カナダで定期預金に近い商品として最も一般的なのが、GIC(Guaranteed Investment Certificate)です。
GICは一定期間資金を預け、契約条件に従って元本と利息を受け取る元本確保型の商品です。
銀行だけでなく、クレジットユニオンや一部の信託会社などでも取り扱われています。
カナダではGICとTerm Depositという言葉がどちらも使われます。
Financial Consumer Agency of Canada(FCAC)は、どちらも元本が満期時に返還される安全性重視の商品であり、一般にTerm DepositはGICより短期の商品を指すことが多いと説明しています。
日常会話や銀行の商品ページでは「GIC」が非常に一般的ですが、Term Depositという表現も間違いではありません。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| Non-redeemable GIC | 原則満期まで解約できない代わりに高めの金利になりやすい |
| Redeemable GIC | 一定条件のもと満期前に換金できる |
| Cashable GIC | 一定の据置期間後に換金できる商品がある |
| Variable-rate GIC | 金利が変動するタイプ |
| Market-linked GIC | 元本確保を基本としつつ、株価指数等に連動して利息が決まる商品 |
Non-redeemable GICは、預金者が自由に途中換金できない代わりに、Redeemable GICやCashable GICより高い金利が設定されることがあります。
生活費・緊急資金までNon-redeemable GICへ入れないことが重要です。
連邦規制の金融機関は、GICを販売する前に、
・預入期間
・元本の返還方法
・利息の支払時期
・固定金利か変動金利か
・手数料・ペナルティ
・満期前に換金できるか
・自動更新の条件
などを明示する必要があります。
満期前に換金できる商品では、換金前に受取元本・利息・ペナルティ・最終受取額を金融機関から確認できます。
連邦規制の金融機関が満期時にGICを自動更新した場合、FCACは新しい期間の開始から10営業日以内なら自動更新を取り消せると案内しています。
また、30日を超える期間の商品では、満期の21日前と5日前に、更新後金利や手数料等の情報を通知する必要があります。
CDIC(Canada Deposit Insurance Corporation:カナダ預金保険公社)の加盟金融機関にある適格預金は、自動的に預金保険の対象になります。
GICやTerm Depositも対象です。
CDICの基本保護額は、1つの加盟金融機関につき、預金カテゴリーごとに元本と利息を合計して最大10万カナダドルです。
CDICには、預金の名義・登録制度ごとに複数の保護カテゴリーがあります。
代表例は、
・個人名義
・共同名義
・RRSP
・RRIF
・TFSA
・FHSA
・RESP
・RDSP
・信託
です。
同じCDIC加盟金融機関でも、適格預金を異なるカテゴリーに保有していれば、それぞれ最大10万カナダドルまで別枠で保護されます。
以前は、CDIC保護対象となるGICに「満期5年以内」という制限がありました。
しかし、この制限は制度改正で撤廃されています。
現在は、その他の条件を満たせば、5年を超えるGICもCDIC保護対象になり得ます。
現在のCDICでは、加盟金融機関にある適格な外貨預金も保護対象になり得ます。
CDICは金融機関が破綻した場合に適格預金を保護する制度です。
投資信託、株式、債券、ETF、暗号資産などは対象外です。
また、詐欺・盗難による損失を補償する制度でもありません。
州規制のクレジットユニオンは、州ごとの預金保険制度で保護されますが、保護上限・対象商品は州ごとに異なります。
オンタリオ州では、FSRAの制度により、信用組合・caisse populaireの非登録口座の適格預金は、原則として1預金者・1信用組合あたり25万カナダドルまで保護されます。
一方、RRSP・TFSA・FHSAなどの登録口座にある適格預金は無制限で保護されます。
ブリティッシュコロンビア州では、CUDICが州認可クレジットユニオンの適格預金を100%保証しています。
GIC・Term Deposit・外貨預金・登録口座内の預金なども対象となる場合があります。
つまり、「クレジットユニオンは全額保証」と覚えるのではなく、自分が利用する州の預金保証制度を確認することが必要です。
クレジットユニオンでも連邦規制へ移行した「Federal Credit Union」はCDICの対象になります。
同じ「credit union」という名称でも、州規制か連邦規制かで預金保護制度が異なります。
RRSP(Registered Retirement Savings Plan)は、老後資金形成を支援する登録制度です。
RRSP口座内では、GICなどの適格商品を保有できます。
RRSPへの拠出は一定の範囲で所得控除の対象となり、口座内の運用益は原則として課税繰延べされます。
引き出したときには原則として課税対象になります。
2026年のRRSPの年間ドル上限は33,810カナダドルです。
ただし、実際の拠出可能額は前年所得、年金調整、未使用枠などによって人ごとに異なります。
「33,810ドルまで誰でも拠出できる」という意味ではありません。CRAのNotice of Assessment等で本人のRRSP deduction limitを確認してください。
TFSA(Tax-Free Savings Account)は、口座内で得た利息・運用益を原則非課税にできる制度です。
GICをTFSA内で保有すれば、そのGICから得た利息も原則非課税です。
2026年のTFSA年間追加枠は7,000カナダドルです。
過去の未使用枠は一定のルールで繰り越されます。
TFSAは、原則としてカナダの税務上の居住者で、18歳以上(州によって契約可能年齢の差あり)かつ有効なSINを持つ人が拠出枠を得ます。
非居住者はTFSAへ新たに拠出するとペナルティの対象になるため、居住者区分を確認してください。
TFSAから引き出した金額は、原則として翌年1月1日に拠出枠へ戻ります。
同じ年に枠を確認せず再拠出すると、超過拠出になる可能性があります。
カナダの税務上の居住者が、非登録口座でGICの利息を受け取った場合、その利息は一般に課税所得です。
給与など他の所得と合わせて所得税を計算します。
TFSA内のGICなら原則非課税、RRSP内なら原則課税繰延べとなるため、同じGICでも保有口座によって税務が変わります。
日本に住みながらカナダの銀行へGICを作れるかどうかは、金融機関の非居住者向け口座開設方針によります。
カナダ政府は、適切な本人確認ができれば、カナダ国民でなくても、海外居住者でも銀行口座を開ける場合があると案内しています。
ただし、銀行によっては本人の来店や既存口座を求めることがあります。
CRAは、非居住者が受け取る通常の「独立当事者間の利息(arm's length interest)」について、一般にカナダの非居住者源泉税が免除されると案内しています。
したがって、カナダ銀行の通常のGIC利息について「非居住者なら一律25%源泉徴収」と考えるのは正確ではありません。
ただし、利息の種類・関係者間取引・契約条件等によって例外があります。
日本の税務上の居住者がカナダのGICから利息を受け取れば、日本で課税対象になる可能性があります。
実際に利用する場合は、カナダ側と日本側の双方の税務を確認してください。
カナダドル建てGICは、カナダドルでは元本確保型の商品です。
しかし、日本円をカナダドルへ交換して預ける場合は為替変動リスクがあります。
満期時にカナダドル安・円高になっていれば、利息を受け取っても円換算では元本割れする可能性があります。
「カナダドルでは元本保証」=「日本円でも元本保証」ではありません。
銀行によっては、店頭だけでなく電子的手段や電話で口座開設できる場合があります。
カナダ政府は、適切な本人確認ができれば、仕事がなくても、すぐに預け入れるお金がなくても、一定の条件で口座を開設できる権利があると案内しています。
本人確認に必要な書類には、制度上複数の組み合わせがあります。
一方、利息が付く口座や登録制度の利用では、税務申告等のためSINを求められることがあります。
現在もchequeは使われていますが、給与のDirect Deposit、Interac e-Transfer、デビットカード、オンラインバンキングなど電子決済が広く普及しています。
Chequing Accountは現在も日常決済の中心ですが、「小切手を頻繁に使う口座」という理解だけでは不十分です。
支店を持たないオンライン銀行や、既存大手銀行グループのデジタル銀行も一般的な選択肢になっています。
GIC、Chequing Account、Savings Accountなどをオンラインだけで提供する金融機関もあります。
店舗型かネット銀行かではなく、金利・手数料・CDIC加盟状況・中途換金条件で比較することが重要です。
高額のGICへ預けるなら、現金両替よりも銀行送金や資金移動サービスを使う方が現実的です。
為替レート、送金手数料、中継銀行手数料、受取手数料を含めて比較してください。
1. GICかTerm Depositか
2. RedeemableかNon-redeemableか
3. 金利は固定か変動か
4. 預入期間は何か月・何年か
5. 中途換金できるか
6. 満期後に自動更新されるか
7. CDIC加盟金融機関か
8. どの預金カテゴリーで保護されるか
9. クレジットユニオンなら州の保証制度は何か
10. 日本円から見た為替・税務まで含めても有利か
一般にGIC(Guaranteed Investment Certificate)が広く使われます。Term Depositという表現もあり、一般に短期の商品を指すことがあります。
CDIC加盟金融機関の適格預金であれば、預金カテゴリーごとに元本と利息を合わせて最大10万カナダドルまで保護されます。
州によって異なります。ブリティッシュコロンビア州では対象預金が100%保証されますが、オンタリオ州では非登録口座は原則25万カナダドルまで、登録口座は無制限です。
2026年の年間追加枠は7,000カナダドルです。実際の利用可能額は過去の未使用枠・引出し等によって異なります。
金融機関によります。カナダ政府は海外居住者でも一定条件で銀行口座を開ける場合があると案内していますが、銀行ごとに本人確認・来店・既存口座等の条件があります。
※本ページは2026年8月時点のCDIC、FCAC、CRA、各州預金保険機関等の公表情報をもとに一般的な仕組みを解説しています。GICの金利、預入期間、中途換金、自動更新、CDIC適格性、州別預金保証、TFSA・RRSPの税務、口座開設条件は金融機関・居住地・商品によって異なります。実際の申込時には各金融機関、CDIC、CRA、各州当局等の最新情報をご確認ください。
