定期預金の平均の金利は現在どれくらいでしょうか?
定期預金でお金を運用した場合、平均でどれくらいの金利が付くのかを考えてみましょう。よくありそうなケースを想定して、100万円を1年満期の定期預金で預けた場合の金利を調べます。
日本の三大銀行と呼ばれる、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行と、ゆうちょ銀行の定期預金の金利はすべて年0.002%です。
地元に密着した経営を行っている地方銀行や第二地方銀行の定期預金の金利については、いくつかの銀行は年0.002%より少し高いものの、平均するとおよそ年0.002%となります。
普通の銀行に定期預金でお金を預けた場合、金利は年0.002%程度です。
近年、急成長しているインターネット銀行の定期預金の金利も調べます。
インターネット専業銀行と呼ばれる6つの銀行〈PayPay銀行、ソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、大和ネクスト銀行〉と、店舗窓口をほとんど持たずに営業している2つの銀行〈セブン銀行、イオン銀行〉を合わせた8つの銀行をインターネット銀行として、1年満期の定期預金の金利を調べました。
その結果、インターネット銀行の定期預金の平均金利は、およそ年0.113%となりました。通常の銀行よりインターネット銀行は金利が高いのが特徴です。
けれども、各インターネット銀行の定期預金の金利はバラつきが大きいです。定期預金の金利が一番高いインターネット銀行では年0.25%です。しかし、定期預金の金利が一番低いインターネット銀行では年0.02%です。
普通預金の金利も見てみます。一部のインターネット銀行を除いて、ほとんどの銀行の普通預金の金利は、年0.001%となっています。
一方、定期預金の金利は最低でも年0.002%です。ですから普通預金の金利と比べれば、定期預金の金利は2倍以上となります。
しかし超低金利が続く日本では、定期預金といえども得られる利息は本当に僅かです。そのため、わざわざ定期預金にはせず普通預金に置いたほうがよいとの見方も広がっています。
それなら「定期預金は意味ない?」と疑問を持つ方も多いでしょう。では、定期預金は意味ない金融商品なのかどうか、これから考えてみます。(金利は2021年4月7日現在)
定期預金を「メリットなし」と決めつけてはいけません。
定期預金の金利が低いとはいえ、定期預金は無意味な金融商品ではなく、メリットがたくさんあるからです。
定期預金のメリットのまず最初は、貯蓄に適していることです。
定期預金は期間を定めて預ける預金で、契約期間中は引き出せない(満期まで解約ができない)ことが前提です。そのため貯蓄に適した商品と言えます。
例えば、まとまったお金があると、つい高価な商品を買いたくなる傾向がある人にとっては、定期預金にすれば容易にお金を引き出せないため誘惑から守られます。これは多くの人が定期預金を選ぶおもな理由の一つです。
定期預金には預金保険制度があるのもメリットです。普通預金と定期預金のどちらにも言えることですが、銀行預金が安心安全を誇れる基盤として預金保険制度(ペイオフ)があります。
これは万が一、銀行などの金融機関が破綻したとしても、元本1,000万円までとその利息を預金保険機構(政府や各金融機関等が出資して作った機関)が保護してくれる制度です。
定期預金は元本割れをしない安心感がありますが、それに加えて1,000万円とその利息までの限度があるものの、定期預金を預けた金融機関が破綻しても大丈夫という安心感があります。
定期預金は普通預金に比べてキャンペーンが多い点もメリットです。
銀行にとっては、普通預金のように頻繁に出し入れされるお金よりも、定期預金で安定して銀行にお金を置いてもらえるほうが助かります。そのため、定期預金向けに様々なキャンペーンを行っています。
例えば、最初の数ヶ月間は定期預金の金利をアップしたり、○○万円以上の定期預金をご契約のお客様にお米などの日常用品をプレゼントしたりすることもあります。また、キャンペーンではありませんが、定期預金の金額が大きいと銀行によっては窓口で粗品がもらえることもあります。
いま、確かに定期預金の金利は低いです。しかし、普通預金よりも高い金利が付くというのは定期預金のメリットのひとつです。
現状では、定期預金と普通預金の金利を比べるなら、定期預金のほうが10倍か、それ以上の金利が付きます。定期預金の金利優遇キャンペーンを上手く利用すれば、定期預金の金利をさらに高くできます。
適用される条件は厳しいのですが、「マル優制度」が利用できるのも定期預金のメリットです。
これは、預金の元本350万円までの利子が非課税になるというものです。ただし、障害者手帳の交付を受けている方や遺族年金を受給している場合など、限られた条件に当てはまる人のみが利用できます。
約20%の税金を払わずにすむのですから、条件に当てはまる場合は必ず使いたい制度です。
ここからは定期預金のデメリットについて考えます。
定期預金は普通預金比べると金利が高く、また元本保証のある金融商品であり、日本ではとても人気があります。
しかし、期預金にもデメリットはあるので、それらを理解したうえで預け入れをしたいです。
やはり定期預金の金利が低いのは大きなデメリットです。
長く低金利の時代が続いてきましたが、日本銀行がさらにマイナス金利の政策を打ち出して以降、極めて低い金利が続いています。具体的に、定期預金で運用した場合、利息がいくらなのかを考えましょう。
例えば、100万円を年0.01%の金利で定期預金に預ければ、毎年の利息が100円です。さらに、この100円から税金が20円ほど(100円[利息]×20.315%[住民税+所得税+復興特別所得税]≒20円)差し引かれて、約80円が受け取れます。
定期預金に預けたお金が満期まで引き出せない点も、一つのデメリットです。定期預金は原則として満期までの期間中には引き出せません。
もし、満期までの期間中に定期預金を中途解約するなら、約定金利と呼ばれる最初に約束された金利は受け取れず、ペナルティ金利が適用されます。
このペナルティ金利は非常に低いため、中途解約した結果、普通預金以下の利息しか受け取れないこともあります。ただし、日本円の定期預金なら元本割れはありません。
さらに、定期預金をより高い金利で預けるためには手間がかかるのもデメリットです。
各銀行(金融機関)のホームページや店頭で金利を調べて比較するには、それなりの時間と労力がかかります。
また、金利が高い銀行(金融機関)を見つけたとしても、最寄りに支店がない場合もあります。
定期預金はシンプルで使いやすい金融商品ですが、普通預金に比べると契約内容が少し複雑になる点にも注意をしておきたいです。
特に、定期預金の中途解約や満期到来時の取り扱いの条件は、銀行などの金融機関によって異なります。
定期預金を金融機関に預けるときは、満期の期間や、その他の条件を自分で確認して決定しなければなりません。
定期預金で高い金利を得たいなら、やはりインターネット銀行が有利です。インターネット銀行は、定期預金の金利が高くなるキャンペーンを頻繁に行っています。
特に夏と冬のボーナス時期や、新生活が始まる4月頃は、新規顧客を獲得するためにキャンペーンがさかんです。
ここでは、金利が高い5つのインターネット銀行をご紹介します。
具体的には、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、大和ネクスト銀行、auじぶん銀行、イオン銀行です。
これらのインターネット銀行について、1年満期の定期預金に100万円を預け入れた場合についての金利を見ていきます。
住信SBIネット銀行は、定期預金の金利がインターネット銀行の中でも高めの銀行です。キャンペーン中は、定期預金の金利は年0.20%になることがあります。しかしながら、現在のようにキャンペーンが終了していると年0.02%になります。
住信SBIネット銀行は、SBIホールディングスと三井住友信託銀行が共同で設立した銀行です。また、定期預金に関するキャンペーンも頻繁に行っています。
ソニー(sony)グループが作ったインターネット専業銀行が、ソニー銀行です。
サービス名はMONEYKit(マネーキット)となっており、資産管理機能やデザインが特徴的で人気の銀行です。定期預金の金利は年0.02%となっています。
大和ネクスト銀行は、2011年に開業した新しい銀行です。
大和ネクスト銀行は、証券業界No.2の大和証券に口座開設をしている人だけが利用可能な銀行です。
大和ネクスト銀行の定期預金の金利は年0.05%であり、比較的高くなっています。ただし大和証券と併用しないと、それほど活用できません。
三菱UFJ銀行とKDDIが共同で設立した銀行が、auじぶん銀行です。
auじぶん銀行の定期預金の金利は年0.05%で、インターネット銀行の中では比較的高めです。
しかしながら、KDDIが運営しているauの携帯電話ユーザーの場合は、各種特典が多いです。
イオングループには、イオン銀行があります。
イオン銀行との銀行取引によってWAONポイントが貯まるなどのサービスが特徴です。WAONポイントが使えるイオンやイオン系列店でのショッピングをよくする人には利便性が高いです。
イオン銀行の定期預金の金利は年0.01%なので、あまり高いとは言えません。しかしながら普通預金の金利が最大で年0.100%となるサービスを展開しています。
定期預金の金利が高いとされるインターネット銀行を5つ、ご紹介しました。近年、通常の銀行もインターネットでの営業に力を入れており、インターネットバンキングで定期預金を申し込んだ場合には、定期預金の金利を優遇しているケースもあります。
また、実店舗型の銀行がインターネット上のみで営業するインターネット支店を設置して、インターネット支店専用の定期預金の金利を高くしている場合もあります。
(金利は2021年4月7日時点)
超低金利が続いている今の日本では、定期預金では高い金利は望めません。しかし定期預金が全く無駄なわけではありません。
たとえ金利が低くても、定期預金の特徴とメリットをよく把握すれば、定期預金を活用することができます。
ここでは、定期預金の活用方法について見ていきます。
例えば、目標設定に定期預金を活用するという方法があります。
定期預金に預け入れをすると「貯めた」という実感ができます。これから将来のために貯蓄をスタートしようと考えている場合は、まずは「○○万円の定期預金を作る」という目標を立てれば、現実的かつ達成感を得やすいです。
また、目的と利用時期が決まっているお金の置き場所に定期預金を活用する方法もあります。
例えば、3年後に子供が大学に入学する予定の場合、進学費用として準備したお金を定期預金にできます。
このケースの場合、子供の進学資金なので買い物などに使うべきではありませんし、他の金融商品への投資にも適していません。
なぜなら、3年後の大学入学時に損失が出てしまっていたら、子供の進学費用が不足する事態が発生するからです。この場面では、堅実に3年満期の定期預金で運用するのが良い選択です。
さらに、銀行との信頼関係を築くために定期預金を活用する方法もあります。
銀行によっては、顧客が貸金庫に何か預けたい場合などに、顧客の定期預金の口座の有無や金額を確認することがあります。
ですので、貸金庫のサービスを利用したい銀行に定期預金を預け入れておくと、貸金庫のサービス提供がスムーズに進むことがあります。