定期預金の満期時の取扱いには、大きく「満期自動解約」と「自動継続」があります。
そして自動継続には、満期時の利息を次の元本へ組み入れる「元利継続」と、元金だけを継続して利息は普通預金などで受け取る「元金継続」があります。
違いは「満期時の税引後利息を、次の定期預金の元本へ加えるかどうか」です。
| 方式 | 元金 | 満期時の利息 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 元利継続 | 元金+税引後利息で継続 | 次の元本へ組み入れる | 利息も再運用したい人 |
| 元金継続 | 当初の元金だけ継続 | 普通預金などで受け取る | 利息を使いたい人 |
| 満期自動解約 | 普通預金などへ入金 | 元金と一緒に受け取る | 満期ごとに預け先を見直したい人 |
元利継続とは、定期預金が満期を迎えたときに、元金へ満期時の税引後利息を加え、その合計額を新しい元金として次の定期預金へ自動継続する方法です。
たとえば100万円の定期預金で税引後利息が8,000円だった場合、次の定期預金は100万8,000円を元金として始まります。
利息を使わずに再投資するため、継続を重ねると複利に近い効果を得られます。
個人の国内預貯金利息には、原則として20.315%の税金が源泉徴収されます。
そのため、元利継続で次の元本へ組み入れられるのは、税引前利息そのままではなく、税金を差し引いた後の利息です。
たとえば税引前利息が10,000円なら、税引後の受取利息は概算で約7,969円となり、その金額が元金へ加えられます。
元金継続とは、満期時に当初の元金だけを次の定期預金へ自動継続し、満期時の税引後利息は普通預金口座などへ入金する方法です。
たとえば100万円の定期預金なら、次回も100万円を元金として継続します。
満期時に税引後利息が8,000円あれば、その8,000円は普通預金などへ入金されます。
「元金はそのまま維持し、利息だけを定期的に受け取りたい」という人に向く方式です。
元金継続は、あくまで「満期後の継続方法」です。
定期預金そのものが単利型か複利型かは、商品設計によって決まります。
「単利・複利」と「元金継続・元利継続」は別の概念として考える必要があります。
詳しくは定期預金の単利と複利の計算方法をご覧ください。
同じ金利で何度も継続できるなら、元利継続は利息を再運用する分、元金継続より残高が増えやすくなります。
しかし、元利継続だから必ず最も有利とは限りません。
理由は、自動継続後の金利が最初の金利と同じとは限らないためです。
継続時の銀行金利が下がっていれば、利息を元本へ加えても、その後の運用利回りは低くなります。
自動継続型の定期預金では、通常、満期日に新しい定期預金として継続されます。
継続後の金利は、多くの商品で「継続日時点の金融機関所定金利」です。
三菱UFJ銀行の自動継続定期預金でも、継続後の利率は継続日における同行所定の利率とされています。
最初に年1.0%で預けても、次回も年1.0%で継続されるとは限りません。
定期預金のキャンペーンでは、特別金利が「初回満期まで」に限定されることがよくあります。
その場合、元利継続を選んでいても、満期後はその時点の通常金利で継続されます。
たとえば最初が年1.3%のキャンペーン定期でも、自動継続後は年0.5%など、その時点の通常金利へ変更される可能性があります。
元利継続を選んだからといって、キャンペーン金利まで自動的に引き継がれるわけではありません。
元利継続は、次のような人に向いています。
・満期時の利息を当面使う予定がない
・定期預金の元本を少しずつ増やしたい
・満期ごとの利息受取手続きをしたくない
・預金を長期間維持したい
ただし、満期時に他行の金利が高くなっている可能性もあるため、定期的な見直しは必要です。
元金継続は、次のような人に向いています。
・元本はそのまま定期預金で維持したい
・利息を生活費やお小遣いとして使いたい
・利息を別の商品へ投資したい
・定期的に利息を普通預金で確認したい
元本を一定額に保ちたい人にとっては、分かりやすい管理方法です。
金融機関によって、同じような仕組みでも呼び方が異なります。
三井住友銀行では、満期時の取扱いとして「元利継続」と「利払継続」という表記を使っています。
「利払継続」は、利息を普通預金へ入金し、当初の元金で継続する方式です。一般的な「元金継続」とほぼ同じ考え方です。
銀行によっては「元利金継続」「元加式」「元金成長型」など、別の名称を使うことがあります。
名称だけでは、商品の計算方法や継続方法を完全には判断できません。
「利息を次回元本へ加えるのか」「継続後の金利は何になるのか」「商品自体が単利か複利か」を商品概要説明書で確認してください。
金融機関によっては、預入後でも満期前に「元利継続から元金継続へ」「自動継続から満期解約へ」など、満期時取扱いを変更できます。
窓口だけでなく、アプリ・インターネットバンキング・ATMから変更できる銀行もあります。
ただし、変更受付期限は金融機関によって異なります。
三菱UFJ銀行の自動継続定期預金では、継続を停止する場合は満期日までに申し出る仕組みです。
自動継続は便利ですが、何年も何も確認せず継続するのはおすすめできません。
満期が近づいたら、次の点を確認しましょう。
・現在の定期預金金利
・継続後の金利
・他行の定期預金金利
・満期後に資金を使う予定
・元利継続と元金継続のどちらが自分に合うか
金利上昇局面では、満期自動解約に変更して、より高い金利の銀行へ預け替える方法もあります。
100万円を年1%で1年間預け、税引前利息を単純に10,000円とします。
税引後利息を概算7,969円とすると、満期後は次のようになります。
| 方式 | 次回の定期預金元本 | 普通預金へ入る利息 |
|---|---|---|
| 元利継続 | 約1,007,969円 | 0円 |
| 元金継続 | 1,000,000円 | 約7,969円 |
元利継続では次回元本が増え、元金継続では利息を自由に使えるという違いが分かります。
迷った場合は、満期時の利息を使う予定があるかどうかで考えると分かりやすくなります。
利息も貯め続けたいなら元利継続、利息を受け取りたいなら元金継続が基本です。
ただし、金利が大きく変動している時期は、自動継続そのものをやめて満期ごとに預け先を見直す選択肢もあります。
元利継続は満期時の税引後利息を元金へ加えて継続します。元金継続は元金だけを継続し、利息は普通預金などへ入金します。
同じ金利なら残高は増えやすくなりますが、継続後の金利が下がる場合や、他行により高い金利の商品がある場合もあるため、必ず最も有利とは限りません。
元金継続は満期後の継続方法です。定期預金そのものが単利型か複利型かは商品によって異なるため、同じ意味ではありません。
多くのキャンペーンでは特別金利は初回満期までです。自動継続後は継続日時点の通常金利などが適用される場合があります。
変更できる金融機関があります。受付方法や期限は銀行によって異なるため、満期前に公式サイトや預金規定を確認してください。
※満期時取扱いの名称、変更方法・期限、継続後の金利、利息の入金先などは金融機関・商品によって異なります。実際に利用する際は各金融機関の商品概要説明書・預金規定・公式サイトをご確認ください。
