定期預金とは、満期までの定まった期間は預けたお金が引き出せない代わりに、通常の普通預金よりも高い金利が約束されている預金(金融商品)です。
定期預金の預け入れ期間は、利用者が最初に選べます。
金融機関によってもまちまちですが、ごく一般的な例としてメガバンクの三菱UFJ銀行や三井住友銀行やみずほ銀行などの定期預金を見てみると、定期預金の預け入れ期間は1ヶ月〜10年です。
ただし最近では「超短期の定期預金」も見られるようになり、楽天銀行のように7日や14日といったごく短い期間で満期がくる定期預金もあります。
基本的に、定期預金は満期日までは解約や一部引き出しができない商品です。しかし、どうしてもお金が必要になった時には中途解約ができます。その場合は、預け入れた時に約束した(約定した)金利ではなくて、ペナルティとして低い金利が適用されます。
課せられる「ペナルティ金利」は金融機関によって違いますが、おおよそ普通預金の利率、あるいは普通預金以下の低い利率となります。具体的な例としては、大和ネクスト銀行の定期預金のペナルティ金利は一律で「0.005%」と定められています。また楽天銀行の場合は1年未満の定期預金であれば「約定利率×5%」です。
このように定期預金は中途解約をするとペナルティ金利が課されるのですが、預け入れたときの金額(元本)よりお金が減ることはありません。ちなみにこれを元本保証と言います。
このように定期預金は元本保証の商品なので、預け入れのすべての期間において元本が減る(元本割れ)ことがありません。この元本保証が定期預金の特徴の一つです。
定期預金の金利は金融機関によって違いますが、預け入れ期間が長くなるほど高くなるのが普通です。しかし日本銀行(日銀)のマイナス金利政策が2016年2月16日に施行されてからは、多くの金融機関において定期預金の金利が預け入れ期間に関係なく年0.002%になっています。
高い金利で知られるインターネット銀行でも全体的に定期預金の金利は下がっており、年0.10%もあれば高いと言える状態です。
ただし、インターネット銀行の中でもオリックス銀行、auじぶん銀行、SBJ銀行などは、しばしばキャンペーンを実施して、金利が優遇された定期預金を提供しています。
また定期預金の金利には、単利と複利という2つの種類があります。
単利とは、預け入れた元本に付く利息は、元本と別にして扱います。
それに対して複利は、元本についた利息を再び元本に組み入れて、両者(元本と利息)が一体になったものを新しい元本として、もういちど預け入れます。
つまり複利なら、雪だるま式に預け入れた資金が増えていく可能性があります。
一般的な定期預金では、預け入れ期間が3年未満は単利であり、3年以上が複利です。具体例としては、あおぞら銀行の定期預金「BANK The 定期」の金利は、1年ものは単利型ですが、3年ものや5年ものとなると半年複利型になります。
半年複利とは、半年ごとに利息の計算がなされて、その利息が元本に組み込まれていく仕組みです。半年複利は1年複利よりも元本の増え方が大きいです。
そして定期預金の金利には、固定金利と変動金利があります。固定金利の定期預金は、預け入れたときの金利が満期までずっと続きます(定期預金の金利が変わらない)。
それに対して変動金利の定期預金は、預け入れたときの金利が変わります。具体的には、金融情勢を反映して多くは6ヶ月ごと(半年ごと)に見直しがおこなわれます。
一般に定期預金をインフレに対応させるには、半年ものや1年ものなどの期間の短い定期預金に預け入れます。そして満期がきて解約となったら、その時点で高い金利の定期預金を探して預け入れします(ちなみに大抵の定期預金は固定金利です)。
しかし変動金利型の定期預金であれば、金融情勢に連動して金利が自動的に高くなります。そのまま放っておくだけで多少のタイムラグはあっても、定期預金の金利も上がっていきます。
多くの金融機関において、定期預金の一般名称は「スーパー定期」です。そして預け入れ金額が300万円以上になると「スーパー定期300」、さらに預け入れ金額が1,000万円以上になると「大口定期」となります。
通常は「スーパー定期」「スーパー定期300」「大口定期」と預け入れ金額が増えるにつれて、預金金利も高くなるのが普通です。しかし、日本銀行のマイナス金利政策以降は、そうならないケースもあります。
定期預金は日本円の預金なので、たとえ預け入れている金融機関が破綻をしたとしても、預金保険制度によって1,000万円までの元本とその利息が保護されます(ペイオフといいます)。
もう少し詳しく言うと、一金融機関一預金者あたり、保護の対象となる普通預金や定期預金を合算して1,000万円までの元本とその利息が保護されます。
しかし、大口定期のように1,000万円を越える定期預金については、全額が保護の対象とはなりません。ですので、この場合は預け入れるお金を1,000万円未満となるように複数に分割をして、それぞれのお金を複数の金融機関の定期預金に預ける方法が考えられます。
定期預金はいずれ満期がおとずれます。その時の対応のしかたには「自動解約」と「自動継続」があります。
「自動解約」は文字通り自動的に定期預金が解約されます。そして元金(預けたお金)と税引き後の利息が普通預金口座に振り込まれます。
それに対して「自動継続」は、その継続する時点での新しい金利で引き続き定期預金にお金が預け入れされて運用されます。その自動継続には、さらに2つのパターンがあり、それが「元利継続」と「元金継続」です。
1つめの元利継続とは、満期を迎えた定期預金には受取利息(もらえる利息)が付きますが、元金にその受取利息を加えたお金を丸ごと「新しい定期預金の元金」として運用するもののことです。
2つめの元金継続とは、定期預金に預け入れて満期を迎えたら、元金(預けたお金)だけを再び新しい定期預金として運用するものです。この場合の受取利息は別途、税金が引かれた後に普通預金口座に振り込まれます。
一般的には、定期預金が満期を迎えたら「自動継続」にして「元利継続」になるように選んでおくと、受け取った利息も新しい元金の一部として運用されるので複利的な効果が得られます。
ただしこの場合、受け取った利息には税金がかかるので、税引き後の利息が元金に組み込まれます。
定期預金は商品がシンプルで、どの金融機関も内容が似ています。しかし金融ビックバン以降、金融機関は自由に金融商品の金利が設定できるようになったので、金融機関ごとに定期預金の金利は異なります。
そのような中で利用者がとくに関心を持つのは、金利が高い定期預金です。店舗型の都市銀行や地方銀行の定期預金の金利はおしなべて低いですが、インターネット銀行やインターネット支店の中には金利の高い定期預金もあります。
具体的には、オリックス銀行、auじぶん銀行、SBJ銀行、あおぞら銀行BANKなどです。これらの金融機関は定期預金のキャンペーンをしばしば行っているので、キャンペーン金利(上乗せ金利)が適用されるタイミングをねらうのも一つの方法です。
日本銀行のマイナス金利政策が始まってから定期預金の金利はとても低くなっています。代表的なメガバンクのみずほ銀行などでは、1年ものの定期預金の金利が年0.002%です。
これは100万円を1年間預けて得られる利息が20円ということで、そこからさらに税金として20.315%(国税15%+地方税5%+復興特別0.315%)が差し引かれるので受取利息は約15円となります。
定期預金に100万円を預けて、利息が15円です。
このような現実から、定期預金から普通預金へ資金がうつされています。一般的な普通預金の金利は年0.001%と定期預金よりもさらに低くなりますが、得られる利息が少ないという点では変わりがありません。そこで、いつでも入出金できる普通預金の利便性(便利さ)を優先する人が増えているのです。