定期預金の資金は別の銀行へ移せます。ただし、定期預金という契約そのものを他行へ移管することはできません。
現在の銀行で定期預金を満期解約または中途解約し、いったん普通預金へ受け取った後、新しい銀行へ振り込み、移動先で新たな定期預金を作ります。
基本的な流れは次のとおりです。
満期前に移すと中途解約利率が適用され、予定していた利息より少なくなるのが一般的です。急ぐ事情がなければ、まず満期まで待った場合と中途解約した場合の損得を比べましょう。
※この記事は2026年8月15日時点の一般的な銀行実務をもとに作成しています。解約方法、振込限度額、手数料、キャンペーン条件は金融機関や商品によって異なります。
定期預金は、預入期間、金利、満期日などを現在の銀行との間で定めた預金契約です。
株式や投資信託のように、契約を維持したまま別の金融機関へ移管する一般的な仕組みはありません。
そのため「定期預金を別の銀行へ移す」とは、実際には次の2つの手続きを続けて行うことです。
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 満期を待って移す | 約定どおりの利息を受け取りやすい | 満期まで資金を動かせない |
| 中途解約して移す | すぐに高金利商品へ移せる | 中途解約利率になり、利息が減ることがある |
満期までの残り期間が短いほど、満期を待つほうが有利になりやすいです。
一方、現在の定期預金の金利が非常に低く、移動先の金利が大幅に高い場合は、中途解約しても移し替えたほうが有利になる可能性があります。
最初に、新しく定期預金を作る銀行の普通預金口座を用意します。
ネット銀行やアプリ対応銀行でも、申込後すぐに高額振込を受け取れるとは限りません。本人確認、初期設定、ワンタイムパスワード登録、振込限度額の設定などに時間がかかる場合があります。
定期預金の満期日やキャンペーン終了日が近いときは、余裕を持って口座開設しておきましょう。
定期預金には、一般に次の満期取扱方法があります。
他行へ移す予定なら、自動解約への変更または満期解約予約が必要か確認してください。
銀行によっては、満期日の直前になると取扱方法を変更できないことがあります。
解約方法は金融機関や商品により異なりますが、主に次の方法があります。
窓口では、定期預金通帳または証書、届出印、キャッシュカード、本人確認書類などを求められることがあります。
また、ネットやATMでは解約できる金額に上限が設定されている場合があります。高額の定期預金は、窓口手続きになる可能性を考えておきましょう。
定期預金を解約すると、元金と利息は、通常は同じ銀行の指定普通預金口座へ入金されます。
満期日に自動解約される商品でも、入金時刻は銀行の処理によって異なります。キャンペーン最終日に資金を移す計画は避けたほうが安全です。
普通預金へ入金された資金を、新しい銀行の本人名義口座へ振り込みます。
振込前に次の項目を確認します。
高額振込では、振込限度額だけでなく、銀行側が設定するセキュリティ上限にも注意が必要です。
限度額を超える場合は、事前に上限を変更する、複数日に分ける、または窓口で振り込む方法があります。
資金が新しい銀行の普通預金へ着金したら、定期預金を申し込みます。
キャンペーン金利を利用するときは、次の条件を必ず確認しましょう。
普通預金へ入金しただけではキャンペーン定期預金にならない商品もあります。必ず定期預金の作成まで完了させてください。
中途解約の損得は、次の式で概算できます。
移し替え後の追加利息 > 中途解約で失う利息+振込手数料
比較する項目は次のとおりです。
仮に、現在の定期預金が年0.20%、移動先が年1.00%で、満期まで残り6カ月とします。
| 項目 | 税引前の概算 |
|---|---|
| 現在の定期を残り6カ月続ける利息 | 約5,000円 |
| 移動先で6カ月運用する利息 | 約25,000円 |
| 金利差による追加利息 | 約20,000円 |
この例では、中途解約によって失う利息と振込手数料の合計が約20,000円未満なら、移し替えが有利になる可能性があります。
実際には中途解約利率、税金、預入日数、端数処理が商品ごとに異なるため、正確な金額は現在の銀行へ確認してください。
一般的な円定期預金では、解約手数料そのものが設定されていないことが多い一方、中途解約では適用金利が下がります。
さらに、資金を他行へ移す際には、他行宛振込手数料がかかる場合があります。
手数料を抑える方法には次のものがあります。
ただし、無料回数を使うために大きな金額を何日も普通預金に置いたままにすると、その間は定期預金金利が付きません。手数料だけでなく機会損失も考えましょう。
多くの銀行では、モアタイムシステムへの接続時間中であれば、平日夜間や休日でも振込先へ即時入金される場合があります。
ただし、すべての金融機関・時間帯・取引が即時入金になるわけではありません。
キャンペーン期限ぎりぎりではなく、数営業日の余裕を持って資金を移動してください。
インターネットバンキングには、1日当たりの振込限度額が設定されています。
限度額は銀行や本人確認方法によって異なり、初期設定が低額になっている場合があります。限度額変更にワンタイムパスワード、本人確認書類、窓口手続きなどが必要になることもあります。
満期日当日に気づいても間に合わない可能性があるため、少なくとも数日前までに確認しましょう。
初めて使う振込先へ数百万円以上を送るときは、先に少額を振り込み、口座番号と名義が正しいことを確認してから残額を送る方法があります。
ただし、振込回数が増えると手数料も増えるため、無料回数の有無を確認してください。
高額振込や普段と異なる取引では、不正送金や詐欺被害防止のため、銀行から振込目的や資金の内容を確認されることがあります。
自分名義口座への定期預金の預け替えであることを説明できるよう、満期案内や新しい銀行の商品案内を手元に用意しておくとスムーズです。
窓口で現金を引き出し、新しい銀行へ持参する方法は、盗難・紛失の危険があります。
高額資金の移動は、原則として本人名義口座間の振込を利用しましょう。
定期預金や利息の付く普通預金などの一般預金等は、同じ金融機関にある対象預金を合算し、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
同じ金融機関に複数の支店口座や定期預金がある場合は、口座ごとではなく同一名義の預金が合算されます。
1,000万円を超える部分は預金保険制度による保護の対象外となり、破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われます。
したがって、1つの銀行へ1,000万円を大きく超える資金を移す場合は、金利だけでなく預金保険制度の保護範囲も考える必要があります。
なお、無利息・要求払い・決済サービスを提供できるという3要件を満たす決済用預金は全額保護されますが、一般的な定期預金とは別の商品です。
高金利キャンペーンでは「新規資金」が条件になることがあります。
ただし、新規資金の定義は銀行ごとに異なります。
「別の銀行から持ってきた資金だから必ず新規資金になる」とは限りません。申込前に商品説明書やキャンペーン条件を確認してください。
引っ越し後も同じ銀行を使う場合、定期預金を別支店へ移さなくても、他の支店やインターネットバンキングで手続きできることがあります。
ただし、次のような場合は取引店への照会や書類の取り寄せが必要になることがあります。
支店変更と定期預金の解約・資金移動は別の手続きです。単に引っ越しただけなら、まず住所変更だけで利用を継続できるか確認しましょう。
定額自動送金は、毎月決まった金額を指定口座へ振り込むサービスです。
定期的な貯蓄資金の移動には利用できますが、定期預金の契約そのものを他行へ移管するサービスではありません。
満期金を一度に移す場合は、通常の振込や窓口振込のほうが適しています。
同じ銀行で、預入期間や満期日の異なる定期預金を複数作ることは一般に可能です。
たとえば300万円を1本の3年定期に預けず、次のように分けられます。
満期を分散すると、資金が必要になったときに全額を中途解約せずに済みます。
これは「定期預金のはしご」と呼ばれる管理方法で、金利変動への対応や流動性の確保にも役立ちます。
Q.定期預金をそのまま他の銀行へ移管できますか?
A.通常はできません。現在の銀行で定期預金を解約し、新しい銀行へ資金を振り込んで、新たな定期預金を作ります。
Q.満期前でも別の銀行へ移せますか?
A.移せますが、現在の定期預金は中途解約となり、中途解約利率が適用されるのが一般的です。
Q.満期日に自動的に他行へ振り込めますか?
A.一般的な定期預金では、満期金を他行へ自動移管する仕組みではありません。満期金を普通預金へ受け取った後、自分で振り込む方法が基本です。
Q.振込限度額を超える場合はどうしますか?
A.事前に限度額を変更する、複数日に分ける、または銀行窓口で振り込みます。具体的な上限と変更方法は銀行ごとに確認してください。
Q.現金で新しい銀行へ持っていってもよいですか?
A.可能な場合はありますが、高額の現金を持ち歩くのは危険です。本人名義口座間の振込をおすすめします。
Q.別の銀行へ移すと税金がかかりますか?
A.自分名義の口座間で元金を移動するだけなら、その移動自体に所得税はかかりません。ただし、定期預金の利息には原則として税金がかかります。
Q.家族名義の口座へ移してもよいですか?
A.本人の資金を家族名義口座へ移すと、贈与と判断される可能性があります。単なる預け替えなら、原則として本人名義口座間で移動するのが安全です。
Q.同じ銀行の別支店で定期預金を解約できますか?
A.対応できる銀行は多いものの、商品、金額、通帳・証書の種類によって取引店への照会が必要になる場合があります。来店前に確認してください。
Q.定期預金を複数の銀行へ分ける意味はありますか?
A.預金保険制度の保護範囲を意識した分散、満期の分散、銀行ごとの金利や利便性の使い分けという意味があります。
定期預金の資金は別の銀行へ移せますが、定期預金の契約をそのまま他行へ移管することはできません。
現在の定期預金を満期解約または中途解約し、普通預金を経由して新しい銀行へ振り込み、移動先で定期預金を作り直します。
満期前に移す場合は、金利差だけでなく、中途解約で失う利息、振込手数料、資金移動中の機会損失を比較してください。
また、高額資金を動かすときは、振込限度額、本人確認、着金日時、預金保険制度の保護範囲を事前に確認することが大切です。