「定期預金は意味ない」と言われることがあります。
確かに、株式や投資信託のように大きな値上がり益を期待する商品ではありません。また、普通預金より資金の自由度が低く、物価上昇率より金利が低ければ実質的な購買力は目減りします。
しかし、定期預金は「お金を増やすためだけの商品」ではありません。元本を守りながら、使う時期が決まっている資金を置くための商品としては、2026年現在も十分に意味があります。
結論を先に言えば、定期預金が意味あるかどうかは「何のためのお金を預けるのか」で決まります。
しかし、その後マイナス金利政策は終了し、2026年には日本銀行が無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促す金融政策を採っています。
一般の預金金利も上昇しており、定期預金は金利を比較して選ぶ価値が以前より高まっています。
定期預金は元本の安定を優先する商品です。
そのため、長期間で大きな資産形成を目指す株式・投資信託などと比べると期待収益は低くなります。
10年・20年後の資産成長を目的にするなら、定期預金だけでは不十分な場合があります。
預金残高が減らなくても、物価がそれ以上に上がれば、同じ100万円で買えるものは減ります。
たとえば定期預金金利が年1%でも、物価が年3%上昇すれば、税引前でも実質的な購買力は低下します。
「元本保証」と「実質価値が保証される」は別です。
銀行によっては、普通預金の優遇金利と定期預金の金利差が小さいことがあります。
この場合、自由に引き出せる普通預金を選んだ方が合理的なこともあります。
定期預金を作る前に、同じ銀行の普通預金金利と比較してください。
定期預金は満期まで預けることを前提としています。
日本の多くの円定期預金では満期前でも中途解約できますが、当初の約定金利ではなく中途解約利率が適用されます。
そのため、数か月後に使う可能性がある生活資金・緊急資金を定期預金へ入れるのは適しません。
固定金利の定期預金を長期間組むと、その後市場金利が上昇しても契約金利は原則変わりません。
金利上昇が続く局面では、1年・3年・5年と長く固定するより、短期定期を組み合わせる方が有利になる場合があります。
一般的な円定期預金は、株式・投資信託のように市場価格が上下しません。
満期まで持てば、契約した元本と利息を受け取れます。
数年後に必ず使う予定があり、元本割れを避けたいお金の置き場所として大きな意味があります。
利息の付く普通預金・定期預金などの一般預金等は、金融機関が破綻した場合でも、原則として1人・1金融機関につき元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
たとえば同じ銀行に普通預金400万円、定期預金800万円がある場合、一般預金等は合計1,200万円です。
定期預金口座ごとに1,000万円ではなく、同じ金融機関の対象預金を合算する点に注意してください。
たとえば、
・1年後の自動車購入資金
・2年後の住宅リフォーム費用
・3年後の大学進学資金
・数年以内に使う老後生活資金
などは、利用時点で値下がりしていては困ります。
使う時期が近く、元本割れさせたくないお金こそ、定期預金の得意分野です。
普通預金に置いてあると使ってしまう人にとって、定期預金は心理的な仕切りになります。
中途解約というひと手間があるため、目的資金を日常支出から切り離しやすくなります。
銀行・信用金庫・インターネット支店などでは、期間限定の定期預金金利キャンペーンを実施することがあります。
ただし、「年○%」という数字だけではなく、
・何か月ものか
・新規資金限定か
・最低預入額はいくらか
・満期後の金利はどうなるか
を確認してください。
一定の障害者等に該当する人は、「障害者等の少額貯蓄非課税制度(マル優)」を利用できます。
対象となる預貯金等の元本合計350万円までの利子を非課税にできます。
利用には金融機関を通じた所定の手続きが必要です。
まとまったお金を受け取った直後に、すべてを投資へ回す必要はありません。
資産配分を考える間、3か月・6か月・1年などの短期定期へ置いておく方法があります。
退職金・相続金・不動産売却代金などを、焦って投資商品へ移すことを避ける「一時的な置き場所」としても使えます。
・元本割れを避けたい
・1〜5年程度で使う予定の資金がある
・普通預金に置くと使ってしまう
・預金保険の範囲内で安全性を重視したい
・キャンペーン金利を活用したい
・投資に回すまでの待機資金を置きたい
こうした人にとって、定期預金は2026年でも十分に意味があります。
・10年、20年単位で大きな資産成長を目指す
・いつお金が必要になるか分からない
・普通預金と定期預金の金利差がほとんどない
・物価上昇を上回る運用収益を求める
・今後さらに金利が上がると考え、長期固定を避けたい
この場合は普通預金、個人向け国債、投資信託など別の商品も比較します。
| 比較 | 普通預金 | 定期預金 |
|---|---|---|
| 元本の安定 | 高い | 高い |
| 預金保険 | 対象 | 対象 |
| 引出し自由度 | 高い | 低い |
| 金利 | 銀行による | 普通預金より高い場合が多い |
| 向く資金 | 生活費・緊急資金 | 一定期間使わない資金 |
金利差が小さければ普通預金、金利差が十分あり満期まで使わないなら定期預金、という考え方が基本です。
安全性を重視するなら、個人向け国債も有力な比較対象です。
個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」があり、最低金利年0.05%が保証されています。
発行後1年を経過すれば中途換金でき、直前2回分の利子相当額などが差し引かれます。
定期預金は銀行ごとのキャンペーン金利を使えること、個人向け国債は国が元利金を支払うことが大きな違いです。
金利が今後も上がる可能性を考えるなら、すべての資金を5年定期へ固定せず、
・3か月定期
・6か月定期
・1年定期
などへ分ける方法があります。
満期時期をずらすことで、その時点の新しい金利へ乗り換える機会を確保できます。
定期預金を比較するときは、
・現在の適用金利
・預入期間
・最低預入額
・新規資金などの条件
・中途解約利率
・満期後の扱い
・既存預金を含む預金保険上限
をまとめて確認します。
実際には、貸金庫の利用条件・優先順位は金融機関ごとに異なり、定期預金を持てば必ず利用しやすくなるとは限りません。
定期預金は「銀行との付き合いのため」ではなく、自分の資金目的に合うかどうかで判断するのが基本です。
定期預金は、資産を大きく増やす商品として見れば物足りません。
しかし、
・元本を減らしたくない
・使う時期が決まっている
・普通預金より少しでも高い金利を得たい
・投資とは分けて安全資金を管理したい
という目的なら、今でも合理的な選択肢です。
「定期預金は意味ない?」への答えは、「資産形成の主役としては弱いが、守るお金の置き場所としては意味がある」です。
いいえ。預金金利が上昇した現在、元本を守りながら一定期間使わない資金を置く商品として意味があります。ただし、長期的な資産成長だけを目的にするなら定期預金だけでは不十分な場合があります。
金利差と資金の使用時期によります。近く使う可能性があるなら普通預金、満期まで使わず金利差が十分あるなら定期預金が向いています。
一般的な円定期預金は市場価格による元本割れはありません。ただし金融機関破綻時の預金保険には1人・1金融機関あたり元本1,000万円までという保護上限があります。
目的によります。定期預金は銀行ごとのキャンペーン金利を使える一方、個人向け国債は国が元利金を支払い、発行後1年経過すれば中途換金できます。安全資金では両方を比較する価値があります。
預金金利が物価上昇率を上回らなければ、実質的な購買力は低下します。定期預金は元本の安定には向きますが、インフレ対策として十分とは限りません。
※本ページは2026年8月時点の日本銀行、預金保険制度、国税庁、財務省等の公表情報をもとに一般的な仕組みを解説しています。定期預金金利、普通預金金利、キャンペーン条件、中途解約利率などは金融機関・商品によって異なり、随時変更されます。実際の預入時には各金融機関の最新の商品概要説明書をご確認ください。
