定期預金の商品説明では、「金利」「利率」「利息」「利回り」といった似た言葉が使われます。
定期預金では、まず「金利・利率は割合(%)」「利息は実際に受け取る金額(円)」と理解すると分かりやすくなります。
金融機関の預金商品では「金利」という言葉が最も一般的で、通常は1年間に元本に対して何%の利息が付くかを示す「年利」で表示されます。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 金利 | 元本に対して付く利息の割合。預金では通常「年利」で表示 | 年0.5% |
| 利率 | 元本に対する利息の割合。預金では金利とほぼ同じ意味で使われる | 年0.5% |
| 利息 | 金利・利率をもとに計算される実際の金額 | 5,000円 |
| 利回り | 運用で得た収益を年率換算して比較する指標 | 年0.6%相当など |
金利とは、お金を貸し借りするときに生じる利息を計算するための割合です。
預金者が銀行へお金を預けると、銀行はその資金を貸出や有価証券運用などに利用します。預金者には、その対価として預金利息が支払われます。
全国銀行協会も、金利を「利息(金額)の計算レート(利率)」として説明しており、通常は%で表示されます。
したがって、「金利3,000円」というより、「金利0.3%で、利息が3,000円」という使い方が定期預金では分かりやすく正確です。
利息は、金利をもとに計算される実際の金額です。
たとえば100万円を年0.5%で1年間預ける単純な例なら、税引前利息は、
1,000,000円 × 0.5% = 5,000円
です。
「0.5%」が金利・利率、「5,000円」が利息です。
利率も、元本に対する利息の割合を示します。
定期預金の商品説明では、「金利」と「利率」は実質的にかなり近い意味で使われます。
たとえば銀行の預金規定では「約定利率」「中途解約利率」「継続日の利率」といった表現が使われる一方、広告や金利一覧では「定期預金金利」という表現が一般的です。
「金利はマクロ経済だけに使い、利率は個別商品だけに使う」と厳密に分ける必要はありません。
日常の金融用語では、次のような使い方が多く見られます。
・定期預金金利
・普通預金金利
・政策金利
・長期金利
・市場金利
・約定利率
・中途解約利率
「金利」は市場や金融商品を広く説明するときに使われ、「利率」は具体的な契約条件や計算規定で使われることが多い、と理解すれば十分です。
定期預金の金利は、通常「年利」で表示されます。
年0.5%なら、「1年間預けた場合に、元本に対して税引前で0.5%相当の利息が付く」という意味です。
3か月ものが年1%だからといって、3か月で元本の1%を受け取れるわけではありません。
1年未満の定期預金では、商品規定に従って預入日数による日割計算が行われるのが一般的です。
たとえば100万円を年1%で92日間預ける場合、単純化すると税引前利息は、
1,000,000円 × 1% × 92日 ÷ 365日 ≒ 2,520円
です。
「年1%」は1年間に換算した割合であり、実際の預入期間に応じて利息額が変わります。
詳しくは定期預金の3ヶ月ものと6ヶ月ものをご覧ください。
定期預金には、固定金利型と変動金利型があります。
固定金利型は、原則として預入時の金利が満期まで適用されます。
変動金利型は、6か月ごとなど商品で定められた時期に適用金利が見直されます。
同じ「金利」という言葉でも、固定金利か変動金利かによって、預入後に変わるかどうかが異なります。
利回りは、投資した元本に対して得られた収益を、1年当たりの割合に換算して比較するための指標です。
単利の商品を1年間だけ持つ場合は、表示金利と利回りが近くなります。
一方、複利運用では利息にも利息が付くため、表示金利と実際の年換算利回りが異なることがあります。
たとえば、年3%の金利を半年複利で運用する商品を、税金を考えず単純化して考えます。
半年ごとの利率は1.5%です。
100万円なら半年後は、
1,000,000円 × 1.015 = 1,015,000円
1年後は、
1,015,000円 × 1.015 = 1,030,225円
となります。
1年間で増えた金額は30,225円なので、年3%の表示金利に対する実効年利は税引前で約3.0225%です。
100万円を年3%、半年複利で3年間運用する単純計算では、半年の利息組入れが6回あります。
1,000,000円 × 1.0156 ≒ 1,093,443円
したがって、3年間の税引前利益は約93,443円です。
複利商品の年率比較では、3年間の利益を単純に3で割るのではなく、実効年利・年率換算収益率を使う方が適切です。
この例の実効年利は、半年1.5%を年2回複利にするため、約3.0225%です。
詳しくは定期預金の単利と複利の計算方法をご覧ください。
3年間の利益93,443円を元本100万円で割ると、3年間の累計収益率は約9.3443%です。
これを単純に3年で割ると年平均約3.1148%になります。
しかし、この数字は複利効果を年率へ正確に換算したものではありません。
複数年の商品を比較するときは、単純平均より「1年当たり同じ割合で複利運用したら何%になるか」という年率換算で見る方が適切です。
銀行の店頭や公式サイトに表示される預金金利は、通常は税引前の年利です。
個人が国内の金融機関から受け取る預貯金利息には、原則20.315%の税金が源泉徴収されます。
内訳は、所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%です。
たとえば税引前利息が5,000円なら、単純計算による税引後利息は約3,984円です。
実際には税額の端数処理などにより数円程度異なる場合があります。
金融機関の広告では、税引前年利とともに「税引後○%」という参考表示が掲載されることがあります。
たとえば税引前年1.00%なら、単純計算では税引後年率は約0.79685%です。
ただし、税引後年率はあくまで税率を反映した参考値であり、実際の受取利息は預入日数・端数処理・単利・複利などによって決まります。
同じ年1%の定期預金でも、次の条件が異なれば受取利息は変わります。
・預入金額
・預入期間
・実際の預入日数
・単利か複利か
・利息支払時期
・税金の計算・端数処理
・中途解約の有無
金利の数字だけでなく、商品条件全体を見ることが重要です。
100万円を1年間預ける場合、年0.1%の金利差は税引前で約1,000円です。
500万円なら約5,000円、1,000万円なら約10,000円の差になります。
預入金額が大きいほど、わずかな金利差でも受取利息の差が大きくなります。
定期預金では、通常金利とは別に期間限定のキャンペーン金利が設定されることがあります。
年1.2%など高い金利が表示されていても、3か月・6か月など短期間だけ適用される商品があります。
また、自動継続後はキャンペーン金利ではなく、満期日時点の通常金利へ切り替わる場合があります。
キャンペーンでは「何%か」だけでなく、「何か月適用されるか」「満期後は何%になるか」を確認してください。
一般的な円定期預金は満期前でも中途解約できる商品が多くあります。
ただし、中途解約すると、預入時の約定金利ではなく、金融機関所定の中途解約利率が適用されるのが一般的です。
したがって、「年1%の定期だから途中で解約しても年1%」とは限りません。
詳しくは定期預金の解約方法をご覧ください。
満期時に自動継続する定期預金では、継続後は通常、継続日時点の所定金利が適用されます。
最初の定期預金が年1%でも、次回の継続時に年0.7%なら、その後は年0.7%で運用される場合があります。
逆に金利上昇局面なら、継続後の金利が高くなることもあります。
日本では長期間にわたり超低金利が続きましたが、2024年のマイナス金利政策終了以降、預金金利は再び動くようになっています。
政策金利、市場金利、銀行間の預金獲得競争などによって、普通預金・定期預金の金利は変化します。
詳しくは定期預金の金利の推移をご覧ください。
1. 税引前年利
2. 預入期間
3. 税引後の受取利息
4. 単利・複利の計算方式
5. 満期後・中途解約時の適用利率
この5項目をそろえて比較すれば、金利の数字だけに惑わされにくくなります。
定期預金では、どちらも元本に対する利息の割合を表し、実質的に近い意味で使われます。「金利」は商品や市場を広く説明するとき、「利率」は契約条件や計算規定で使われることが多くあります。
違います。金利は「年0.5%」などの割合、利息はその金利を使って計算された「5,000円」などの金額です。
いいえ。定期預金の金利は通常年利です。実際の利息は預入日数などに応じて計算されます。
必ずしも同じではありません。複利運用では、利息にも利息が付くため、表示金利と年率換算した実際の運用利回りが異なることがあります。
表示金利は通常税引前です。個人の国内預貯金利息には原則20.315%が源泉徴収され、税引後利息を受け取ります。
※本ページの計算例は金利・利率・利息・利回りの違いを理解するための概算です。実際の利息は、預入日数、付利単位、端数処理、単利・複利、源泉徴収、中途解約などの商品規定によって異なります。実際の預入時には各金融機関の商品概要説明書・預金規定・公式サイトをご確認ください。
