フランスの定期預金

フランスの定期預金

フランスで日本の定期預金に近い商品は、Compte a terme(コント・ア・テルム、略称CAT)です。

一定期間、銀行に資金を預け、その期間に応じた金利で利息を受け取る仕組みで、日本の定期預金に近い金融商品です。

普通預金に相当する口座は、一般にCompte courantやCompte de depotなどと呼ばれます。

Compte a termeとは?

Compte a termeは、契約時に預入期間・金利・利息計算方法・中途解約条件などを定める預金です。

フランス経済・財務省は、契約前に、

・適用金利
・利息の計算方法
・契約期間
・中途解約時のペナルティ

などを確認することが重要と案内しています。

同じ「Compte a terme」でも、期間・金利・途中解約ルールは銀行ごとに異なります。

預入期間は商品ごとに異なる

フランスCompte a termeの預入期間

預入期間は金融機関・商品によって異なります。

数週間・数か月から数年まで、さまざまな期間の商品があります。

期間が長いほど必ず高金利になるとは限りません。

市場金利の状況によっては、短期の方が高い金利になる場合もあります。

金利は固定型だけではない

フランス定期預金の金利

Compte a termeには、固定金利型だけでなく、契約条件によって金利が段階的に上がるタイプや変動型の商品もあります。

変動金利型の場合、金融機関は契約前に利回り・途中解約条件等を説明し、契約期間中にも情報を更新する必要があります。

表示金利だけでなく、「固定か変動か」「どの時点で何%になるか」まで確認してください。

最低預入額は銀行ごとに違う

最低預入額は商品改定によって変わることがあり、銀行・オンライン専用商品・キャンペーンなどによって異なります。申込時に各金融機関の公式条件を確認してください。

追加預入はできない商品が多い

フランス定期預金の追加預入

Compte a termeは、契約時に一定額を預け、その金額を期間中固定する商品が一般的です。

Compte a termeには、契約後の追加預入ができない商品が多くあります。

毎月積み立てたい場合は、別の貯蓄口座や積立商品を検討します。

中途解約にはペナルティがある

フランス定期預金の中途解約

Compte a termeは満期まで預けることを前提とします。

満期前に資金を引き出せるか、どの程度のペナルティがあるかは契約によって異なります。

フランス経済・財務省は、契約時に中途解約時のペナルティを明示する必要があるとしています。

日本の定期預金と同じように「いつでも中途解約できる」とは限らないため、生活費・緊急資金はCompte a termeへ入れないことが基本です。

満期後の自動更新を確認

フランス定期預金の満期

満期時に元利金が普通口座へ戻る商品もあれば、一定条件で自動更新される商品もあります。

自動更新後の金利は、最初の契約時と同じとは限りません。

満期前には、更新後の金利と他行の金利を比較してください。

Livret AはCompte a termeとは別の商品

Livret Aとフランス定期預金

Livret Aは、フランス政府が制度設計する規制貯蓄口座で、Compte a termeとは異なります。

Livret Aは、

・資金を随時引き出せる
・利息が所得税・社会負担とも非課税
・預入上限が個人で22,950ユーロ
・金利は政府ルールに基づいて設定

という特徴があります。

Livret Aは非居住者でも保有できる

Service-Public.frでは、個人のLivret Aについて、年齢・国籍・フランス税務居住の条件はないと案内しています。

ただし、実際の銀行口座開設や本人確認については各金融機関の審査があります。

フランスの預金保護は1人・1銀行10万ユーロ

フランスFGDR預金保護

フランスでは、Fonds de Garantie des Depots et de Resolution(FGDR)が対象銀行の預金を保護します。

一般預金の保護上限は、預金者1人につき1金融機関あたり10万ユーロです。

対象には、

・Compte courant
・Compte de depot
・Compte a terme
・一般の貯蓄口座
・銀行型PEL・CEL等

が含まれます。

同じ銀行の預金は合算

たとえば同じ銀行に、

・Compte courant:3万ユーロ
・Compte a terme:8万ユーロ

がある場合、合計11万ユーロとして計算します。

通常のFGDR預金保証は10万ユーロまでです。

口座ごとに10万ユーロではなく、預金者ごと・金融機関ごとに計算する点に注意してください。

共同名義口座では各名義人の持分を計算

共同名義口座は、契約に別の定めがなければ、原則として各名義人に均等に分けて保証額を計算します。

各名義人は、その持分を同じ銀行にある自分の単独名義預金と合算し、それぞれ10万ユーロ枠で保護されます。

払戻しは原則7営業日以内

FGDRの7営業日以内払戻し

対象銀行が破綻し、預金が利用できなくなった場合、FGDRは原則として7営業日以内に預金者へ補償を行います。

複雑な事案などでは追加処理が必要になる場合があります。

Livret A・LDDS・LEPには国家保証

Livret Aの国家保証

Livret A、LDDS、LEPなどの規制貯蓄口座は、一般のFGDR預金10万ユーロ枠とは別に、フランス国家によって保護されます。

これらの対象口座は、同一銀行で合計10万ユーロまで国家保証され、実際の補償手続きはFGDRが国に代わって行います。

したがって、「Livret Aは保護対象外」という意味ではありません。一般預金とは別の国家保証の仕組みで保護されます。

一時的高額預金は追加保護される場合がある

フランスの一時的高額預金保護

住宅売却代金、相続、一定の損害賠償などに由来する一時的な高額預金については、通常の10万ユーロ枠を超えて保護される場合があります。

FGDRでは、一定の一時的特別預金について、入金から3か月以内など所定の要件を満たせば追加保護の対象となる仕組みがあります。

高額資金が該当する可能性がある場合は、FGDRの最新条件を確認してください。

EU他国銀行のフランス支店は本国制度の場合がある

EU他国銀行フランス支店の預金保護

フランスで営業している銀行でも、他のEU・EEA加盟国で認可された銀行の支店である場合は、本店所在地の預金保証制度が適用されることがあります。

フランスで契約したから必ずFGDRが保証するとは限らないため、銀行の法的主体と保証制度を確認してください。

2026年の預金利息課税は31.4%が基本

フランス定期預金の利息と税金

フランスの税務上の居住者が通常のCompte a termeから受け取る利息は、原則として課税対象です。

2026年1月1日以降、一般の金融所得に対する社会負担率は18.6%へ引き上げられています。

そのため、通常の金融所得では、

・所得税部分:12.8%
・社会負担:18.6%

となり、合計31.4%が基本となります。

所得状況によっては、12.8%の定率課税ではなく所得税の累進税率を選択できる場合があります。

2025年までの30%から税率が変わった

2025年まで、一般的な金融所得では12.8%+17.2%=30%という説明が広く使われていました。

2026年から社会負担率が18.6%となったため、Compte a termeの手取りを考える際は、31.4%を前提に最新税制を確認する必要があります。

非居住者の利息課税は別ルール

フランス税務当局は、税務上の住所がフランス国外にある人について、一般的な利息は原則としてフランスでは非課税となる場合があると案内しています。

ただし、非協力的な国・地域に居住する場合など例外があります。

日本居住者がフランスの銀行預金を利用する場合は、フランス側だけでなく日本側の所得税申告も確認してください。

銀行口座開設はオンライン対応が進んでいる

フランス銀行のオンライン口座開設

伝統的な銀行だけでなくオンライン銀行・デジタル銀行も普及し、オンライン本人確認で口座開設できる場合があります。

一方、外国人・非居住者・本人確認書類の種類によっては来店や追加書類を求められることがあります。

本人確認・住所確認は銀行ごとに異なる

フランス銀行口座の本人確認

一般に、

・パスポートなどの本人確認書類
・住所を証明する書類
・税務上の居住地情報
・収入・職業情報

などを求められることがあります。

学生証・雇用契約書・給与明細が必ず必要というわけではなく、必要書類は銀行・申込者の属性によって異なります。

フランスには「口座を持つ権利」の制度がある

フランス居住者など一定の条件を満たす人が銀行から口座開設を拒否された場合、Banque de Franceの「droit au compte(口座を持つ権利)」制度を利用できる場合があります。

ただし、これは誰でも任意の銀行・任意の商品を開設できる権利という意味ではありません。

日本居住者がCompte a termeを作れる?

日本居住者とフランス定期預金

フランスの銀行がCompte a termeを提供していても、日本に住んだまま新規口座を開設できるとは限りません。

銀行によって、フランス住所、EU・EEA居住、既存のCompte courant、税務情報などを条件にする場合があります。

非居住者向け口座・商品を扱っているかを、申込前に確認してください。

日本円から見れば為替リスクがある

フランス定期預金と為替リスク

フランスのCompte a termeは通常ユーロ建てです。

ユーロでは元本確保型でも、日本円をユーロへ交換して預ければ為替変動の影響を受けます。

満期時にユーロ安・円高になれば、ユーロでは利息を得ていても、日本円へ戻したときに元本割れする可能性があります。

「フランスの銀行預金で元本保証」=「日本円でも元本保証」ではありません。

両替は「日本でする方が必ず得」ではない

日本円とユーロの両替

高額のCompte a termeへ預ける場合は、現金両替よりも銀行送金等を利用し、為替レート・送金手数料・受取手数料まで総合して比較してください。

ATMは定期預金とは別に考える

フランスのATM

ATMはフランス語で「distributeur automatique de billets(DAB)」などと呼ばれます。

Compte a termeはATMで日常的に出し入れする預金ではありません。

満期金・中途解約金は通常、Compte courant等へ移され、そこからカード・ATMを利用します。

ATM手数料、利用時間、海外発行カードの手数料は銀行・カードによって異なります。

預入前のチェックリスト

1. 商品はCompte a termeか
2. 金利は固定か変動か
3. 預入期間は何か月・何年か
4. 最低・最高預入額はいくらか
5. 追加預入できるか
6. 中途解約できるか・ペナルティはいくらか
7. 満期後に自動更新されるか
8. FGDRまたは本国の保証制度の対象か
9. 同じ金融機関の一般預金が10万ユーロを超えていないか
10. 31.4%の課税・為替まで含めても有利か

よくある質問

フランス語で定期預金は何と言いますか?

一般にCompte a terme(CAT)と呼ばれます。一定期間資金を預け、契約条件に応じた利息を受け取る商品です。

フランスの定期預金はいくらまで保護されますか?

FGDR対象の一般預金は、原則として預金者1人につき1金融機関あたり10万ユーロまで保護されます。

銀行が破綻したら何日で払い戻されますか?

FGDRの預金保証では、原則として預金が利用不能となった日から7営業日以内に補償されます。

Livret Aも10万ユーロのFGDR枠に含まれますか?

一般預金とは別です。Livret A・LDDS・LEPはフランス国家保証として、対象口座を合計して同一銀行で10万ユーロまで保護され、FGDRが国に代わって補償手続きを行います。

フランスの定期預金利息には何%の税金がかかりますか?

2026年のフランス税務上の居住者では、一般的な金融所得は原則として12.8%の所得税部分と18.6%の社会負担を合わせた31.4%が基本です。個別事情により累進税率を選択できる場合があります。

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※本ページは2026年8月時点のFGDR、フランス経済・財務省、税務当局等の公表情報をもとに一般的な仕組みを解説しています。Compte a termeの金利、最低預入額、中途解約、満期後の扱い、預金保証制度、税務、口座開設条件などは金融機関・商品・居住状況によって異なります。実際の申込時には各金融機関、FGDR、Banque de France、税務当局等の最新情報をご確認ください。

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