定期預金の利息計算においては、金額、期間、金利などの条件が同じなら、単利よりも複利の方が利息の増え方は大きいです。
さらに、単なる1年の複利よりも半年複利の方が、よりいっそう利息の増え方は大きいです。
定期預金の利息の計算方法には「単利」と「複利」があります。
定期預金の預入において、金額、預入期間、金利が同じならば、単利で預けるよりも複利で預けた方が利息は多くなります。
では具体的に、単利と複利の利息の付き方はどのように違うのでしょうか?
定期預金における単利と複利をご説明します。まず、定期預金では当然のことながら、元本(お金)を預け入れます。
単利とは、1年毎に得られる利息の分は組み込まずに再び元本のみで運用をつづける方法です。
それに対して複利とは、得られる利息の分を元本に組み込んで、それを新たな元本として再び運用する方法です。
また複利には「半年複利」という利息の計算方式があります。
半年複利では1年ごとではなくて半年ごとに利息計算をして、得られた利息を元本に組み込んで運用をつづけます。
そのため、1年複利よりも更に早くお金が増えていきます。
このように複利は単利と比べて有利な運用方法です。
しかし、複利は満期が3年以上の定期預金に対して適用されることが多く、ソニー銀行などで一部取扱いはあるものの満期の短い定期預金にはあまり適用されません。
ただ3年未満の単利の定期預金でも、満期時に元本と利息を足して継続される元利自動継続扱いを指定すれば、複利と似た効果が得られます。
しかし定期預金において「複利」と「元利自動継続」は課税方式が違うので、まったく同じように利息が増えていくわけではありません。
定期預金では満期時一括課税方式を採用しているので、満期日を迎えた時に課税されます。
例えば3年複利の定期預金では、3年後に満期日が来た時点で課税されます。
それに対して、1年単利の定期預金を元利自動継続で運用する場合には、1年後に最初の満期日、つまり自動継続日が来た時点で課税されます。
そして利息から税金を引いた残りを元本に足した金額で、新たな定期預金を組むことになります。
また元利自動継続は、自動継続をする日に新しい金利が決められるので、もし金利が下がってしまうと複利効果は薄れます。
それでは単利と複利でどれくらい利息が違ってくるのかをシミュレーションしてみましょう。
利息計算は簡単なので、計算式を覚えておくと良いです。
まず、「預ける金額(円)×金利(%)÷100」が利息の計算式になります。
仮に預入金額が300万円で、金利が1%、預入期間が3年と考えてみましょう。
すると単利の場合なら、
(1)1年目は「3,000,000円×1%÷100=30,000円」で、30,000円の利息が付きます。
(2)2年目も「3,000,000円×1%÷100=30,000円」の利息です。
(3)3年目も「3,000,000円×1%÷100=30,000円」の利息です。
よって3年間の合計では、「30,000円+30,000円+30,000円=90,000円」の利息が付く計算となります。
そして複利の場合なら、
(1)1年目は「3,000,000円×1%÷100=30,000円」の利息が付きます。
(2)2年目になると「(3,000,000+30,000)円×1%÷100=30,300円」の利息です。
(3)3年目には「(3,000,000+30,300)円×1%÷100=30,303円」の利息です。
よって3年間の合計では、「30,000円+30,300円+30,303円=90,603円」の利息が付く計算となります。
単利か複利かの違いで、受取利息は随分と変わるものです。
ちなみにこれが半年複利になると、3年間の合計の利息は91,132円にもなります。
利息の計算が面倒ならば、金融情報サイトや金融機関がネット上で提供している、定期預金の利息計算ツール(シミュレーション)が利用できます。
復興特別所得税を含めた源泉分離課税の分も計算してくれるので、税引き後の手取り金額が分かります。
たとえば楽天銀行(http://www.rakuten-bank.co.jp/assets/fixeddep/term/simulation/index.html)では、シミュレーションしたついでにそのまま定期預金の預入ができます。