順位 | 銀行名 | 預入期間 | 金利 |
1位 | SBJ銀行 | 1週間 | 年0.300% |
2位 | オリックス銀行 | 2週間 | 年0.120% |
2位 | SBI新生銀行 | 2週間 | 年0.120% |
2位 | 東京スター銀行 | 1週間 | 年0.120% |
5位 | 楽天銀行 | 1週間 | 年0.105% |
5位 | 楽天銀行 | 2週間 | 年0.105% |
(2024年11月1日現在)
<情報ソース>
1.SBJ銀行
http://www.sbjbank.co.jp/individual/interest.html#anc1
2.オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/interest/#anc_01
3.SBI新生銀行
https://sre.shinseibank.com/InterestRateC/rate_list.aspx#cate4
4.東京スター銀行
https://www.tokyostarbank.co.jp/rate/en_commission/
5.楽天銀行
https://www.rakuten-bank.co.jp/interest/details.html#anchor-03
超短期定期預金とは、通常は1ヵ月に満たない短い期間の定期預金のことです。
1993年の定期預金金利の自由化までは、定期預金は3ヵ月ものが最も短い預け入れ期間でしたが、金利や期間の自由化で1ヵ月もの定期預金が登場しました。
その後、1994年に普通預金などの流動性預金(いつでも払い出せる預金)の金利が自由化されて、金融機関は預金者のより短い期間の運用ニーズにも応えることができるようになりました。
超短期定期預金には以下の5つの銀行の定期預金商品があります。現在、日本国内で超短期定期預金を提供している金融機関は、この5つの銀行以外にはありません。
2024年11月1日現在、みずほ銀行などのメガバンクをはじめとして、多くの銀行の定期預金の店頭表示金利は1年もので年0.125%程度です。
ですので年0.125%をひとつの物差しとして、以下の金利をご覧ください。
楽天銀行はインターネット専業銀行です。楽天銀行には、1週間ものと2週間もの定期預金があります。金利は1週間ものが年0.105%で、2週間ものも年0.105%です(2024年11月1日現在)。
2つの違った期間の超短期定期預金を提供しているのは楽天銀行だけで、最低預入金額は1週間もの定期預金、2週間もの定期預金ともに10万円以上です。
楽天銀行はひんぱんに定期預金の金利を変更しているので、利用の際にはこまめな金利チェックが必要です。
SBI新生銀行は東京に本店があり、北は札幌から南は福岡までの主要都市には支店を展開しています。
SBI新生銀行の超短期定期預金は「2週間満期預金」として、2週間もの定期預金を提供しています。金利は年0.12%です(2024年11月1日現在)。最低預入金額はインターネット取引で50万円、店頭および電話受付の場合は100万円です。
オリックス銀行は法人向け信託商品も提供している銀行ですが、個人向け預金などはインターネットで取引を行っています。
オリックス銀行では「2週間定期預金」として、最低預入金額50万円から超短期定期預金を取り扱っています。金利は年0.12%です(2024年11月1日現在)。
東京スター銀行は東京が本拠であり、SBI新生銀行と同じく札幌から福岡までの主要都市に「フィナンシャル・ラウンジ」という営業拠点を設置しています。
東京スター銀行は、「スターワン1週間円預金」という超短期定期預金を取り扱っており、金利は年0.120%です(2024年11月1日現在)。インターネット、店頭に関わらず最低預入金額は10万円からです。
この「スターワン1週間円預金」の金利も低下の一途をたどりましたが、年0.02%まで下がってから、2024年9月に引き上げられて今の年0.120%となっています。
SBJ銀行は韓国の新韓金融グループの日本現地法人という位置づけの銀行です。店舗網は東京の本店以外に都内、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡の各地に支店があります。
SBJ銀行は、あくまで日本で設立された日本に本店のある銀行で、外国銀行の日本国内支店ではありません。日本に本店のある銀行の預金は預金保険制度の対象となり、その金融機関が破たんしても元金1,000万円及び破たんの日までの利息について保護されます。一方で外国銀行の在日支店であれば、預金保険の対象外という違いがあります。
SBJ銀行では「なのかちゃん」という1週間ものの超短期定期預金を取り扱っており、金利は年0.30%です。超短期定期預金の中では最も高い金利で、SBJ銀行ではこの金利水準を2024年9月から開始しています(2024年11月1日現在)。
SBJダイレクトと呼ばれるインターネットや電話を通じた取引では10万円から預け入れができますが、店頭では30万円以上です。
これらの5つの銀行の超短期定期預金に共通した預け入れ条件は、「預金者が個人であること」と「その銀行に普通預金口座を開設すること」です。
超短期定期預金の金利は、年ベースでは1年ものの定期預金の金利に比べて見劣りはしませんが、突出して高い金利ではありません。
その中でオリックス銀行、東京スター銀行、SBJ銀行は、超短期定期預金の取り扱いに前向きな金利設定を行っているようです。
超短期定期預金を利用する注意点には、どのようなものがあるでしょうか?
超短期定期預金で得られる利息は小さな金額なので、その金額よりも銀行に支払う手数料が多ければ元も子もありません。
たとえば、超短期定期預金を利用するために新しい銀行口座を開設しても、いままで自分が使ってきた古い銀行口座からの資金の移動で他行宛振込手数料がかかれば、それだけで新しい銀行の超短期定期預金で運用する意味(利息)は吹き飛んでしまいます。
また、銀行のATM手数料もかさみます。
超短期定期預金を提供している5つの銀行では、いずれも普通預金(出し入れ自由な預金口座)の開設が、超短期定期預金を預け入れるための条件です。
これらの5つの銀行は、店舗やATMネットワークが限られているため、お金の出し入れをする際には、振込(銀行間の送金)か他の銀行の提携ATMネットワークに頼らざるを得ません。これらのネットワークを利用するために、普通預金口座が必要となります。
超短期定期預金を提供している銀行において、共通して想定している取引手順は以下のような流れです。
(1)来店、郵送、インターネット等の方法で普通預金口座を開設する。
(2)その口座に入金して、インターネット経由で定期預金を作る(金額・期間等を指示)。
(3)定期預金を満期日で解約扱いとする場合は、元金と利息を普通預金口座に振替える。
(4)その普通預金口座からインターネット取引を経由して、他の銀行への送金する。
超短期定期預金は得られる利息が少ないので、ある程度まとまった金額で利用しないと意味がありません。
そして超短期定期預金を提供している銀行で、超短期定期預金を運用して得られるお金(元金と利息)を他の銀行に移動させるときには、振込扱いとするのが現実的です。
銀行ごとに条件は異なりますが、インターネット取引を利用すれば最低でも月に2回は他行宛振込手数料が無料にできます。
逆に言えば、振り込みで余計なコストがかかれば、超短期定期預金を通じて個人の預金を集められないので、これらの銀行ではインターネットの利用等を条件として、他の金融機関への出金を無料でできるように取引条件を設定しています。
超短期定期預金は、限られた銀行が提供する一定の限られた条件の下でのみ、使い道がある金融商品だと考えた方がよいです。
また、ある銀行に超短期定期預金の商品があったとしても、楽天銀行のように普通預金と同じ水準の金利であれば、事実上は利用価値がありません。それに各銀行が提供する超短期定期預金の金利も、現状はそう高いわけではありません。
超短期定期預金を扱う5つの銀行は、いずれもあまり広範な店舗ネットワークを持っておらず、メガバンクや地方銀行のように広く薄く多くの個人から預金を集めることが得意ではありません。
それらの銀行がどうしても超短期の預金を効率よく集めたくなったら、そのときは超短期定期預金の金利を素早く引き上げるでしょう。
そういった銀行が自らの弱点(預金集め)を補う「武器」が、超短期定期預金だとも言えます。
このように超短期定期預金は、提供する各銀行の思惑もからんで、非常に微妙な商品設定のバランスの上に成り立っています。
個人が超短期定期預金を効果的に利用するには、金利の動き、税金、手数料など、非常に多くのポイントを自分自身で確かめて、インターネット経由で(つまり自分自身で預け入れ条件を打ち込んで)すべて自己責任で取引をする必要があります。
これらの点を総合的に考えれば、超短期定期預金は定期預金の一種ですが、金融情勢、税制、各種の金融取引に精通している人向けの金融商品だと思われます。