大都市に本店を置き、全国規模でサービスを提供している銀行を都市銀行といいます。その名の通り、都市圏を中心に営業を展開している銀行であり、主に東京を中心とする首都圏、名古屋を中心とする中京圏、そして大阪を中心とする近畿圏など、全国の都市部を中心に、全国規模でサービスを提供しています。
同じ銀行であっても、地域社会に根ざして営業範囲を絞り込み、その地域のニーズに応じたサービスを提供している地方銀行とは全く性質が異なります。
都市銀行の特徴は、何よりもまずその資産の大きさにあり、中でも「メガバンク」と呼ばれる三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3行は、それぞれ日本を代表する一流大手企業との取引を主たる業務としています。例えば、三菱UFJ銀行は、三菱電気、日立、トヨタなど、三井住友銀行はソニー、パナソニックなど、みずほ銀行はNTT、日産などを大口取引先とし、決済などの業務を行っています。また、国際取り引きの大部分をも担っているなど、都市銀行は日本の経済活動の要として大きな役割を果たしています。
文明開化、高度経済成長、バブル崩壊、金融ビッグバンという日本経済の流れの中で、都市銀行はどのような変遷を辿り、今に至るのでしょうか。都市銀行の歴史や特徴を踏まえながら果たすべき役割を考えます。