イギリスで日本の定期預金に近い商品は、一般にFixed Rate Savings Account、Fixed Rate Bond、Fixed Term Savingsなどと呼ばれます。
一定期間お金を預け、その期間中の金利を固定する預金商品で、日本の固定金利型定期預金に近い仕組みです。
金融機関によって商品名が異なるため、「Term Deposit」という言葉だけで探すより、「Fixed Rate Savings」「Fixed Rate Bond」などで探した方が個人向け商品を見つけやすい場合があります。
イギリスの個人向け貯蓄商品で使われる「Fixed Rate Bond」は、名前にBondと付いていても、株式市場などで売買する一般的な債券とは異なり、銀行・Building Society等が提供する固定期間の預金口座を指すことがあります。
FSCS保護を確認するときは、商品名だけでなく「cash deposit(預金)」として保護対象かを確認してください。
| Fixed Rate Savings | Easy Access Savings | Current Account | |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 一定期間使わない資金の運用 | 貯蓄しながら随時利用 | 給与受取・決済・送金 |
| 金利 | 期間中固定が一般的 | 変動が一般的 | 低い・無利息の場合もある |
| 引出し | 制限あり | 比較的自由 | 自由 |
| 向いている資金 | 余裕資金 | 近く使う可能性がある貯蓄 | 生活資金 |
Fixed Rate Savingsの預入期間は商品によって異なります。
MoneyHelperでは、固定金利型Savings Bondについて、一般に6か月から5年程度の期間で資金を固定する商品が多いと案内しています。
市場にはさらに長い期間の商品もあります。
期間が長ければ必ず金利が高いとは限りません。イールドカーブや各金融機関の資金調達方針によって、短期商品の方が高金利になることもあります。
最低預入額は1ポンドから始められる商品もあれば、100ポンド、1,000ポンド以上を必要とする商品もあります。
MoneyHelperは、固定金利Savings Bondでは最低100ポンド程度の商品が一般的と説明していますが、実際の条件は金融機関ごとに確認してください。
Fixed Rate Bondでは、口座開設時または一定の入金期間内に資金を預け、その後は追加預入できない商品が多くあります。
毎月一定額を積み立てたい場合は、Regular Savings Accountの方が適している場合があります。
Fixed Rate Savingsは、満期まで資金を固定する代わりに高めの金利を得る商品です。
MoneyHelperによると、満期前に引き出すと大きなペナルティがかかる商品や、満期まで一切引き出せない商品があります。
日本の定期預金のように「中途解約利率を適用していつでも解約できる」とは限りません。
Fixed Rate Cash ISAも一定期間金利を固定する商品ですが、通常のFixed Rate Bondとは税制・引出しルールが異なります。
Cash ISAでは利息が非課税ですが、満期前の引出し・移管には一定のペナルティが設定される場合があります。
通常預金型の商品とISAを混同しないようにしてください。
満期になると、元利金が指定口座へ移される商品、新しい固定期間口座へ自動更新される商品、Easy Access Savingsへ移される商品などがあります。
自動更新された場合、次の期間の金利は最初の金利と同じとは限りません。
満期前に金融機関から届く案内を確認し、その時点の他行金利と比較してください。
2026年現在、UK-authorised bank・building society・credit unionの対象預金は、原則として1人につき1認可金融機関あたり最大12万ポンドまでFSCSで保護されます。
2人の共同名義口座(Joint Account)では、それぞれに12万ポンドの保護枠があるため、対象となる預金なら原則として合計24万ポンドまで保護されます。
ただし、各人が同じ認可金融機関に単独名義預金も持っている場合、その持分と合算して各人の12万ポンド枠を計算します。
FSCSの12万ポンド枠は、原則としてブランド名ごとではなく、PRAから認可を受けた金融機関(authorised firm)ごとに計算されます。
複数の銀行ブランドが同じ銀行免許を共有している場合、それぞれの預金を合算して12万ポンド枠を計算することがあります。
高額預金を分散するときは、ブランド名だけでなくFSCSの「Check your money is protected」で認可単位を確認してください。
住宅売却、相続など一定のライフイベントによって一時的に預金残高が大きくなった場合、FSCSのTemporary High Balance(THB)保護が適用されることがあります。
2025年12月1日以降、一定の要件を満たす一時的高額残高は最大140万ポンドまで、原則6か月間保護されます。
個人傷害に関する一定の支払金など、別の扱いとなるケースもあります。
FSCSの預金保護は、対象となるcash depositについての制度です。
株式・投資信託・通常の社債などの値下がり損失を、預金と同じ12万ポンドまで保証する制度ではありません。
「Fixed Rate Bond」という名前だけでFSCS預金保護対象と判断せず、預金商品であることを確認してください。
National Savings & Investments(NS&I)は英国政府が支える貯蓄機関です。
NS&Iの商品は通常の銀行預金のFSCS保護ではなく、HM Treasury(英国財務省)の支えによって元本の安全性が確保されています。
政府保証だから常に民間銀行より高金利という意味ではないため、利率・期間・解約条件を比較してください。
通常のFixed Rate Savingsの利息は、英国居住者にとって課税対象となるsavings incomeです。
ただしPersonal Savings Allowance(PSA)があり、2026/27課税年度では、
・Basic-rate taxpayer:年間1,000ポンド
・Higher-rate taxpayer:年間500ポンド
・Additional-rate taxpayer:0ポンド
までの対象利息について税率0%となります。
英国の銀行利息は通常gross(税引前)で支払われ、PSAを超える場合は所得状況に応じて税金が発生します。
2026/27課税年度では、一定の低所得者について、Savings incomeに対するStarting Rate for Savingsの上限は最大5,000ポンドです。
ただし、給与・年金など他の所得が増えるにつれて利用できる枠は減少します。
Personal Allowance、Starting Rate for Savings、PSAの適用関係は所得状況によって変わります。
Fixed Rate Cash ISAとして預けた資金から得る利息は、ISA制度の要件を満たせば原則として英国所得税の対象になりません。
ただし、ISAには年間拠出枠・居住者要件・移管ルールなどがあるため、通常のFixed Rate Bondとは分けて考えてください。
銀行・Building Societyによって、オンライン、アプリ、電話、郵送、店頭などさまざまな口座開設方法があります。
固定金利Savings Accountもオンライン専用商品が多く、支店へ行かずに開設できる場合があります。
金融機関はマネーロンダリング対策のため、本人確認を行います。
必要書類は銀行ごとに異なりますが、例として、
・パスポート
・英国運転免許証
・公共料金・Council Tax等の住所確認資料
・銀行取引明細
・政府機関等からの書類
などがあります。
オンラインでは電子的な本人確認を利用する場合もあります。
英国のFixed Rate Savingsがインターネットに掲載されていても、日本居住者がそのまま開設できるとは限りません。
多くの商品では、UK residentであること、英国住所、英国Current Accountなどを条件とする場合があります。
Current Accountについては、英国に不法滞在する人へ新規口座を開設しないための移民ステータス確認もあります。
日本から利用する場合は、非居住者を受け付けるか、英国住所・既存口座が必要かを商品ごとに確認してください。
英国のFixed Rate Savingsは通常ポンド建てです。
ポンドでは元本確保型でも、日本円をポンドへ交換して預ける場合は為替変動の影響を受けます。
満期時にポンド安・円高になれば、ポンドでは利息を得ていても、日本円へ戻したときに元本割れする可能性があります。
「イギリスの銀行で元本保証」=「日本円ベースでも元本保証」ではありません。
日本の税務上の居住者が英国の銀行から利息を受け取る場合、日本側で所得税の申告が必要になることがあります。
英国側の課税、租税条約、外国税額控除などは個別事情によって異なるため、実際に海外預金を保有する場合は税務署・税理士等へ確認してください。
銀行、カード、外貨サービス、海外送金サービスなど複数の選択肢があり、実質コストは為替レートと手数料の組み合わせで決まります。
高額のFixed Rate Savingsへ預けるなら、現金両替よりも銀行間送金等を利用する方が現実的です。
「手数料無料」という表示だけでなく、適用為替レート・送金手数料・受取手数料まで比較してください。
デビットカード、クレジットカード、Contactless、Apple Pay・Google Payなどのモバイル決済が広く利用されています。
英国には無料で利用できるATMが多数ありますが、すべてのATMが無料とは限りません。
独立系ATMなどで手数料が発生する場合は、通常、取引前に画面で手数料が表示されます。
また、海外発行カードでは、ATM運営者の手数料とは別に、カード会社の海外ATM手数料・為替手数料が発生することがあります。
1. Fixed Rate Bond/Fixed Term Savingsのどの商品か
2. 金利はAERで何%か
3. 預入期間は何か月・何年か
4. 最低・最高預入額はいくらか
5. 追加預入できるか
6. 中途解約・部分引出しできるか
7. 満期後に自動更新されるか
8. FSCS対象のcash depositか
9. 同一認可金融機関の預金合計が12万ポンドを超えないか
10. 日本円から見た為替・税務まで含めても有利か
個人向けではFixed Rate Savings Account、Fixed Rate Bond、Fixed Term Savingsなどの名称が一般的です。金融機関によって商品名は異なります。
2025年12月1日以降、FSCS対象預金は原則として1人・1認可金融機関につき最大12万ポンドまで保護されます。2人の共同名義なら原則合計24万ポンドです。
一定のライフイベントによるTemporary High Balanceは、要件を満たせば最大140万ポンドまで原則6か月間保護されます。
商品によります。高いペナルティがかかる場合や、満期まで一切引き出せない場合があります。契約前に必ず確認してください。
金融機関・商品によります。UK resident、英国住所、英国Current Accountなどを条件にする商品が多いため、非居住者の申込可否を事前に確認してください。
※本ページは2026年8月時点のFSCS、PRA、MoneyHelper、HMRC等の公表情報をもとに一般的な仕組みを解説しています。Fixed Rate Savingsの金利、最低預入額、中途解約、FSCS対象可否、口座開設条件、税務、ATM・送金手数料などは金融機関・商品・居住状況によって異なります。実際の申込時にはFSCS、PRA、HMRC、各金融機関等の最新情報をご確認ください。
