昔作った定期預金を、そのまま長期間放置してしまうことがあります。
一般の銀行・信用金庫などの預金は、10年以上取引がないと「休眠預金等」になる場合がありますが、休眠預金等になった後も、原則として元の金融機関で払い戻しを受けることができます。
したがって、「10年たったら預金が消える」「銀行に没収される」と考えるのは正確ではありません。
ただし、2007年9月30日以前に預け入れた一部の定額郵便貯金・定期郵便貯金などには、旧郵便貯金法による特別な権利消滅ルールが残っています。
定期預金を長期間利用していなくても、まずは取引していた金融機関へ確認してください。
通帳や証書を紛失していても、本人確認書類などを使って口座の有無や払戻し方法を確認できる場合があります。
「古いからもう無理だろう」と自己判断せず、金融機関へ照会することが最も重要です。
2026年現在、一般の預金者が実務上まず知っておくべきなのは、2018年施行の「休眠預金等活用法」です。
休眠預金等活用法では、2009年1月1日以降の取引を起点として、10年以上その後の入出金等の取引がない預金等が「休眠預金等」となる場合があります。
休眠預金等は預金保険機構へ移管され、民間公益活動に活用されますが、預金者は引き続き元の金融機関で払い戻しを受けられます。
休眠預金等とは、一定期間、入出金などの「異動」がない預金等をいいます。
原則として、最後の異動から10年以上経過した預金等が対象になります。
対象になるのは、普通預金、定期預金、定期積金などです。
一方、外貨預金や財形貯蓄など、休眠預金等活用法の対象外となる商品もあります。
休眠預金等になった後も、預金者は元の金融機関で払い戻しを受けることができます。
金融機関によって手続き方法は異なりますが、本人確認書類、通帳・証書、キャッシュカード、届出印などを求められる場合があります。
通帳や証書を紛失している場合でも、本人確認のうえで手続きできる場合があります。
休眠預金等になったからといって、預金者の払戻しを受ける権利がなくなるわけではありません。
| 経過期間 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 10年未満 | 通常の預金として管理される |
| 10年以上取引なし | 条件を満たすと休眠預金等になる可能性がある |
| 休眠預金等になった後 | 元の金融機関で所定の手続きをすれば払戻し可能 |
2020年4月1日に改正民法が施行され、一般の債権についての消滅時効ルールが改められました。
現在の原則は、債権者が「権利を行使できることを知った時から5年」または「権利を行使できる時から10年」のいずれか早い方です。
そのため、「銀行は5年、信用金庫などは10年」という単純な区分を、現在の一般ルールとして使うことはできません。
また、実際の預金払戻しでは休眠預金等活用法や金融機関の取扱いも関係するため、「時効年数だけ」で判断しないことが大切です。
定期預金が満期を迎えた後の扱いは、預入時の設定によって異なります。
満期自動解約型なら、元金と税引後利息が普通預金へ入金されるのが一般的です。
自動継続型なら、新しい定期預金として継続されます。
そのため、「満期後に何もしていない=すぐ休眠扱いになる」というわけではありません。
自動継続型では、満期ごとに新しい定期預金として継続されます。
ただし、休眠預金等活用法上の「異動」に該当するかどうかは、単に自動継続されているだけで判断せず、金融機関の商品設計・制度上の取扱いを確認する必要があります。
「自動継続なら永久に休眠預金にならない」と一律に考えるのは避けましょう。
普通預金も、10年以上入出金などの取引がなければ、休眠預金等となる場合があります。
給与振込、ATM入出金、振込などの取引が継続している口座は、通常は長期間取引なしの状態にはなりません。
休眠預金等に該当するかどうかは、「最後の通帳記帳日」だけで単純に判断するのではなく、休眠預金制度上の「異動」の有無を確認する必要があります。
休眠預金等活用法では、どの行為が「異動」に当たるかが定められています。
入出金などは代表的な異動ですが、通帳記帳だけで休眠預金になるまでの期間が必ずリセットされるとは限りません。
長期間使っていない口座がある場合は、記帳だけで安心せず、金融機関へ現在の取扱いを確認してください。
一定額以上の預金について、金融機関から登録住所や電子メールなどへ通知が行われる場合があります。
住所変更をしていないと通知が届かない可能性があるため、転居・結婚などで住所や氏名が変わった場合は金融機関へ変更届を出しておきましょう。
長期間使わなくなるきっかけとして多いのが、引っ越し、転職、結婚などです。
・引っ越して近くに支店がなくなった
・給与振込口座を別銀行へ変更した
・結婚で名字が変わった
・昔の学校・勤務先指定口座をそのまま残した
こうした口座は、本人自身も存在を忘れやすくなります。
古い通帳やキャッシュカードが見つかったら、残高がなくても一度金融機関へ確認すると安心です。
可能な場合があります。
通帳・定期預金証書を紛失していても、本人確認書類や登録情報などをもとに、金融機関が口座を確認できる場合があります。
まずは金融機関へ連絡し、紛失手続きと口座照会の方法を確認してください。
古い定期預金では、預けた銀行がすでに合併・名称変更していることがあります。
その場合でも、承継先の金融機関に預金記録が引き継がれている場合があります。
昔の通帳に記載された銀行名をもとに、現在の承継先を調べて問い合わせてください。
亡くなった家族の古い定期預金が見つかった場合は、本人向けの払戻しではなく相続手続きになります。
相続人であることを確認できる戸籍等や、金融機関所定の相続書類を提出して手続きします。
通帳や証書がなくても、相続人からの照会に応じて口座の有無を確認できる場合があります。
詳しくは定期預金の相続をご覧ください。
2007年9月30日以前に郵便局へ預け入れた定額郵便貯金・定期郵便貯金・積立郵便貯金などは、現在の一般的な銀行預金とは別のルールです。
これらには旧郵便貯金法の規定が引き続き適用されます。
満期後20年を経過すると催告書が発送され、その発送日から2か月以内に払戻し請求等をしない場合、権利が消滅して払戻しを受けられなくなることがあります。
民営化前の古い郵便貯金を持っている人は、一般の休眠預金と同じだと考えず、早めにゆうちょ銀行・郵便局へ確認してください。
民営化前の通常郵便貯金・通常貯蓄貯金については、2007年9月30日時点で既に最後の取扱日から20年2か月を経過していたものは、旧郵便貯金法により権利が消滅している場合があります。
一方、当時まだ20年2か月を経過していなかったものは、ゆうちょ銀行の通常貯金等へ引き継がれている場合があります。
自分の貯金がどの扱いか分からない場合は、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口へ確認してください。
古い定期預金を見つけた場合は、次の順番で確認するとよいでしょう。
1. 通帳・証書に記載された金融機関名を確認
2. 現在の金融機関名・承継先を確認
3. 金融機関へ連絡する
4. 本人確認書類を準備する
5. 残高・休眠預金の有無・払戻し方法を確認する
一般の銀行預金では、休眠預金になった後も払戻しを受けられます。
それでも、長期間放置すると、通帳を紛失したり、住所変更で通知が届かなかったり、相続人が口座の存在を知らなかったりする問題が起こります。
実務上もっとも大きなリスクは、「時効」そのものより、自分や家族が預金の存在を忘れてしまうことです。
年に1回程度、利用していない銀行口座や定期預金を一覧で確認することをおすすめします。
一般の銀行・信用金庫などの預金は、10年以上取引がないと休眠預金等になる場合がありますが、その後も元の金融機関で払い戻しを受けることができます。
いいえ。休眠預金等になった後も、元の金融機関で所定の手続きを行えば払い戻し可能です。
旧制度では商事債権の5年時効が説明されることがありましたが、2020年の民法改正で一般債権の時効ルールは変更されています。現在の預金実務では休眠預金制度も関係するため、「銀行なら5年で消える」と考えるのは正確ではありません。
自動継続される商品でも、長期間まったく確認しないのはおすすめしません。金利条件、登録住所、休眠預金制度上の取扱いなどを定期的に確認してください。
2007年9月30日以前の定額郵便貯金・定期郵便貯金などには旧郵便貯金法の権利消滅ルールがあります。満期後20年と催告後2か月という期限があるため、該当する場合は早急にゆうちょ銀行・郵便局へ確認してください。
※本ページは2026年8月時点の一般的な制度をもとに解説しています。休眠預金等への移管時期、異動の扱い、本人確認書類、払戻し方法、旧郵便貯金の権利消滅の有無などは個別事情によって異なります。実際の手続きでは金融庁・ゆうちょ銀行・各金融機関の公式案内をご確認ください。
