退職金は資産を減らすことのない定期預金などの元本保証の金融商品で運用したいです。慎重に商品を見極めたいです。
退職金はまとまった金額であり、老後の生活の原資となる大切なお金です。上手に運用して、少しでも資産を殖やしたいと考えるのは自然なことです。
現在は多くの金融機関で、退職金専用の定期預金などの様々な運用商品を提供しています。これらは通常の定期預金と比べて金利が高いです。
しかし、商品の運用方法や運用結果は老後の生活に大きな影響を及ぼすので、商品を選ぶ際には細心の注意が必要です。
退職金を対象とした運用プランは多くありますが、元本が保証されている金融商品の代表としては定期預金があげられます。
各金融機関からはさまざまな退職金専用の定期預金商品が提供されています。ただし、金融機関によって利用条件が大きく異なるので、商品内容をよく確認しなければなりません。
多くの退職金専用の定期預金では、満期が3ヶ月程度と短めに設定されています。金利が非常に高く見える場合でも、3ヶ月満期の商品なら、12(ヶ月)÷3(ヶ月)=4となり、実際に適用されるのは表示されている金利の4分の1です。
例えば、金利が年2%で3ヶ月満期の退職金専用定期預金なら、2(%)÷4=0.5(%)で、実際の適用金利は0.5%になります。
そして初回の預け入れ期間においてのみ高い金利が適用されるケースと、一定の預け入れ期間内なら何度でも高い金利が適用されるケースがあり、その対応は金融機関によって異なります。
いずれにしても高い金利の適用期間が終了した後は、自動継続される定期預金の継続日の店頭表示金利が適用されます。
この場合、退職金専用の定期預金の満期日の取り扱い条件は多くの場合自動継続になっているので、同じ預け入れ期間の一般的な定期預金で継続されます。
退職金専用の定期預金は、預け入れの条件を退職金の受取日から1年以内としている金融機関が多いです。
もし、高い金利の適用期間が最初の満期日までなら、最初の満期日が来た時点でその定期預金を解約して、別の金融機関の退職金専用の定期預金に預け入れるというのも1つの方法です。
このようにタイミングよく預け入れをくり返せば、1年間にわたって高い金利で定期預金を運用しつづけられます。
そのためには、あらかじめ各金融機関の退職金専用の定期預金をいくつか候補にあげておきたいです。
退職金専用の定期預金に預け入れをするには、他にどのような注意点があるのでしょうか?
まず退職金専用の定期預金の預け入れ手続きは、金融機関の店舗の窓口で行います。その際に、退職所得の源泉徴収票、退職金支払証明書、退職金受取口座の通帳など、預け入れるお金が退職金だと証明できる書類が必要です。
また退職金専用定期預金に預け入れのできる上限金額は、受け取った退職金の金額までであることが多いのですが、預け入れ最低金額は金融機関によって異なります。
さらに、まとまった金額を預け入れることになるので、ペイオフについてもしっかり考えたいです。ペイオフの対象となる預金は、一金融機関において一人につき元本1,000万円までとその利息が預金保険で保護されます。
利息のつく普通預金、貯蓄預金、定期預金も保護の対象です。ですから既に取引のある金融機関で退職金専用の定期預金にまとまった金額の退職金を預け入れると、ペイオフの上限を超えてしまう可能性もあります。
そのような場合には一つの金融機関への預け入れ金額がペイオフの上限金額を超えないように、複数の金融機関に資金を分散して預け入れをするなどのペイオフ対策にも注意を払いたいです。
退職金の運用では扱う金額が大きくなるし、また老後を考えると大きな失敗もできません。退職金をもらえる時期はあらかじめ分かっているので、その時になって慌てないように時間をかけて退職金の運用先を決めておきたいです。