メガバンクの金利

メガバンクの金利

メガバンクはその信用力を基に銀行預金が集められるので、必要以上に預金金利を高い水準に設定する必要がありません。それがメガバンクが低い預金金利を維持している理由の一つです。

高い信用力で預金が集められる

メガバンクが取扱う普通預金定期預金などの一般の銀行預金金利は低い水準で設定されています。それはなぜでしょうか?

預金を集めることは銀行の主要業務の一つであり、楽天銀行住信SBIネット銀行などのインターネット専業銀行は、口座開設キャンペーンの実施や高い金利水準で定期預金金利を設定しています。また地方銀行においては定期預金キャンペーン等を行うことで、通常の銀行預金金利に上乗せ金利を適用して預金を集めるなどしています。

しかし、メガバンクにおいては高い水準で金利を設定している他の銀行に対抗することもなければ、高い水準で金利を設定することもなく低い金利水準を維持しています。なぜメガバンクの金利は他の銀行と比較して低い水準で設定されているのでしょうか?

この点については、金利に対する考え方や接し方が各銀行によって違うといった理由が考えられます。銀行預金金利は銀行が預金者に対して支払うものですが、銀行側から見た場合は銀行預金金利は銀行のコストとも言い換えられます。

預金をできる限り安く調達するには、低い金利水準の預金を設定すればよいことになります。銀行預金の金利を高い水準で設定すると多くの預金残高を確保できますが、銀行側の調達コストも高まります。逆に銀行預金の金利を低く設定すると高い金利で設定した際の預金残高ほどは確保できませんが、調達コストは抑えられます。

メガバンクの場合は高い信用力を有しているため、預金者は高い金利水準を求める以上に安全性を重視し、絶対に減らしたくないお金が預けられている場合も多く、銀行預金の金利の水準だけでは説明しきれない部分があります。メガバンクはその高い信用力を基に銀行預金が集められるので、必要以上に銀行預金の金利を高い水準で設定する必要がないため、低い金利水準を維持していると言えます。

大規模ゆえに適用金利を変えられない

また、メガバンクは大規模な金融機関であることから、むやみに適用金利を自由に変動させられない事情があります。メガバンクは都市銀行が統合再編を経て誕生した銀行業務全般に携わる大手銀行であり、日本の名立たる大手企業への業務支援などに密接な関連を有することから、日本経済を根底から支えるといった役割も担っています。そしてその影響力を理由に、政府や日銀の様々な経済政策に準じた対応を求められる立場にもあります。

現在の政府や日銀の金融政策と財政政策は、国内の個人消費や法人の設備投資などの活性化を図るべく低金利策を実施しているため、逆にここでメガバンクが金利を高い水準で設定すると、景気対策を腰折れさせることにもなりかねません。民間銀行だからとはいえ、日本経済に大きな影響力を与えるため、政府と日銀が実施する経済対策を具現化するような対応がメガバンクには求められています。

メガバンクは金利を低い水準で設定しています。様々な事情から今後もメガバンクは日本の経済政策が現状維持を継続する限りは低い金利水準を維持して、銀行預金金利で他の銀行に対抗することはないと考えられます。このような理由から、最近のメガバンクは低い金利水準の定期預金などに代わる金融商品として、資産運用業務に注力して様々な金融商品の拡充を行うことで収益性を高めています。

< 戻る | 進む >

定期預金の金利の比較

メニュー

Copyright (C) 2008-2024 定期預金の金利の比較 All Rights Reserved.