定期預金の利息計算には、「単利」と「複利」があります。
元本・金利・預入期間が同じで、利息を途中で受け取らない条件なら、一般に単利より複利の方が受取利息は多くなります。
さらに、同じ年利なら、1年ごとに利息を元本へ組み入れるより、半年ごとに組み入れる方が複利効果は大きくなります。
| 計算方法 | 利息の付き方 |
|---|---|
| 単利 | 最初の元本に対してのみ利息が付く |
| 複利 | 元本に利息を加え、その合計額に次の利息が付く |
単利では、毎回の利息計算に使う元本は変わりません。
一方、複利では利息を元本へ組み入れるため、次回以降は「元本+それまでの利息」に対して利息が付きます。
年単位で単純化すると、単利の利息は次の式で計算できます。
利息 = 元本 × 年利率 × 預入年数
たとえば300万円を年1%で3年間預ける場合は、
3,000,000円 × 0.01 × 3年 = 90,000円
となります。
※実際の定期預金では、日割計算、端数処理、税金などにより受取額が異なる場合があります。
1年複利の場合、満期時の元利合計は次の式で求められます。
元利合計 = 元本 ×(1+年利率)年数
利息だけを求める場合は、
利息 = 元本 ×(1+年利率)年数 − 元本
です。
300万円を年1%で3年間、1年複利で運用すると、
3,000,000円 × 1.013 − 3,000,000円 = 90,903円
となります。
300万円・年1%・3年の1年複利を年ごとに見ると、次のようになります。
| 年 | 計算対象となる元本 | その年の利息 | 年末元利合計 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 3,000,000円 | 30,000円 | 3,030,000円 |
| 2年目 | 3,030,000円 | 30,300円 | 3,060,300円 |
| 3年目 | 3,060,300円 | 30,603円 | 3,090,903円 |
3年目は「3,000,000円+2年目の利息30,300円」ではなく、前年までの元利合計3,060,300円に対して利息を計算するのがポイントです。
半年複利は、半年ごとに利息を計算して元本へ組み入れる方式です。
年利率をそのまま半年ごとに使うのではなく、単純化した計算では年利率を2で割り、半年を1期間として計算します。
元利合計 = 元本 ×(1+年利率÷2)年数×2
300万円を年1%で3年間、半年複利で運用すると、
3,000,000円 ×(1+0.01÷2)6 − 3,000,000円 ≒ 91,133円
となります。
同じ条件なら、税引前では「単利90,000円 < 1年複利90,903円 < 半年複利約91,133円」となります。
| 条件 | 税引前利息 |
|---|---|
| 単利 | 90,000円 |
| 1年複利 | 90,903円 |
| 半年複利 | 約91,133円 |
年1%・3年程度では差は小さく見えますが、金利が高いほど、預入期間が長いほど、複利効果は大きくなります。
2026年現在も、長期の定期預金で半年複利型を選べる銀行があります。
たとえば、みずほ銀行の「みずほスーパー定期」では、預入期間3年以上で半年複利型を選択できます。
三井住友銀行のスーパー定期にも、個人向けの複利型があります。
「3年以上なら必ず複利」という全国共通ルールではなく、単利型・複利型の取扱いは金融機関や商品によって異なります。
1年定期など単利型の商品でも、満期時に税引後利息を元本へ加えて新しい定期預金へ継続する「元利自動継続」を選べる場合があります。
この場合、次回の定期預金では「元本+税引後利息」が新しい元本になるため、複利に近い効果が得られます。
ただし、商品そのものが複利型である場合とは、税金が差し引かれるタイミングや継続後の金利が異なる場合があります。
複利型では、商品規定に基づいて一定期間ごとに利息を計算し、満期まで複利計算を続けます。
一方、元利自動継続では、一度満期を迎えた時点で利息が支払われ、税金を差し引いた後の元利金で新しい定期預金を作ります。
さらに、自動継続後の金利は通常、継続日時点の金融機関所定金利になります。
そのため「1年定期を元利自動継続すれば、3年複利定期とまったく同じ結果になる」とは限りません。
個人が国内の金融機関から受け取る預貯金利息には、原則として20.315%の税金が源泉徴収されます。
内訳は、所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%です。
したがって、定期預金の金利比較では「税引前」と「税引後」を分けて考える必要があります。
詳しくは定期預金の利息にかかる税金をご覧ください。
利息へ20.315%が課税される場合、概算では次の式で税引後利息を求められます。
税引後利息 ≒ 税引前利息 ×(1−0.20315)
たとえば税引前利息が90,000円なら、単純計算では税引後は約71,717円です。
ただし、実際の預金では利息計算・源泉徴収の時期・端数処理が商品ごとに異なるため、金融機関のシミュレーション結果と数円程度ずれる場合があります。
300万円・年1%・3年を、税引前利息に20.315%を単純に掛けて概算すると次のようになります。
| 計算方法 | 税引前利息 | 税引後利息(概算) |
|---|---|---|
| 単利 | 90,000円 | 約71,717円 |
| 1年複利 | 90,903円 | 約72,436円 |
| 半年複利 | 約91,133円 | 約72,619円 |
※上表は仕組みを理解するための概算です。実際の税引後利息は、商品ごとの利息支払時期・税計算・端数処理等によって異なります。
1か月・3か月・6か月など1年未満の定期預金では、「年利×預入月数÷12」と単純化して概算できますが、実際の商品では日数を使って利息を計算するのが一般的です。
代表的には、
利息 = 元本 × 年利率 × 預入日数 ÷ 365
という考え方です。
うるう年や銀行の商品規定によって計算方法が異なる場合があるため、正確な金額は商品概要説明書で確認してください。
定期預金の金利は通常「年率」で表示されます。
たとえば3か月定期が年1%だからといって、3か月で1%の利息が付くわけではありません。
単純化すると、3か月は1年の約4分の1なので、実際の税引前利息は元本に対して約0.25%相当になります。
短期定期では「表示金利」と「実際に受け取る利息」を混同しないことが重要です。
低金利・短期間では、単利と複利の差は小さくなります。
一方、金利が高く、預入期間が長くなるほど、利息がさらに利息を生む複利効果が大きくなります。
ただし、定期預金の場合は、長期定期ほど必ず高金利とは限りません。複利方式だけでなく、実際の適用金利も比較してください。
複利は同じ金利・同じ期間なら単利より有利ですが、実際の商品比較では金利条件が異なります。
たとえば、単利型が年1.2%、複利型が年0.8%なら、複利型が必ず有利とは言えません。
「単利か複利か」より先に、適用金利・預入期間・中途解約条件を比較することが重要です。
元利自動継続を選んでいても、次回の金利は最初の金利と同じとは限りません。
通常は、継続日の所定金利が適用されます。
キャンペーン定期では、特別金利が初回満期までで、継続後は通常金利へ戻ることもあります。
詳しくは定期預金の満期をご覧ください。
実際の定期預金では、預入日数、利息支払時期、税金、端数処理などがあるため、自分で計算した金額と実際の受取額がわずかに異なることがあります。
正確な受取額を知りたい場合は、利用する金融機関の公式シミュレーションや商品概要説明書を確認してください。
特に長期定期や半年複利型では、金融機関の商品規定に沿った計算結果を確認するのが確実です。
1. 適用金利はいくらか
2. 単利型・複利型のどちらか
3. 複利なら何か月ごとに組み入れるか
4. 利息はいつ支払われ、いつ課税されるか
5. 満期時に自動継続するか
6. 継続後の金利はどうなるか
元本・金利・預入期間が同じなら、一般に複利の方が利息は多くなります。ただし、実際の商品では適用金利が異なるため、単利・複利だけで判断しないことが重要です。
半年ごとに利息を計算し、その利息を元本へ組み入れて次の半年の利息計算を行う方式です。同じ年利なら、1年複利より複利効果が大きくなります。
複利に近い効果は得られますが、商品そのものの複利型とは同じではありません。満期ごとに利息へ課税され、継続後は新しい金利が適用される場合があります。
税引前の単純計算では、単利が90,000円、1年複利が90,903円、半年複利が約91,133円です。
個人の国内預貯金利息には原則20.315%の税金が源泉徴収されます。実際の税額は利息支払時期や端数処理などによって異なるため、金融機関の計算結果を確認してください。
※本ページの計算例は単利・複利の仕組みを理解するための概算です。実際の利息は、預入日数、付利単位、端数処理、中間利払、源泉徴収の時期、中途解約などにより異なります。実際の預入時には各金融機関の商品概要説明書・預金規定をご確認ください。
