定期預金の中途解約の金利を、低い順(厳しい順)にランキングをしています。
利用者が満期がくる前に定期預金を途中で解約してしまうと、こういった低い金利(ペナルティ金利)が定期預金に適用されてしまいます。
順位 | 銀行名 | 金利 |
1位 | 東京スター銀行 | 年0.000% |
2位 | あおぞら銀行 | 年0.001% |
3位 | セブン銀行 | 年0.001% |
4位 | 楽天銀行 | 年0.001% |
5位 | auじぶん銀行 | 年0.001% |
6位 | みずほ銀行 | 年0.001% |
7位 | 三菱UFJ銀行 | 年0.0014% |
8位 | 住信SBIネット銀行 | 年0.002% |
9位 | ソニー銀行 | 年0.002% |
10位 | ゆうちょ銀行 | 年0.002% |
11位 | SBI新生銀行 | 年0.005% |
12位 | 大和ネクスト銀行 | 年0.005% |
13位 | イオン銀行 | 年0.005% |
14位 | オリックス銀行 | 年0.010% |
15位 | SBJ銀行 | 年0.100% |
(2022年6月20日現在)
<情報ソース>
1.東京スター銀行
https://www.tokyostarbank.co.jp/products/deposit/term/enteiki/
2.あおぞら銀行
https://www.aozorabank.co.jp/bank/kinri/index.html
3.セブン銀行
https://www.sevenbank.co.jp/personal/netbank/deposit_loan/teiki/kaiyaku.html
4.楽天銀行
https://www.rakuten-bank.co.jp/interest/details.html
5.auじぶん銀行
https://www.jibunbank.co.jp/cancel/
6.みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/setsumeisho/pdf/teiki_super.pdf
7.三菱UFJ銀行
https://www.bk.mufg.jp/tameru/yen/sp_teiki/btm/pdf/t_st_setsumei.pdf
8.住信SBIネット銀行
https://www.netbk.co.jp/contents/resources/pdf/gaiyo_enteiki.pdf
9.ソニー銀行
https://moneykit.net/visitor/dc/dc08.html
10.ゆうちょ銀行
https://www.jp-bank.japanpost.jp/kitei/pdf/teiki-tyokin.pdf
11.SBI新生銀行
https://www.shinseibank.com/powerflex/pdf/document/pdy/index.pdf
12.大和ネクスト銀行
https://www.bank-daiwa.co.jp/rate/
13.イオン銀行
https://www.aeonbank.co.jp/products_list/pdf/super_teiki_04.pdf
14.オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/deposit/direct/account.html
15.SBJ銀行
https://www.sbjbank.co.jp/news/pdf/20210301_press_info684_1.pdf
定期預金の中途解約とは、いったん預け入れた定期預金を、預金者から銀行などの金融機関に申し出て、満期日がくる前に解約、つまりそのお金を自由に使えるようにしてもらうことです。
しかし、これは金融機関との約束を破ることでもあります。
定期預金では、満期日までその金融機関に預け入れる代わりに、普通預金などのいつでも払い出せる預金に比べて、高い預金金利を金融機関が提供します。
銀行などの預金も一種のお金の貸し借りですから、いわば借りた側の金融機関は、金利という代償を支払う代わりに期限(=満期日)まで、そのお金を自由に利用できます。
それを途中で返してくださいと、貸した側の預金者が申し出るわけですので、金融機関は「それなら元金をお返ししますが、その代わりに当初お約束した利息は払えません」ということで利息を減額します。その利息計算に用いられるのが中途解約のときに適用される金利です。
中途解約のときの金利は、当初に約束した定期預金金利以下となり、金利ゼロ(無利息)となることもあります。ただし元本を割り込むこと(元本割れ)はありません。最低でも預け入れた元本はそのまま戻ってきます。
また中途解約に応じない金融機関もありません。絶対に解約に応じてくれないとなると、預金者としては大変に困ったことになってしまうからです。
ここまでで、1.金融機関にいったん預け入れた定期預金は必ず解約できること、2.その場合、最低でも元本はそのまま戻ってくること、を理解しておいてください。それでも結果的に元本を割り込む場合がありますので、例外的なケースとして以下をご説明します。
(1)定期預金を預け入れた金融機関が経営破たんして、いわゆるペイオフが行われる場合です。1つの金融機関で元本1千万円までと破たんの日までの約定利息は預金保険で保護されますが、それ以上の金額の預金を預け入れている場合は、最悪のケースでは元本を割り込むことがあります。
これは預金者の意思による中途解約とは関係ありませんが、とくに期間の長い定期預金を預け入れる場合には注意しておかなければなりません。
定期預金の中途解約の注意点はどの程度のものでしょうか?ここでは比較的高い金利で定期預金を集めているソニー銀行を例にとってみてみましょう。
ソニー銀行では1ヵ月ものから10年ものまでの9種類の期間で定期預金を提供していますが、2021年9月現在の店頭表示金利は、6ヵ月ものから10年ものまですべて年0.02%となっています。
いまはメガバンクやゆうちょ銀行など従来型の店舗ネットワークを持つ銀行では、預入期間に関わらず、定期預金は年0.002%の設定となっているのがほとんどです。
一方で、インターネット専業銀行では、定期預金の主な預入期間である、6ヵ月ものと1年ものでの競争力を維持するために、そこの金利だけ高く設定することがまれにあります。
新しく銀行業務に参入したインターネット専業銀行などでは、定期預金金利の設定の考え方が柔軟で、かつ頻繁に金利が変更されがちです。
仮に元本100万円を1年間、年0.02%でソニー銀行に預け入れたとしますと、満期日に受け取れる金額は1,000,160円となります。金利は、100万円×0.02%=200円 ですが、ここから利子課税が行われます。
利子課税には所得税(国税)と地方税があります。国税は、所得税の15%に加えて復興特別所得税が所得税額に2.1%上乗せされるので、200円×15%=30円 の所得税と、30円×2.1%=0.63円 の復興特別所得税で合計30.63円となります。これは1円未満切り捨てで30円になります。地方税は、200円×5%=10円 となるので合計で、30円+10円=40円 が課税されるため、最終的な受け取り利息は、200円−40円=160円 となります。
※ 同様に、仮に6ヵ月もので預け入れた場合に6ヵ月後の満期に受け取れる利息は、80円となります(利息は100円、それにかかる所得税(復興特別所得税を含む)は15円、地方税は5円です)。
1年ものとして預け入れた定期預金を、6ヵ月後にお金が必要な状況ができて解約せざるを得なくなったとします。
ソニー銀行の規定によれば、1年以下の定期預金を中途解約する場合に適用される金利は、当初の約定利率の10%に止まります。
よって適用される利率は、年0.02%×10%=0.002% となり、しかもその適用期間は6ヵ月ですから、100万円×0.002%×6ヵ月÷12ヵ月=10円 です。ここから所得税と復興特別所得税が、10円×15%×(1.021)=約1.5円、1円未満切り捨てで税金は1円、地方税が10円×5%=0.05円、これも1円未満切り捨てで税金は0円、合わせて1円税金がかかります。
したがって税引前の利息10円から1円を引いた9円が税引後の手取り利息となります。よって、はじめから6ヵ月満期の定期預金を預け入れていた場合に比べて、71円(80円と9円の差額)の損失となります。
これが中途解約のペナルティにあたるものです。
1年もの定期預金で160円の利息を期待していたところが、6ヵ月後の中途解約で9円の利息になってしまうわけです。
それならはじめから年0.02%の6ヵ月もの定期預金にしておけば、満期で80円の利息が得られたので、同じ金利なら短い期間の定期預金を選んでおくべきとも言えます。
ソニー銀行の場合、このケースでは適用される金利が当初の約定金利の10%にまで切り下げられるということで、比較的厳しめの中途解約金利の設定です。それでも、超低金利の現在では、その差の絶対額としてはそう大きなものではありません。
30年前のように1年もの定期預金金利が年5%程度あれば、このような中途解約金利の設定だと中途解約で失う利息の絶対額も大きくなります。定期預金の中途解約に伴って失う利息はたしかにもったいないのですが、低金利の現在では金額としてはそう大きなものではないとも言えます。
定期預金の中途解約のペナルティ金利の比較をしてみましょう。
金利が自由化されたので、中途解約のときに適用する金利もまた各金融機関が自由に決められます。それでも従来の慣習に従って、解約時の普通預金金利を下回らないとしている金融機関がほとんどですが、中には厳しいルールを定めている金融機関もあります。
ここでは、個人が1年もの定期預金(元本3百万円以下のいわゆるスーパー定期)を半年(6ヵ月後の応当日)で解約するという前提で、代表的な銀行の定期預金の中途解約の金利を比較をします。
実際に適用される中途解約の金利が低い(厳しい)銀行から順にご紹介します。
東京スター銀行は店舗数が限られており、個人の預金はインターネットを通じて広く集めています。1年もの定期預金の金利なら、年0.002%(2022年6月20日現在)です。
ユニークなのは中途解約金利が、当初預け入れた定期預金の金利から一定の利率を差し引いて決める点です。所定の差し引き金利は年0.02%(2022年6月20日現在)ですので、年0.002%−年0.02%=無利息、となります。
所定の差し引き金利(ここでは上記の年0.02%)は、金利情勢によって変化すると思われますが、東京スター銀行では定期預金の当初預け入れから6ヵ月経てば、元本の一部解約を認めることになっています。
あおぞら銀行では、預金の調達はインターネット経由などで比較的高い定期預金金利を提示しています。またあおぞら銀行のBANKでは特に競争力のある金利を提供しており、1年もの定期預金金利は年0.20%となっています(2022年6月20日現在)。
仮にこの預金を6ヵ月後に中途解約すると、その場合の適用金利は解約時の普通預金金利となります。あおぞら銀行の普通預金金利は年0.001%なので、年利で単純に比較すれば「年0.20%→年0.001%」で実に200分の1にまで利息が減ります。
これは「満期日まで預けられない場合は、一切の定期預金の恩恵はなかったことにする」という意味です。あおぞら銀行では3年ものや5年ものといった。比較的長い期間の定期預金でも、満期日まで預け入れない限りは普通預金金利が適用されます。定期預金の中途解約に非常に厳しい銀行です。
セブン銀行はATMネットワークを提供することで手数料収入を得るユニークなビジネスモデルとなっていますが、各種の預金も提供しています。セブン銀行の1年もの定期預金金利は年0.01%となっています(2022年6月20日現在)。
セブン銀行の定期預金の中途解約金利は、当初預入期間と実際に預け入れた期間の関係で決まります。ただ、1年未満の中途解約金利は、当初預入期間に関わらず解約日時点の普通預金金利となります。
普通預金金利は年0.001%(2022年6月20日現在)ですので、1年定期としてスタートして6ヵ月預け入れても、そこで解約すれば普通預金金利と同じ年0.001%です。
なおセブン銀行の場合は1万円単位で定期預金の一部解約を認めており、残額の定期預金が満期日まで維持されれば、その部分は当初約束した年0.01%の金利が適用されます。必要な分だけ中途解約すればよいので、その点は預金者に有利です。
楽天銀行はインターネット専業銀行で、1週間ものの超短期定期預金から10年ものまで多様な期間の定期預金を提供しています。また、頻繁にホームページ上の表示金利を変更するので、預け入れに際しては十分な確認が必要です。
楽天銀行の場合、中途解約金利は預け入れた期間に応じて、当初預入金利の一定割合を掛けた金利を適用します。2022年6月1日現在の、楽天銀行の1年もの定期預金金利は年0.02%です。
中途解約金利は、預け入れ期間6ヵ月の場合は約定利率の5%ですので、この場合の中途解約金利は、年0.02%×5%=年0.001%となります。
楽天銀行の普通預金金利は年0.02%ですので、これに比べてもかなり低い金利となります。
auじぶん銀行は、携帯電話サービスのauと三菱UFJ銀行が設立したインターネット専業の銀行です。若い世代を狙った小口決済サービスなどが強みであり、資産運用型銀行ではありませんが、1年もの定期預金金利は年0.05%と比較的競争力のある金利を提示しています(2022年6月20日現在)。
auじぶん銀行では中途解約金利は、いつ預け入れたかによってあらかじめ決まっていて、長く預け入れれば適用される中途解約金利も上がっていくイメージです。
1年もの定期預金金利年0.05%で預け入れたとして、6ヵ月後に解約すると適用金利は年0.001%となります。auじぶん銀行の普通預金金利は年0.001%ですので、同じ金利です。
※ なお、auじぶん銀行では預け入れ後1ヵ月以内に解約すると利息は全く付きません。
みずほ銀行ではメガバンクらしいオーソドックスな中途解約金利の決め方をしており、当初預け入れ期間と、実際に預け入れた期間に応じて細かく適用金利の掛け目(利率)を決めています。
1年もの定期預金を6ヵ月応当日で解約する場合の適用金利は、当初の定期預金の所定金利の50%となっているので、1年もの定期預金金利の年0.002%×50%=年0.001%となります。
比較のために他の金融機関に目を向けてみると、楽天銀行では金利をどれだけ引き下げるかという掛け目(利率)が5%、同じくソニー銀行の場合は10%です。それらに比べると、みずほ銀行の掛け目は50%なので預金者おもいかもしれません。しかし、もともとの店頭表示金利が低いので中途解約金利はそう高くはなりません。
三菱UFJ銀行では、中途解約する定期預金の当初預け入れ期間は考慮せず、実際に預け入れた期間に応じて、その当初預け入れ時の適用金利の70%を適用するとしています。
今回の設定に即して言いますと、当初1年ものとして預け入れた定期預金が、結果として6ヵ月だけの預け入れにとどまったので、その当初預け入れ時の6ヵ月もの定期預金金利の70%だけ払いましょうということになります。
メガバンクの定期預金の店頭表示金利は、2022年6月20日現在では、1ヵ月から10年ものまで、すべて年0.002%となっています。6ヵ月もの定期預金金利も年0.002%なので、この場合の適用金利は、年0.002%×70%=年0.0014% です。
住信SBIネット銀行は、資産運用に力点を置いたインターネット専業銀行です。
2022年6月1日現在では1年もの定期預金金利は年0.02%です。中途解約金利は1年未満での中途解約の場合、当初預入時の定期預金の金利の10%にまで引き下げられます。
ですので、6ヵ月で解約した場合の適用金利は、年0.02%×10%=年0.002% となります。
ソニー銀行は、外貨預金などに強みのある資産運用型のインターネット専業銀行です。
1年もの定期預金を6ヵ月後に解約した場合の適用金利は、前の段落の「定期預金の中途解約の注意点」で計算したように、年0.002%(=0.02%×10%)です。
ただしソニー銀行の場合はセブン銀行と同じく定期預金の一部解約が可能です。
ゆうちょ銀行は定期貯金の中途解約金利を、三菱UFJ銀行と同じ考え方で決めています。つまり当初預け入れ期間に応じた金利をベースとせずに、実際に預け入れた期間に対してその預け入れ時に適用していた金利をベースとし、一定の掛け目(利率)を掛けます。ゆうちょ銀行ではそれが60%となっていますので、6ヵ月もの定期預金金利年0.002%に60%を掛けた年0.0012%が、この場合の中途解約金利となります。
これだと三菱UFJ銀行より厳しい結果となります。しかしゆうちょ銀行では、後でも述べますが、定額貯金という商品があって、期間10年の固定金利、半年複利で計算し、しかも預け入れ後6ヵ月経過すればいつでもペナルティなく解約できます。
2022年6月20日現在の定額貯金の金利は年0.002%ですので、6ヵ月で解約しても年0.002%はそのまま適用されます。ここではこちらの金利でランキングを決めました。
SBI新生銀行は店舗数が限られており、個人の場合はインターネット経由で利用するのが一般的です。今回は「パワーダイレクト円定期預金」というインターネット専用の定期預金の商品性で見てみます。
SBI新生銀行では1年もの定期預金金利は取引ステージによって変わりますが、スタンダードというクラスの取引で年0.01%を提供しています。
中途解約金利は6ヵ月後の応当日の場合は、この50%なので、年0.01%×50%=0.005% となります。
大和ネクスト銀行は、大和証券グループ本社が証券業務との連携を前提として設立した銀行で、資産運用に強みを持っています。定期預金は1ヵ月ものから5年ものまで提供しており、2022年6月20日現在は1年もの定期預金の店頭表示金利が年0.05%です。
原則として中途解約は認めていません。ただしやむを得ない場合は中途解約を認めており、2022年6月20日現在に預け入れた定期預金の解約利率は、年0.005%です(これは大和ネクスト銀行の普通預金金利と同じ水準です)。
あおぞら銀行やセブン銀行が、「解約時」の普通預金金利を、定期預金の中途解約の場合の適用金利としているのに比べて、あえて事前に数字を明示して中途解約金利を固定したのは、将来の金利上昇に備えていると言えます。
定期預金解約時の普通預金金利がいくらになっているかは、先のことなので分かりません。万が一環境が変わって金利が急上昇すれば、当初の定期預金預入金利を、中途解約時の普通預金金利が上回る可能性もあります。
そのような可能性を避けるためには、預け入れた当初の定期預金金利ごとに将来の中途解約金利を決めるか、一定の掛け目(利率)を掛けて適用金利を下げるか、いずれかの方法しかありません。大和ネクスト銀行では原則として中途解約を認めないなど、非常に厳しい姿勢ですが、結論的には年0.005%が確保されます。
イオン銀行は、大手小売業のイオンが提供する金融サービスの一環として、預金商品を提供しています。1年もの定期預金金利は年0.01%となっています(2022年6月20日現在)。
中途解約金利の設定の仕方は、みずほ銀行などと似通っており、一定の掛け目(利率)を細かく定めています。
今回の設例では、1年もの定期預金を6ヵ月後の応当日に解約する場合、50%の掛け目(利率)で中途解約金利を算出します。つまり年0.01%×50%=年0.005%となります。
オリックス銀行には、法人向けの信託業務もありますが、個人向けとしてはインターネット専業の資産運用型銀行となっています。金利の競争力は高く、1年もの定期預金金利は年0.15%を提供しています(2022年6月20日現在)。
オリックス銀行では当初の定期預金預け入れ期間に関わらず、1年未満での中途解約には普通預金金利を適用するとしています。したがって1年もの定期預金を6ヵ月で解約した場合は、普通預金金利年0.01%で計算されることになります。
他のインターネット専業・資産運用型銀行に比べて普通預金金利が高いので、結果的にオリックス銀行の中途解約金利は預金者に有利となっています。
ただしオリックス銀行が提供するeダイレクト普通預金の商品性は、キャッシュカード発行がなく、出金に際しても振込予約をして他の銀行に送金する方式です。つまり普通預金として使いにくく、その代わりに金利を高めに設定しているとも言えます。
SBJ銀行は韓国の金融グループが日本法人として設立した銀行で、日本においては金利の競争力があります。
1年もの定期預金の店頭表示金利は年0.12%、中途解約金利の決め方もオーソドックスに、当初預け入れ期間に応じた定期預金金利に一定割合を掛ける考え方です。
この場合、1年もの定期預金を6ヵ月で解約した場合は掛け目(利率)が50%となります。つまり年0.20%×50%=年0.100%となります。
以上は、一定の条件を決めて試算した数字を使って、出来上がりの中途解約適用金利が低い方(厳しい方)からランキングしたものです。
インターネット専業銀行では、ボーナスシーズンにキャンペーン金利を設定することもありますし、頻繁に店頭表示金利を見直す銀行もあります。あくまで参考情報として考えてください。
定期預金を中途解約しないためには、どのようにしたらよいでしょうか?
定期預金に何かしらの目的がある場合、例えば子どもの進学資金を準備するために定期預金を利用するケースであれば、その一定の時期に向けて定期預金の満期を集中します。
このように目的がある定期預金は、一定の時期を満期日と考えて、そこから預け入れ期間を逆算して決めます。
一方でいつ使い道が確定するか分からない場合もあります。例えば住宅を購入するための貯蓄などは、よい物件が出てくれば満期日を待たずに資金が必要になります。老後のための資金も、いつ何のための資金が必要になるか分かりません。
また、現在の金融情勢を見る限り、定期預金の預入期間が長ければ長いほど、高い金利が得られるという状況ではありません。
メガバンクなどでは1年もの定期預金金利から、最長の10年もの定期預金金利まで年0.002%でフラットですので、あえて1年もの以上の長めの定期預金を預け入れる利点は感じられません。
できれば資金を低金利で長期間固定してしまうのは避けたいところです。
もちろん1年もの定期預金の年0.002%で預け入れても、もし中途解約をすれば、みすみす失う利息が生じます。ソニー銀行やセブン銀行などでは一部解約を認めていますが、あまり一般的ではありません。
そこで一つの案として、例えば1,200万円の預入資金があるのなら、毎月100万円ずつ1年もの定期預金に預け入れるなどして満期日を分散すれば、まとめて1本の定期預金に預けるより、必要な金額を必要な時期にムダなく準備できます。
このようにして、1本の大きな金額の定期預金に預け入れるよりも、本数と満期日を分散させることが重要です。
定期預金を中途解約する利点はあるのでしょうか?
結論から言うと、元本を失うことなくいつでも中途解約できることこそが定期預金の利点です。
定期預金を中途解約することによって、いつでも自由に、ほとんど損失を支払うことなく、資金を手元に戻せることの経済的価値は非常に大きいです。
銀行など金融機関から見れば、この点はかなり預金者に有利なルールで定期預金を受け入れていると言えます。
さらに先ほどの「定期預金の中途解約のペナルティ金利の比較」で触れたように、ゆうちょ銀行が郵便貯金時代から提供している定額貯金は、最長10年間の金利固定、半年据え置き後はいつでも損失なく解約できるという破格の金融商品です。金利が上昇すれば、この商品性はますますその威力を増します。
いまの金融環境では、定期預金の中途解約は預金者に有利な仕組みです。
ただし、将来的に金利が上がってくれば、中途解約の損失は強まる方向で見直されるのは間違いありません。
そのためにも預け入れ期間ごとの金利水準等を踏まえて、1本の大きな金額で期間の長い定期預金はなるべく避けて、満期日が分散するように預け入れるのも一つの方法です。