預金のインターネットバンキング取引

大口定期預金は店舗窓口で申し込むほか、インターネットバンキングから預けられる金融機関もあります。

オンライン取引では、普通預金から定期預金へ資金を振り替え、預入期間と満期時の取扱いを選びます。

インターネット取引では通帳や証書を発行せず、残高、金利、満期日を画面上で管理する場合があります。

1,000万円以上を振り込む場合は、振込限度額、不正送金対策、振込手数料にも注意してください。

満期時の取扱い

満期時は、一般に満期解約、元金継続、元利金継続から選べます。

取扱い内容
満期解約元金と利息を普通預金などへ入金
元金継続元金を継続し、利息を普通預金などへ入金
元利金継続元金と利息を合わせて継続

自動継続後は、預入時の金利ではなく、継続日時点の大口定期預金金利が適用されます。

中途解約

大口定期預金の中途解約

大口定期預金は、満期前でも金融機関の承認を得て中途解約できる場合があります。

中途解約時は、預入時の約定金利ではなく、金融機関所定の期日前解約利率が適用されます。

期日前解約利率は、約定金利、預入期間、市場金利によっては0%となる場合があります。

長期商品の中途解約では、すでに受け取った中間利息の一部を返す必要が生じることもあります。

一部解約は原則できない

大口定期預金の一部解約

大口定期預金は、1契約の一部だけを満期前に引き出すことが原則としてできません。

一部の資金が必要になると、契約全体を中途解約しなければならない場合があります。

資金を複数口に分けて預ければ、必要な口だけを解約でき、残りの定期預金は継続できます。

たとえば3,000万円を1口で預けず、1,000万円ずつ3口に分ける方法があります。ただし、同じ金融機関内では預金保険上の保護額は増えません。

預金保険制度

大口定期預金と預金保険制度

大口定期預金は、原則として預金保険制度の対象です。

ただし、同じ金融機関にある対象預金を合算し、預金者1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。

元本1,000万円を超える部分と、その超過部分に対応する利息は、破綻金融機関の財産状況に応じて支払われるため、一部カットされる可能性があります。

本店、通常支店、インターネット支店へ分けても、同じ金融機関なら合算されます。

預金保険で保護される金額の例

同じ銀行にある預金合計元本原則として保護される元本
大口定期1,000万円だけ1,000万円1,000万円
大口定期1,000万円+普通預金200万円1,200万円1,000万円
大口定期2,000万円2,000万円1,000万円
別々の銀行へ各1,000万円合計2,000万円各銀行で1,000万円

複数の金融機関へ分散する

大口定期預金を複数の金融機関へ分散

預金保険制度の範囲内で安全性を高めるなら、1金融機関当たりの対象預金元本を1,000万円以内に収める方法があります。

2,000万円なら2金融機関、3,000万円なら3金融機関へ分散する考え方です。

ただし、普通預金や既存の定期預金も合算されるため、それぞれの金融機関にある対象預金全体を確認してください。

決済用預金との違い

大口定期預金と決済用預金の違い

無利息、要求払い、決済サービスを提供できるという3要件を満たす決済用預金は、預金保険制度で全額保護されます。

大口定期預金は利息が付く定期預金であるため、決済用預金のような全額保護ではありません。

利息より元本全額の保護を最優先する資金は、決済用普通預金なども選択肢になります。

外国銀行・海外支店の預金

預金保険制度の対象外となる預金

日本国内に本店のある銀行、信用金庫などの国内本支店にある対象預金は、預金保険制度の対象です。

一方、外国銀行の在日支店、日本の金融機関の海外支店、外貨預金、譲渡性預金などは、日本の預金保険制度の対象外です。

商品名に「定期預金」と付いていても、通貨、金融機関、支店によって保護対象が異なるため確認が必要です。

マル優

大口定期預金とマル優

マル優は、障害者手帳の交付を受けている人や障害年金・遺族年金を受給する一定の人などが、元本350万円までの対象預貯金の利息を非課税にできる制度です。

大口定期預金は、商品概要でマル優を利用できないとしている金融機関が一般的です。

マル優の資格がある人は、スーパー定期など、マル優を利用できる対象商品へ350万円以内で預ける方法を確認してください。

退職金・相続金には専用商品もある

退職金・相続金専用定期預金

退職金や相続金を1,000万円以上受け取った場合でも、すぐに通常の大口定期預金を選ぶ必要はありません。

退職金定期預金や相続定期預金では、一定期間、通常より高い金利を適用する場合があります。

受取日から1年以内などの期限、必要書類、新規資金限定、初回利用限定などの条件を確認して比較しましょう。

キャンペーン定期預金との比較

大口定期預金とキャンペーン定期預金

期間限定キャンペーンでは、スーパー定期やインターネット専用定期に、大口定期預金より高い金利が設定されることがあります。

キャンペーンには、1人当たりの預入上限、新規資金限定、口座開設者限定、初回満期までなどの条件があります。

大口定期預金、スーパー定期、インターネット支店の商品を、税引後利息と預金保険の両方から比較してください。

大口定期預金に向いている人

  • 1,000万円以上の余裕資金がある人
  • 満期まで使わない資金を固定金利で運用したい人
  • 預入期間と満期日を明確に決められる人
  • 複数金融機関への分散を管理できる人
  • 投資商品の価格変動を避けたい人

注意が必要な人

  • 生活費や事業資金まで預けようとしている人
  • 預入期間中に一部を使う可能性がある人
  • 同じ金融機関に普通預金や定期預金が多くある人
  • 今後の金利上昇時にすぐ乗り換えたい人
  • 金利だけで金融機関を選ぼうとしている人

選び方

  1. 満期まで使わない資金額を決める
  2. 同じ金融機関にある預金総額を確認する
  3. スーパー定期・キャンペーン商品と金利を比較する
  4. 預入期間と満期日を決める
  5. 期日前解約利率を確認する
  6. 一部解約の可否を確認する
  7. 自動継続後の金利を確認する
  8. 必要に応じて複数金融機関へ分散する

よくある質問

大口定期預金は何円から利用できますか?

一般には1,000万円以上、1円単位です。ただし、金融機関によって異なる場合があります。

1,000万円を預ければ全額保護されますか?

同じ金融機関にある他の対象預金と合算し、預金者1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。普通預金などが別にある場合は、合計額に注意してください。

大口定期預金はスーパー定期より高金利ですか?

必ず高金利とは限りません。同じ金利の金融機関もあります。

一部だけ解約できますか?

原則として一部解約できません。資金を複数口に分けて預ける方法があります。

満期前に解約できますか?

金融機関の承認を得て解約できる場合がありますが、所定の期日前解約利率が適用され、0%となる場合もあります。

マル優を利用できますか?

大口定期預金は、一般にマル優を利用できません。金融機関の商品概要をご確認ください。

まとめ

大口定期預金は、一般に1,000万円以上の資金を、1カ月から10年程度の固定金利で運用する定期預金です。

2026年現在は、スーパー定期と同じ金利を設定する金融機関も多いため、大口であることだけを理由に有利とはいえません。

最も重要なのは、同一金融機関にある対象預金を合算して元本1,000万円までという預金保険制度の保護範囲です。金利、預入期間、中途解約、満期後の金利を比較し、必要に応じて複数の金融機関へ分散しましょう。

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