定期預金の金利の推移

定期預金の金利の推移

日本の定期預金金利は、戦後から現在まで一直線に動いてきたわけではありません。

高度経済成長期には上昇し、バブル期にも高い水準となりました。その後はバブル崩壊、ゼロ金利政策、量的緩和、マイナス金利政策を経て、長期間にわたり極めて低い金利が続きました。

しかし2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を終了してから流れが変わり、2025年・2026年の追加利上げとともに、定期預金金利は明確に上昇へ転じています。

※2026年8月15日に日本銀行の最新公表データを再確認しています。現時点で確認できる預金種類別店頭表示金利の最新月次データは2026年7月分です。

定期預金金利の大きな流れ

時代 金利環境 主な背景
1950〜1970年代 高金利へ上昇 高度経済成長、資金需要、インフレ
1980年代後半〜1990年代初頭 再び高水準 バブル景気と金融引締め
1990年代後半〜2023年 低金利が長期化 バブル崩壊、デフレ、ゼロ金利、量的緩和、マイナス金利
2024年〜 上昇局面へ マイナス金利解除、政策金利引上げ

2024年以降、定期預金金利は反転上昇

2024年以降に上昇する定期預金金利

日本銀行の「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」によると、1,000万円以上・1年もの定期預金の平均店頭金利は次のように推移しています。

時点 1,000万円以上・1年もの定期預金平均金利
2022年4月 0.004%
2024年3月 0.005%
2024年9月 0.116%
2025年3月 0.212%
2026年3月 0.365%
2026年7月 0.384%

2024年3月の0.005%から2026年7月の0.384%まで、約2年4か月で大幅に上昇しています。

これはあくまで対象金融機関の平均店頭表示金利です。キャンペーン定期やネット銀行では、平均を大きく上回る金利が設定されることがあります。

普通預金金利も同時に上昇

日本銀行統計では、普通預金の平均店頭金利も、2024年3月の0.002%から2026年7月には0.255%まで上昇しています。

定期預金だけが単独で上がっているのではなく、政策金利の上昇を背景に、普通預金を含む預金金利全体が切り上がっています。

2024年3月、マイナス金利政策が終了

2024年のマイナス金利政策終了

大きな転換点となったのが、2024年3月19日の日本銀行金融政策決定会合です。

日本銀行は、それまで続けてきたマイナス金利政策と長短金利操作(YCC)が役割を果たしたと判断し、短期金利を主な政策手段とする金融政策へ移行しました。

政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0〜0.1%程度で推移させる方針となりました。

この政策転換をきっかけに、各銀行の普通預金・定期預金金利も引き上げられ始めました。

2025年1月、政策金利は0.5%へ

日本銀行は2025年1月24日、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.25%程度から0.5%程度へ引き上げました。

この時期以降、銀行の預金金利にも追加の引上げが広がり、2025年3月には1年もの定期預金の平均金利が0.212%まで上昇しています。

2025年12月には0.75%へ

その後、日本銀行は2025年12月の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%程度へ引き上げました。

預金金利も2026年に入ってさらに上昇し、2026年2月には1年もの定期預金の平均金利が0.336%、3月には0.365%となりました。

2026年6月、政策金利は1.0%へ

2026年の政策金利1.0%

2026年6月17日以降、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させる方針を採用しています。

補完当座預金制度の適用利率も1.0%、基準貸付利率は1.25%となっています。

2026年7月時点の1年定期平均金利は0.384%で、2024年以前とは金利環境が大きく変わっています。

なぜ政策金利が上がると定期預金金利も上がる?

銀行は預金者から集めたお金を、貸出や有価証券運用などへ利用します。

政策金利や市場金利が上昇すると、銀行の貸出金利や運用利回りも上がりやすくなります。

一方、銀行間で預金を獲得する競争も強くなるため、銀行は定期預金金利を引き上げて資金を集めようとします。

詳しくは定期預金の金利の決まり方をご覧ください。

高度経済成長期は高金利だった

高度経済成長期の預金金利

1950年代半ばから1970年代初めにかけて、日本は高度経済成長を経験しました。

企業は工場建設・設備投資・事業拡大のために多額の資金を必要とし、金融機関の貸出需要も高まりました。

資金需要が強く、物価上昇率も高かったため、市場金利・貸出金利・預金金利はいずれも現在よりかなり高い水準にありました。

1970年代はインフレと高金利の時代

1970年代には第一次石油危機などを背景に物価が大きく上昇し、日本銀行は金融引締めを進めました。

1974年には公定歩合が9.0%まで引き上げられています。

この時代の預金金利は現代から見ると非常に高い水準でしたが、同時に物価上昇率も高かったため、名目金利だけで「非常に得だった」と判断することはできません。

名目金利と実質金利は違う

預金金利が年5%でも、物価が年7%上昇していれば、預金の実質的な購買力は低下します。

逆に、預金金利が年1%でも物価がほとんど上がらなければ、実質的な価値は保ちやすくなります。

過去の高金利を比較するときは、金利だけでなく当時のインフレ率も見る必要があります。

1985年のプラザ合意と低金利政策

プラザ合意と低金利政策

1985年のプラザ合意後、急速な円高が進み、日本経済は円高不況への対応を迫られました。

日本銀行は公定歩合を段階的に引き下げ、1987年には2.5%まで低下しました。

低金利によって資金調達がしやすくなり、株式・土地市場への資金流入も拡大し、バブル景気へつながっていきました。

バブル末期には預金金利も高水準へ

バブル期の定期預金金利

資産価格の上昇が加速すると、日本銀行は金融引締めへ転換しました。

公定歩合は1989年の2.5%から1990年には6.0%まで引き上げられ、預金金利も上昇しました。

当時の定期預金金利6%台という水準は、現在から見ると非常に高いものです。

ただし、その直後にバブルが崩壊し、金利環境は大きく反転しました。

バブル崩壊後は急速に低下

バブル崩壊後の定期預金金利

1990年代にバブル経済が崩壊すると、日本銀行は景気を支えるために金利を段階的に引き下げました。

1995年には公定歩合が0.5%まで低下し、定期預金金利も1%前後まで低下しました。

その後、日本経済は長期的なデフレと低成長に入り、預金金利も低水準が続きました。

1999年、ゼロ金利政策へ

日本銀行は1999年にゼロ金利政策を導入しました。

その後も量的緩和政策、包括的金融緩和、量的・質的金融緩和など、長期間にわたり大規模な金融緩和が続きました。

銀行が低コストで資金を調達できる環境では、預金者から高い金利を払って資金を集める必要性も小さくなり、定期預金金利は極端に低くなりました。

2016年からマイナス金利政策

マイナス金利政策と定期預金金利

2016年には、日本銀行がマイナス金利政策を導入しました。

銀行預金金利はさらに低い水準となり、普通預金が年0.001%、定期預金も年0.002%など、ほとんど利息が付かない時期が長く続きました。

2022年から2026年の平均金利推移

年月 1年定期(1,000万円以上) 普通預金
2022年4月 0.004% 0.002%
2023年4月 0.004% 0.001%
2024年4月 0.026% 0.019%
2025年4月 0.253% 0.182%
2026年4月 0.378% 0.254%
2026年7月 0.384% 0.255%

2024年3月のマイナス金利解除前後を境に、預金金利が明確に上向いたことが分かります。

平均金利と「最高金利」は別

日本銀行の平均金利は、金融機関が店頭で表示する金利を集計した平均値です。

ネット銀行や地方銀行のキャンペーンでは、平均金利を大きく上回る定期預金が出ることがあります。

そのため、金利の歴史を見るには平均金利、実際の預け先を選ぶには個別銀行の最新金利を見るという使い分けが重要です。

2026年は「金利が戻った」が「バブル期とは別世界」

2026年の定期預金金利は、2010年代・2020年代前半に比べれば大幅に改善しました。

一方、1990年前後のような5〜6%台の預金金利と比べれば、まだかなり低い水準です。

したがって、現在は「超低金利から正常化へ向かう途中」と見る方が実態に近いでしょう。

金利上昇局面で長期定期へ全額固定するリスク

金利が上がっている途中で、資金のすべてを5年定期などへ固定すると、その後さらに高い金利の商品が出ても乗り換えにくくなります。

このような局面では、6か月・1年など短めの定期を利用したり、満期時期を分散したりする方法があります。

詳しくは定期預金の分散をご覧ください。

逆に金利低下局面では長期固定が有利な場合もある

将来の利下げが始まれば、現在の高い金利を長期定期で固定するメリットが出る場合があります。

金利の推移を見る目的は、「過去の高金利を懐かしむこと」ではなく、今が上昇局面なのか低下局面なのかを考える材料にすることです。

定期預金金利を見るときは政策金利も確認

2024年以降の動きが示すように、日本銀行の政策金利は預金金利へ大きな影響を与えます。

ただし、政策金利が0.25%上がったから定期預金も必ず0.25%上がる、という単純な関係ではありません。

各銀行の資金需要、競争状況、キャンペーン戦略によって、金利の変更時期と上げ幅は異なります。

過去の金利データは日本銀行で確認できる

日本銀行で定期預金金利の推移を確認

日本銀行では、「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」や「定期預金の預入期間別平均金利」などの時系列データを公開しています。

2022年4月以降の最新データも時系列統計データ検索サイトから確認できます。

過去の金利データを確認する場合は、日本銀行の時系列統計データ検索を利用するのが確実です。

金利推移から現在をどう見る?

日本の定期預金金利は、1990年代以降長期間低下し、その後ほぼゼロに近い状態が続きました。

しかし2024年以降は明確に方向が変わり、2026年現在は預金金利が上昇する局面にあります。

「定期預金はほとんど利息が付かない」という2010年代までの常識は、2026年にはそのまま当てはまらなくなっています。

今後も政策金利が変化すれば、定期預金金利も動く可能性があります。満期ごとに金利を確認し、預入期間を見直すことが重要です。

よくある質問

定期預金金利は昔の方が高かったですか?

はい。高度経済成長期やバブル期には、現在よりかなり高い預金金利がありました。ただし、当時はインフレ率も高かったため、名目金利だけで単純比較はできません。

定期預金金利は2024年から上がっていますか?

はい。日本銀行の平均店頭金利では、1,000万円以上・1年ものが2024年3月0.005%から2026年7月0.384%まで上昇しています。

なぜ2024年以降に定期預金金利が上がったのですか?

日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を終了し、その後政策金利を段階的に引き上げたことが大きな要因です。

2026年の政策金利はいくらですか?

2026年8月15日確認時点では、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させる方針です。

今後も定期預金金利は上がりますか?

確実には予測できません。今後の物価、賃金、景気、金融政策によって変わります。金利上昇局面では短期定期や満期分散を利用する方法があります。

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※本ページの2022年以降の平均金利は、日本銀行「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」の時系列データをもとにしています。平均金利は個別金融機関の実際の適用金利とは異なります。政策金利・預金金利は今後変更されるため、実際の預入時には日本銀行および各金融機関の最新情報をご確認ください。

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