金利の高い定期預金を見つけると、「今の定期預金を解約して預け替えた方が得では?」と考えることがあります。
定期預金の預け替えは、金利の数字だけを比べて決めてはいけません。
現在の定期預金を満期まで持った場合の利息、中途解約した場合の利息、新しい定期預金で得られる利息、資金移動の手数料などを、同じ条件・同じ基準日で比較する必要があります。
| 状況 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 満期まで数日〜数か月 | 中途解約せず満期まで待つ方が有利なことが多い |
| 預けたばかり | 金利差が大きければ預け替えが有利になる可能性がある |
| 中間地点 | 中途解約利息と新定期の税引後利息を具体的に比較する |
| キャンペーン定期 | 適用期間・新規資金条件・上限額・満期後金利も確認 |
「預けたばかりなら必ず乗り換える」「満期が近ければ必ず待つ」という絶対的なルールではありません。最終的には実際の金額で比較します。
2024年以降、日本では預金金利が上昇する局面が続き、銀行ごとの定期預金金利やキャンペーン条件の差も目立つようになりました。
同じ預入期間でも、銀行によって通常金利・キャンペーン金利・新規資金向け金利などが異なります。
そのため、満期を迎えるたびに預け先を見直すことは、以前より重要になっています。
詳しくは定期預金の金利の推移をご覧ください。
現在の定期預金が満期を迎えてから別の銀行へ預け替える場合は、中途解約利率を気にする必要がありません。
満期自動解約型なら、満期日に元金と税引後利息が普通預金へ入金され、その資金を新しい銀行へ移せます。
自動継続型になっている場合は、満期前に「自動解約」などへ変更できる銀行があります。
預け替えを考えているなら、まず現在の定期預金の満期日と満期時取扱いを確認してください。
自動継続型の定期預金は、満期後も最初の金利がそのまま続くとは限りません。
多くの商品では、継続日時点の同期間の所定金利が適用されます。
オリックス銀行のダイレクト預金でも、自動継続後は満期日(自動継続日)時点の利率が適用されます。
キャンペーン金利で預けた場合も、次回は通常金利へ戻ることがあるため、満期時は預け替えを検討する好機です。
満期前に定期預金を解約すると、一般的には預入時の約定金利ではなく、金融機関所定の中途解約利率が適用されます。
たとえば楽天銀行の通常定期預金では、預入期間1年未満の場合、中途解約利率は約定利率の5%など、預入期間に応じたルールが定められています。
三井住友銀行でも、満期前の解約には所定の中途解約利率が適用されます。
「旧定期が年1%、新定期が年1.5%だから0.5%分得」と単純には判断できません。
中途解約すると利息が大幅に減ることがありますが、厳密には「解約手数料を罰金として取られる」というより、契約で定められた中途解約利率で利息を再計算する仕組みです。
元本保証型の一般的な円定期預金では、通常、中途解約によって元本そのものが減るわけではありません。
ただし、仕組預金など原則中途解約できない商品は別です。
預け替えの比較で重要なのは、二つの選択肢を同じ日まで運用したと仮定することです。
たとえば現在の定期預金の満期まで90日なら、
A. 今の定期預金をあと90日持ち続けた場合
B. 今日中途解約し、その資金を別の商品で90日程度運用した場合
の最終手取り額を比べます。
新定期が1年ものなのに、旧定期の残り90日だけと単純比較すると、資金拘束期間が違うため公平な比較になりません。
概念的には、次のように考えます。
預け替え後の最終額 − 現状維持の最終額 − 資金移動コスト > 0
なら、金額面では預け替えが有利です。
実際には、
・旧定期を満期まで持つ場合の税引後利息
・今解約した場合の税引後中途解約利息
・新定期の税引後利息
・振込手数料、ATM手数料
・預け替えのために普通預金へ置く空白期間
まで比較します。
預け替えの損得を計算するときは、旧定期を今解約した際に受け取れる中途解約利息や、すでに経過した期間とこれからの運用期間を分けて考える必要があります。
預け替え判断では、旧定期の1年分利息10,000円全体を、新定期の残り90日分利息だけで取り返す必要はありません。
比較すべきなのは「今日から同じ将来時点までに、どちらの選択肢で手元資金が多くなるか」です。
分かりやすくするため、次の仮定で考えます。
・旧定期:元本100万円、満期まで残り90日
・満期まで持てば、今日から満期までに増える利息相当額が2,466円と仮定
・今日解約した場合の受取済み相当額は、解約時点で確定するため両案の比較にはその後の差額を見る
・新しい90日程度の商品で税引後3,000円増える
・振込等の手数料が220円
この場合、今日から満期相当日までの増加額は、
現状維持:約2,466円
預け替え:約3,000円−220円=約2,780円
となり、単純化すれば預け替え側が約314円有利です。
重要なのは「過去に何円利息を稼いだか」ではなく、今日から先の選択によって最終的に何円差が生じるかです。
運用開始直後なら、失う約定利息がまだ小さい場合があります。
しかし、中途解約利率、新しい商品の最低預入額、資金移動手数料、新定期の期間、新規資金条件などによっては、金利が高くても得にならないことがあります。
預けた直後でも、自動的に乗り換えるのではなく、実額計算をしてから判断してください。
満期が数日後・数週間後など近い場合は、中途解約して乗り換えるメリットが小さくなることが多いです。
中途解約による利息減少に対して、新しい定期預金で運用できる期間が短いためです。
さらに、資金移動に数日かかれば、その間は高い定期金利で運用できません。
満期が近い場合は、満期まで待ち、満期日に新しい預け先へ移す準備を先に進めておく方法が合理的です。
新しい定期預金を見るときは、次の条件を確認してください。
・預入期間
・通常金利かキャンペーン金利か
・新規口座限定か
・新規資金限定か
・最低預入額・上限額
・満期後の金利
・中途解約条件
・自動継続の有無
「年1.5%」でも3か月限定なら、1年間1.5%が付く商品ではありません。
高金利キャンペーンには、「他行から新たに入金した資金のみ」「キャンペーン期間中の増加額のみ」などの条件が付くことがあります。
すでにその銀行にある普通預金を定期へ振り替えても、特別金利の対象外になる商品があります。
預け替え前に、対象資金の定義を必ず確認してください。
銀行間でまとまった資金を移動する場合は、インターネットバンキング等による振込が一般的です。
高額な現金を持ち歩く方法は、安全面・ATM限度額・入金限度などの点からおすすめできません。
2026年現在は、振込限度額・手数料・本人確認設定を事前に確認し、オンラインで資金移動する方が実務的です。
数百万円・1,000万円単位を預け替える場合、インターネットバンキングの1日あたり振込限度額を超えることがあります。
限度額を変更する場合、即時ではなく一定時間や日数が必要な銀行もあります。
満期日当日に慌てないよう、預け替え先の口座開設と振込限度額の確認を早めに行っておきましょう。
ネット銀行を中心に、利用状況や優遇ステージによって他行宛振込手数料の無料回数が設定されることがあります。
ただし、無料回数・条件・手数料は変更されるため、「ネット銀行なら無条件で無料」とは限りません。
少額の定期預金では、数百円の振込手数料が金利差による利益を打ち消すことがあります。
しかし、ATM提携条件、無料回数、入出金方法は変更されるため、特定の経路を恒久的な「正解」として掲載するのは適切ではありません。
現在は、利用中の銀行の無料振込回数、給与振込・残高・会員ステージなどの優遇条件を確認し、もっとも低コストな経路を選ぶのが実用的です。
オリックス銀行のeダイレクト定期預金は、インターネット取引専用の商品です。
6か月・1年・2年は単利の日割計算、3年・5年・7年は半年複利の日割計算となっています。
預入期間によって計算方式が異なるため、預け替えでは表示金利だけでなく、預入期間と利息計算方式も比較する必要があります。
他行へ預け替える場合、当然ながら新しい金融機関の口座が必要です。
口座開設には審査・本人確認があり、必ず満期日までに開設が完了するとは限りません。
満期直前ではなく、候補銀行が決まった段階で余裕をもって準備しましょう。
現在の定期預金の満期が9月10日なのに、高金利キャンペーンが8月31日で終了する、といったケースがあります。
このとき、中途解約してキャンペーンに間に合わせるべきかは、失う利息と特別金利で増える利息の差を計算して判断します。
「キャンペーンが終わるから急いで解約する」という判断は避け、実額で比較してください。
金利上昇局面で、少し高い金利を求めて5年定期などへ全額を移すと、その後さらに金利が上がったときに動きにくくなります。
6か月・1年・3年など満期を分散させる方法もあります。
詳しくは定期預金の分散をご覧ください。
高金利の銀行へ資金を集中させる場合は、預金保険制度の保護範囲にも注意してください。
一般的な定期預金や利息付き普通預金などの一般預金等は、預金者1人につき1金融機関ごとに合算して、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
高金利だからと1行へ2,000万円を集めるより、金利と安全性の両面から複数行へ分散する考え方があります。
詳しくは定期預金とペイオフをご覧ください。
1. 現在の定期預金の満期日はいつか
2. 満期まで持った場合の税引後利息はいくらか
3. 今日解約した場合の税引後利息はいくらか
4. 新しい定期預金の預入期間・金利はいくらか
5. キャンペーン条件を満たしているか
6. 振込手数料などはいくらか
7. 同じ基準日で比べて最終手取り額はどちらが多いか
8. 預金保険制度の範囲内か
年0.5%から年1.0%へ移れば、金利だけを見ると2倍です。
しかし、満期まであと1か月しかない、振込手数料がかかる、中途解約利率が大幅に低い、新定期が長期で資金拘束される、といった条件があれば、乗り換えが得とは限りません。
定期預金の預け替えでは、「金利が何倍か」ではなく、「最終的に税引後で何円増えるか」で判断することが大切です。
一律には言えません。中途解約利率、満期までの残り期間、新しい定期預金の期間・金利、振込手数料を含めて最終手取り額を比較してください。
満期が近いほど、中途解約による利息減少を新しい定期預金で取り戻せる期間が短いため、満期まで待つ方が有利なケースが多くなります。
必ずではありません。中途解約利率や資金移動費用、キャンペーン条件まで含めて実額比較する必要があります。
現在の定期預金を満期まで持つ場合と、今解約して新しい商品へ移した場合について、同じ基準日までの税引後最終額を比較します。振込手数料なども差し引いて判断します。
いいえ。短期キャンペーン、新規資金条件、中途解約利率、資金拘束期間などによっては、表示金利が高くても得にならない場合があります。
※本ページは2026年8月時点の一般的な定期預金の仕組みをもとに解説しています。金利、中途解約利率、キャンペーン条件、振込手数料、振込限度額、満期時取扱いは金融機関・商品によって異なります。実際の預け替え時には、各金融機関の商品概要説明書・預金規定・公式サイトで最新条件をご確認ください。
