単利型の定期預金において、一定の応当日ごとに利息の一部が支払われる仕組みを中間利払いと言います。
具体的には、単利型で預け入れ期間が2年以上の定期預金は、発生する利息の一部が応当日と呼ばれる利息支払い日に、指定した口座へ入金されます。そして残りの利息は満期時に支払われます。
2年以上の預け入れ期間の定期預金で貯蓄すると、例えば6ヶ月毎や1年毎に利息の一部が支払われることがあります。
これを中間利払いと言います。中間利払いは、利息の計算方法や支払時期などの利息支払方法が金融機関によって異なります。
ですので突然、支払われた利息に戸惑う人も多いようです。
定期預金には「単利型の定期預金」と「複利型の定期預金」があります。
複利型の定期預金の場合は、利息は定期預金の元金に組み込まれて再び運用されつづけて、最終的に満期に一括して支払われるのが一般的です。
それに対して単利型の定期預金の場合には、利息は定期預金の元金に組み込まれることはありません。
例えば、預け入れ期間が1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年などの2年未満の定期預金なら、それぞれの預け入れ期間に応じた利息は、満期時にあらかじめ指定した口座に全額が入金されます。
そして預け入れ期間が2年以上の定期預金では、発生する利息の一部は応当日と呼ばれる利息支払い日に指定した口座に入金され、残りの利息は満期時に支払われる仕組みになっていることが多いです。
このように単利型の定期預金が運用されていく中で、一定の応当日ごとに利息の一部が支払われる仕組みを中間利払いといいます。
応当日とは、毎年や毎月の同じ日を指します。
例えば定期預金に預け入れた日が4月1日の場合を考えると、年応当日は来年の4月1日、再来年の4月1日…です。
そして月応当日なら、来月の1日、再来月の1日…です。
中間利払いは分かりづらいです。
それは、通常の利息計算方法で計算される利息額と、実際に中間利息として中間利払い日に支払われる利息額とが異なることがあるからです。
従来型の一般的な銀行などの多くの金融機関では、中間利払い利率を用いて中間利息を計算しています。
中間利払い利率は約定利率の70%程度に設定されていることが多いので、中間利払い利率で計算される中間利息は本来の支払利息よりも少ない金額です。
つまり定期的に支払われる中間利息は本来の利息の一部で、中間利息と本来の支払利息との差額は満期日に支払われることになります。
このように2年以上の預け入れ期間の単利型の定期預金は、金融機関にもよりますが、応当日には利息の一部のみが支払われます。
ところが2年満期の単利の定期預金に限り、中間利息を指定口座に入金せずに定期預金として運用できる場合があります。
たとえば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行などは、2年満期の定期預金の中間利息を1年満期の定期預金にすることができます。
中間利息を定期預金にすること、つまり子定期にすることで、中間利息にも利息がつきます。
すると、予め指定した口座へ中間利息を入金してもらう場合と比べて、子定期の利息差の分、満期時に受け取る利息の合計額は多くなります。
メガバンクなどの一般的な銀行では、3年以上の預け入れ期間の定期預金には複利型の商品があって、利息は満期時に一括して支払われます。
そして2年以上の預け入れ期間の単利型の定期預金商品の場合には、中間利払い利率によって計算された利息が中間利払い日に支払われます。
しかし、インターネット銀行などでは必ずしも複利型の定期預金と単利型の定期預金の両方を提供しているとは限りません。
インターネット銀行では、複利型の定期預金だけ、または単利型の定期預金だけを取り扱うケースもありますし、複利型の定期預金と単利型の定期預金の両方を取り扱うケースもあります。
そして利息は必ずしも中間利払いという形で支払われるわけではありません。
満期時に利息のすべてを支払う方法を採用している場合もありますし、預け入れるときに、中間利払いによって利息を受け取るか、満期時に利息を受け取るかを選択できる場合もあります。
このように中間利息の扱いはインターネット銀行によって様々なので、事前に商品の内容をよく確認する必要があります。
ところで、中間利払いがある定期預金を中途解約する時には、支払利息額はどのように計算されるのでしょうか?
預け入れ期間が長い単利型の定期預金だと、既に中間利息がいくらか支払われてしまっている場合もあるでしょう。
定期預金の中途解約に際して多くの金融機関では中途解約利率を定めており、満期日が来る前に定期預金を解約すると本来の約定利率は適用されず、中途解約日に応じた中途解約利率を適用して利息計算を行います。
受け取った中間利息の合計が中途解約利息より多い場合には、中間利息から中途解約利息を差し引いた差額を定期預金の元本から差し引いて精算します。
なお中間利払いによる支払利息はもちろん課税対象です。
その内訳は、個人の場合なら所得税15%、地方税5%、そして2013年1月から25年間は復興特別所得税0.315%も上乗せされるので、合計20.315%が源泉分離課税されています。
ここまで見てきたように、単利型の定期預金の中間利払いの方法は、複利型の定期預金商品とは違って金融機関によって大きく異なります。
もし、2年以上の単利型の定期預金の契約をするのなら、利息の総額がおよそいくらになるのかはもちろんのこと、中間利息の利払頻度(りばらいひんど)はどの程度なのか、また2年満期の定期預金の利息の取り扱いなどを商品概要説明書で確認したいです。
中間利払いは分かりにくい仕組なので、不明な点は取引店に問い合わせをすることです。
そして、定期預金を総合口座に組み入れて総合口座通帳1冊にすれば、普通預金とともに手軽に管理や記帳ができます。
定期的に通帳記帳をして中間利息を把握しておけば、中間利払いについてより理解を深められます。