ハイパーインフレとは急激なインフレで貨幣価値が0に近くなることです。
ハイパーインフレとはインフレが急激に進行して物価が高騰し、貨幣価値が0に近くなる経済状況のことです。ハイパーインフレになると通常のインフレ率が1%〜3%のところが、100%や200%あるいはそれ以上になってしまいます。そして短期間で物価が2倍、3倍に上がり続けます。
ハイパーインフレになりやすいのは、通常のインフレのように景気が良い時ではなくて国の混乱期です。たとえば日本で起きたハイパーインフレは第二次世界大戦直後でした。当時の日本政府は戦争のための資金の返済として、お金を大量に発行する金融政策を行いました。そのため日本の貨幣の価値は下がり、インフレ率300%強のハイパーインフレが起こりました。
お金の価値が下がり続けると、当時の日銀が引き受けていた国債や、国民が買っていた戦時国債も価値が下がりました。またハイパーインフレ対策として預金を下ろしに殺到する人々を防ぐために、今度は銀行を預金封鎖しました。さらに戦時下に乱発した国債の回収をねらって、税金の支払いを封鎖預金や国債で行えるようにしました。そして国はタダ同然の額で国債の回収に成功しました。
またハイパーインフレは日本だけではなく海外でも発生しています。2008年(平成20年)に起きたジンバブエや、1980年代後半のアルゼンチンのハイパーインフレが有名です。ジンバブエでは治安の悪化や企業と富裕層が海外へ流出したのをきっかけに、経済破綻しました。アルゼンチンではフォークランド紛争が原因でした。
お金は国の信用でその価値が保たれています。けれども経済の破綻などが原因で、物価が急高騰したために起こるのがハイパーインフレです。日本でハイパーインフレが起これば、実質的に日本円の価値は下がります。